Opera,Richard Wagner

 いよいよ、バイロイトですね。今年はネットラジオの録音ノウハウも得ましたので、エアチェックする気満々です。今年の演目と指揮者の面々はと言いますと。

  • トリスタンとイゾルデ:ペーター・シュナイダー
  • 指環:クリスティアン・ティーレマン
  • パルジファル:ダニエレ・ガッティ
  • マイスタージンガー:セバスティアン・ヴァイゲル

いやあ、25日はトリスタンで幕を開けるのですが、初っぱながシュナイダーさんとは。そして、イゾルデはイレーネ・テオリン。2008年の新国「トゥーランドット」で強きトゥーランドットを演じ、来季の新国リングでブリュンヒルデを歌うテオリンさんが、シュナイダーさんとイゾルデを競演とは! 垂涎。今年のバイロイトのトリスタンは絶対外せないです。

Giuseppe Verdi,Opera

とうとう新国の2008/2009年シーズンも終わり、オペラ的にはシーズンオフ。「修善寺物語」にはいけなかったのが口惜しいところですが。

今回のシーズンで一番すごかったのは、やっぱり「ワルキューレ」でしょうか。意外だったのは、これまで苦手としていたロッシーニ作品を楽しめたことでしょうか。「チェネレントラ」はすさまじかったです。

2009/2010年シーズンは新国11年目のシーズンです。舞台裏では新国も色々あるみたいですが、より一層すさまじい舞台を見せてほしいです。

ということで、2009年シーズンの冒頭を飾る「オテロ」を予習中。「オテロ」はたしか2002/2003年シーズンで演奏されたかと思います。でも、あの頃の私は、まだ「アイーダ」も知らず、「カプリッチョ」にも出会っていなく、「指環」も知らない赤子でした。まあいまも青二才ですが。

デズデーーモナは、ノルマ・ファンティーニさん。この方、凄いと言う噂をよく聞きますし、新国にも何度もいらしているはずなのですが、実演は今回が初めてです。楽しみ。イアーゴは、ルチオ・ガッロさん。「西部の娘」、「ドン・ジョヴァンニ」でおなじみ。今回も渋い歌声を聞かせてくれそう。

とはいえ、数年前からiPodに入っている、カラヤン&デル・モナコの「オテロ」を予習に、と聴いてみると……、マジですか! これはすごい曲で、すごい演奏だ、ということに気づきました。お恥ずかしい限り。デル・モナコのトランペット・ボイスはiPod+Quiet Comfort2で聴いてもすばらしい。ヴェルディの分厚く圧倒的なオーケストレーションが激しい音圧となって迫ってくるのには、会社の昼休みであることを忘れてしまうぐらい。すごいなあ、カラヤン。

実演が楽しみです。

Opera,Yakushima2009

 大変ご無沙汰してしまいました。実は先週旅行に行っておりました。本当は海外に行きたかったのですが、新型インフルエンザ騒動で、頭の硬い旧時代的な我が社は、海外旅行の事実上禁止令が発動されておりまして、国内へ。以前から一度は行ってみたかった屋久島へ行っておりました。

旅行の様子はぽつりぽつりとこれから書いていこうと思いますが、最初にいきなり真打ちにご登場いただきましょう。縄文杉です。

想像を絶する幹周りをもつ縄文杉は、以前はいくつもの杉が合わさってできたものではないか、といった説も合ったようですが、最近DNA鑑定が行われて、合木説は消えたそうです。すべての枝のDNAがそろったとか。悲しいことに、縄文杉はあまりの人気でして、縄文杉観覧用の木製の大きなテラスができていたり、下草を切り払ったり、周りの木々も伐採したりしたようで人工的な劇場に鎮座しているようなイメージ。少し残念な気分でした。

屋久島は確かに世界遺産ですが、人の手が数百年前から入っている森でもあります。太い杉の木は、幕政時代までにほとんど倒されてしまったようです。宮崎駿監督が屋久島の森を見て「この森は病んでいる」とおっしゃったそうです。巨木はほとんどないから、というのが理由のようですが。

ではどうして縄文杉は伐採されなかったのか。幕政時代頃の杉の使い道は平木にして屋根を葺いたりするのに使ったようです。そのためには、筋がまっすぐな杉の木が必要でした。縄文杉は節くれ立っていて、筋も曲がっているので、使い物にならなかったのですね。ですからこれまで命を長らえているわけです。

ガイドの方に「縄文杉より巨大な杉があるという噂がありますが、あれは本当ですか?」 と尋ねてみました。するといとも簡単に「きっとあるでしょうね」とお答えになりました。まだまだ地元の人しかしらない巨木がどこかで眠っているなんてことを想像するとなんだかワクワクしてきました。

そんなことを考えながら、今日はヴェルディの「オテロ」をデル・モナコの歌唱にて。以前はロッシーニやヴェルディが実は苦手だったのですが、最近徐徐に近づけて行っている感じがあります。「オテロ」は新国の来シーズンのトップバッターでして、新国ではたしか数年前にも上演されています。私はそのときに実演に触れているのですが、正直いって理解できたという気分ではありませんでした。ところが、今日聞き直してみると、なんだか実に面白いのです。まだ語れるほどには聞き慣れていないのですが、これはちょっとこれからが楽しみです。

Opera

またも月日がたつのは早い。加速度的。 日曜日に行った「チェネレントラ」が思いのほかすばらしい思い出になりまして、ここのところアバド盤を聴いてばかり。先週ロッシーニは大変な思い、といっていたのですが、手のひらを返したような感じ。すいません。

「セヴィリアの理髪師」を聴いたときにも思ったのですが、「チェネレントラ」にも、あらすじに関係ない技巧的な重唱がありますね。第二幕の中盤過ぎのあたり、スタッカート気味に重唱を始めるのですが、すごくモダンに感じます。モダンというよりも、ある種の驚きのようなものに似ています。聴けば聴くほど難しい曲だと思います。 最終幕のチェネレントラの独唱はすごいですねえ。美しすぎますですよ。

気がつけば「チェネレントラ」の序曲を鼻歌で歌っているのには苦笑。仕事中も頭から離れない。こんなにロッシーニが楽しいとは知りませんでした。不勉強さに恥じ入るばかり。申し訳ありません。ペーザロに行ってみたくなりました。ロッシーニ三昧でワインでも飲んだら幸せだろうなあ。っつうか、今週末はロッシーニのDVDでも見たいですねえ。

Opera

先日の記事で、「ロッシーニがむにゃむにゃ」とか、「予習をサボろう」などと、たいそうなことを書きまして大変反省しております。予習をサボろうといいながらも、なるべく聴くようにはしておりましたので、まあまあ旋律を覚えた状態で、今日の本公演に望むことができたわけですが、

 

ものすごく楽しかった!

という感じです。偉そうなことは書くもんじゃないですね。すいません、

何が凄かったかって、まずは予想通りアントニーノ・シラグーザさんが激烈に素晴らしい。

実は、シラグーザさんの歌は2002年の新国立劇場「セヴィリアの理髪師」で聴いているのですね。この頃の新国は、ダブルキャストでして、もう一人の伯爵が歌っておられたのですが、風邪で調子を崩され、シラクーザさんが二幕から急遽歌ったのでした。ものすごい拍手でしたね。実は、このときの「セヴィリアの理髪師」が、生オペラ初体験だったわけでして、当時は何が何だか分からないまま聴いていたので、シラグーザさんがどんなに凄いかをまだ理解できていなかったようなのです。

ですが、あれから6年半は経ちまして、私もいろいろとオペラを聴きましたが、今日になってシラグーザさんの偉大さを再確認いたしました。

何より声の張りが凄いです。声量は取り立てて大きいとは感じませんでしたが、音圧とでもいいましょうか、声が空気を振動させているのがよく分かるのです。それでいてピッチは当然正確ですので、アクロバット飛行を見るかのような爽快感。凄かったです。

先ほど個人的なオペラログブックを眺めていたのですが、実演オペラには60回行ったことになるようです。ところが、私は生まれて初めて、曲の途中でアンコールが挿入されるのに遭遇しましたですよ。シラグーザさんの曲芸とも言えるすばらしい歌唱に拍手が鳴り止まず、指揮者がタクトを振ると、もう一度同じ箇所が演奏されました。字幕はカラ。それでも拍手が鳴り止まないので、シラグーザさんは颯爽と舞台奥に消えていきました。かっこよかったですよ。

その後、ダンディーニ役のロベルト・デ・カンディアさんが、自嘲気味なセリフで会場の笑いを誘っていましたけれど。

このカンディアさんも素晴らしいバリトンでした。ロッシーニの早口セリフをこなしていましたし、演技もコミカルで実に素晴らしい。このカンディアさんと、ドン・マニフィコ役のブルーノ・デ・シモーネさんのコミカルな演技の美しさ。ヨーロッパのエスプリとでも言いましょうか。愉快な振りとか、表情の作り方が凄く巧くて、これはもうさすがにかなわないなあ、という感じ。シラグーザさんも、歌詞に日本語を交ぜたりして笑いを誘っていましたし。

チェネレントラのヴェッセリーナ・カサロヴァさんを観るのは二回目です。一回目は2007年のチューリヒ歌劇場「ばらの騎士」のオクタヴィアンでした。カサロヴァさん、歌い出した途端に、思わずため息。

すげー、これが世界レベルの声だわ。

っていう感じ。バターのように豊潤で粘りのある歌声でして、清楚なチェネレントラというよりも、意志力のある強いチェネレントラ。この方のカルメンを聴いてみたい、と思いました。というか、3月に演奏会形式でカルメンやっていらしたですね。行けば良かった。

今日は、本当にロッシーニオペラの奥深さを体験しました。やはりCDを聴くだけではその魅力の10%も理解できないです。実演で、生の声を聴いて、セリフや振り付けや舞台を楽しみないと分からない感じ。やっぱりCD聴くだけじゃ偉そうなこと言えないなあ、と反省することしきり。

今年の新国の「ワルキューレ」も素晴らしかったけれど、違う観点で「チェネレントラ」も素晴らしかったです。こういうときは生きていて良かったと思うんですけれどね。

次のオペラはしばらく休憩で、新国立劇場2009/2010シーズンの最初を飾るオテロになります。「修善寺物語」は故あって行けず。残念です。

Opera,Richard Wagner

今月のオペラは、今週末の新国立劇場「チェネレントラ」です。現在アバド盤で予習中なのですが、当然ですが、やはりドイツロマン派以降のオペラとは語法が違いまして、少々大変な思い。きっと実演の舞台を見れば楽しめると思いますが。

最近音楽について文章を書いていないです。サボっているのです。全くこの体たらくといったら。音楽が巧くフィットしてくれない感じです。

なんて思って、ハイティンク盤のワルキューレを聞いてみると、ああーー、これめちゃくちゃいいわー。しょっぱなのコントラバスの緊張感のあるフレーズ、ヴァイオリンの切迫感のある音が地平線のように鳴り響く。コントラバス奏者の方々にとってはおいしいところなんでしょうね。それから、ホルンがフレーズして、ヴァイオリンが回転する。すげー。ジークムントの悲痛なモノローグ。ジークリンデの切ない声。独奏チェロの心象旋律に涙。これ聴くだけで、なぜか天にも昇る幸せな気分。ワーグナーラヴ。 また観たいです。実演のニーベルングの指環。とくにワルキューレを。来年のジークフリートと神々の黄昏が楽しみ。

あ、今日もチェネレントラの予習をサボって、ワーグナー聴いちゃおう。

Opera,Richard Strauss

昨日からオペラを。「神々の黄昏」のハイティンク盤、「サロメ」終幕部分をニーナ・シュテンメさんで。「神々の黄昏」は聴けば聞くほど面白くて、来年の新国の実演が楽しみです。「サロメ」はシュテンメさんのソロアルバムから。シュテンメさんは声量があって力強く官能的でありながら強靭さを見せます。ブリュンヒルデ的ですね。このブログでも何度も何度も書いたと思います。

Richard Strauss: Four Last Songs
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このCDには私の大好きな「カプリッチョ」の終幕部も収められています。わたくし的には、月光の音楽を聴くたびに感動の渦の中に吸い込まれてしまいます。カラヤンもこの部分を録音していますね。あれはトモワ=シントウさんとのカップリングでした。

これも以前に書きましたが、「カプリッチョ」の実演を見たことがあります。ドレスデンのゼンパーオーパーで、ペーター・シュナイダーさんの指揮にて観たのでした。2006年の10月のことです。サヴァリッシュ盤のカプリッチョに感動して、ウェブを検索していたら、ちょうどドレスデンで公演があることがわかり、無理して夏休みをあてて観にいったのです。SKD+シュナイダーさん、って、今から思えば贅沢度無限大で身震いしてしまいます。あの時はまだまだ理解が足りなかったのですが、今となっては、ものすごい組み合わせに触れられたんだなあ、ということをつくづく思います。

あの時もやっぱり月光の音楽のところで感動しました。演出も美しくて、月光が降り注ぐ夜空が群青色に染まっているのですよ。衣装は18世紀的で、かつらをかぶった執事がゆっくりと歩いていて、奥に伯爵夫人がたたずんでいる。なんと感動的なことか。

終幕部は、シュワルツコップさん、シュテンメさん、ヤノヴィッツさん、フレミングさん、トモワ=シントウさんを聴いております。フレミングさんのカプリッチョは、2006年にBSで放送されまして、その後同じ映像がDVDで出ています。これはものすごく秀逸な演出で感動的ですよ。

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いつも同じ話題で申し訳ありません。ともあれ、いい音楽は何度も聴きたくなりますのでいたし方がないのです。

というか、ブログを書きながら、まだ聴いていないカプリッチョの音源がたくさんあることに気づきました。また買い集めます。

Opera,Richard Strauss

 最近疲れ気味でしたが、今日は朝早く起きられました。やらねばならぬ課題を朝方から着手、その後、喫茶店で続きを。気づくと男性客は私だけになっていたので、なんだか居心地が悪くて帰ってきました。

昨日の夕方からずっと聴いているベームの「エレクトラ」。密度の濃い素晴らしい演奏でして、全く飽きません。密林に迷い込んで、恐ろしくもあり美しくもある自然の豊かさにいちいち感動しているような状態。

このオペラで好きなシーンと言えば、まずはエレクトラの妹のクリソテミスの豪華絢爛な独唱部分。トラック数で言うと第4トラックの2分あたり。あそこは、実に美しい。大空を飛んでいる気分。

それからもう一つ。クリテムネストラが大笑いしながら城の奥に引っ込んでいく間奏曲的な部分。あそこの煌びやかさはシュトラウスならでは。

オケはシュターツカペレ・ドレスデン。録音は1960年10月にドレスデンのルカ教会にて。ルカ教会にしてはすこしリバーヴ感がおとなしめな気がします。怜悧な弦楽器の音は健在。そう言えば、エレクトラの初演はドレスデンでした。

 ベームの指揮は、やっぱりメリハリがあって、テンポも実は結構動かしている。私のデフォルトはシノポリ盤なのですが、ダイナミズムはベーム盤のほうが上かもしれません。これは少し意外な感想です。

  • 指揮者==カール・ベーム
  • 管弦楽==ドレスデン国立〔歌劇場〕管弦楽団
  • クリテムネストラ==メゾ・ソプラノ==ジーン・マデイラ
  • エレクトラ==ソプラノ==インゲ・ボルク(←ボルイ)
  • クリソテミス==ソプラノ==マリアンネ・シェッヒ(→シェヒ)
  • オレスト==バリトン==ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
  • エギスト==バリトン==フリッツ・ウール

それにしても、シュトラウスを聴ける幸せ。次は何を聴きましょうか?

Opera,Richard Strauss

ちゃんと書こうとすると、なんだか時間ばかりが過ぎてしまいます。いけませんね。過度な完璧主義は。そうだとすると、一生書けなくなるのでこのあたりで手を打ちます。 

 今週になって、やっとシュトラウスのオペラを聴くことができるようになりました。なんだかいままでのポッペアづくしから脱却したうれしさとでもいいましょうか。なにも「ポッペアの戴冠」が嫌いだといっているわけではありませんが。

一昨日からベーム盤シュトラウスを聴きまくっていまして、「無口な女」、「サロメ」、「エレクトラ」、「ナクソス島のアリアドネ」とまあ手を広げすぎました。どれを聞いてもうれしくなります。

その中でも印象的だったのが、「サロメ」と「エレクトラ」。両者ともシュトラウスが楽壇においてもっとも先鋭化した時期の二作。その後の「ばらの騎士」では、コンサバティブな方向に反動したとみなされてしまうけれど、個人的にはその後のシュトラウスオペラであってもどれも大好きだったりします。

さて、本題の「サロメ」は、実演に接した機会も二回あります。いずれもNNTT(新国立劇場)にて、2004年と2008年に観ています。2004年の公演では、ヨカナーンをアラン・タイタスさんが歌っておられたのですがこれがすばらしかった。地の底からわき出でる力強い声。ヨカナーンの意志力の強さが強く表現されていました。それから、ヘロデ王はハインツ・ツェドニクさんでした。いわずと知れた名歌手で、ヘロデ王の慢心するところや、弱気な部分なんかを巧く表現しておられて、印象に残っています。

一方2008年2月の公演では、サロメを歌われたウシャコワさんが良かったです。このあたりは過去のブログの記事にて。

それで、ベーム盤なのですが、一番印象的だったのがヘロデ王のリチャード・キャシリーさんです。ここまでりりしいヘロデ王があってもいいんだ、という、私にとっては新たなヘロデ王の印象でした。サロメのギネス・ジョーンズさんも力強くて迫力あり。

なんだか昔も書いた気がしますが、いきなりあれ、これすげー、っていう声が出てきて、クルト・モルさんじゃない?と思ったらやっぱりそうでした。第一の兵士として登場。若いときからいい声です。惚れます。

ベームの指揮は、普通に聞いていると、さらりと流れてしまうのですが、時に粘り気のある「ため」を用いていて、饒舌になります。そこが面白いです。

録音はちとこもり気味でしょうか。iPodで聞いているということもあると思いますが。古い録音ですし、特に不満には思っていません。この盤のCDは、amazonでもHMVでも扱っていないのですね。

明日もベームのシュトラウスのネタを書く予定。と言うか、ベームの振るシュトラウスオペラ、思った以上に持っていて驚いています。まさかアラベラまで持っていたなんて。名盤は我がCDラックに眠る。けだし名言。

  • 指揮:カール・ベーム
  • 管弦楽:ハンブルク国立歌劇場管弦楽団
  • サロメ:ギネス・ジョーンズ
  • ヨカナーン:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
  • ヘロデ王:リチャード・キャシリー
  • ナラボート:ヴィエスワフ・オフマン
  • 第一の兵士:クルト・モル
  • 1970年11月4日 ハンブルク国立歌劇場初日ライブ録音

Opera

一週間もサボってしまいました。ちと体調崩しておりますので仕方がないのですが。とはいえ、また書き始めようと思います。

昨週の日曜日(10日)は、新国立劇場にて「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を観にいきまして、昨日はおなじく新国立劇場にて「ポッペアの戴冠」を観にいきました。かたや20世紀、かたや17世紀でして、その隔たりたるや、というところです。

正直申し上げまして、モンテベルディの作品にはあまり触れたことがなく、予習用のCDを三枚入手したのですが、どのCDも全く別の音楽に聞こえてきます。というか、メロディ違うのですが。昨日の公演パンフレットには、二つの版がある、とありましたので、その違いでしょうか。その中でもガーディナー盤が昨日の公演に最も近かったと思います。 演奏はバッハ・コレギウム・ジャパンで指揮は鈴木雅明さん。

演奏の模様は、こちらに。

http://sankei.jp.msn.com/entertainments/music/090516/msc0905161802000-n1.htm

というか、産経MSNでこんなにクラシックを取り上げるなんて知らなかったです。

コンサートオペラとありましたが、オケはピットに入り、歌手は衣装を着けて舞台に上り暗譜で歌います。大掛かりな舞台装置はありませんが、抽象的な演出をとる普通のオペラと言ってもおかしくない感じ。最も野心的だったのは字幕でして、舞台上の真っ黒な壁面にまるで水面に落ちるように字幕が現れては消えるというところ。フラッシュ技術を使っているそうですが、相当手が込んでいます。二人の歌手が掛け合うところなどは、ちゃんと歌手の背後に字幕が現れる仕組みになっていて、言葉と音楽の融合関係を垣間見る想いでした。このあたりは鈴木雅明さんもパンフレットでも述べてありまして、意図通りの効果でした。

座席は前から2列目の左手。ピットの中が良く見えたのですが、古楽器を実際に見るの初めてでして演奏者の姿にも興味津々。古楽器については理解が足りず、というところ。ああ、勉強しないといけないことは山ほどあります。

正直言って、この一週間は「ポッペアの戴冠」しか聞いていませんでした。週末になるにつれてワーグナーやリヒャルト・シュトラウスが恋しくてなりませんでした。すでにワーグナーやマーラー、シュトラウスに馴れた耳には、モンテヴェルディはあまりに禁欲的過ぎます。まるで僧院に閉じ込められたような感覚。今日からやっと娑婆の世界に戻た感じです。今日は早速「影のない女」ショルティ盤を聞いて癒されております。