マーク・アントワン「クルージン」

Cruisin'
Cruisin’
  • アーチスト: Marc Antoine
  • 発売元: Grp Records
  • レーベル: Grp Records
  • スタジオ: Grp Records
  • メーカー: Grp Records
  • 価格: ¥ 2,585
  • 発売日: 2001/06/19
  • 売上ランキング: 193886
  • おすすめ度 5.0

お昼休みは、なぜか11時30分から12時30分までです。普通の会社だと12時からだと思うのですが、部署毎に昼休みの時間をずらして食堂や売店の混雑を防ごうという目的のようです。と言うわけで、11時30分のチャイムがなるとすぐさま外に出ます。僕の会社は山奥にありますので、ビルからでるとそこはもう木々の生い茂る林だったりします。最近は体重を落とすために林の中を15分ほど歩くことにしています。歩き始めたのは3月の半ばぐらいから。おかげさまで体重にして4キログラム程度痩せてきました。目標は12キロ減量したが、もう3割も達成しているのですね。ありがたいことです。これまでは昼休みはオフィスにいたまま食事をしてネットを眺めたり本を読んだりしているぐらいでしたから、それに比べるととても健康的なのではないかと思っています。

林の中を歩いた後は、オフィスに戻って弁当を食べながら音楽を聴くのですが、今日はマーク・アントワン(ギター)のアルバム「クルージン」を聴きいたのです。これがもう大ヒットでした。マーク・アントアワンのことは五年ぐらい前から知っていましたが、ここまで身を入れて聴くことはなかったのです。ところが、これが思った以上に素晴らしいのでした。ここで格言。「名曲は家のCD棚あるいはiTuneの中にある」。その通りでした。

清涼感とともによくビートが聞いているので、サウンドは豊かな響きを持っています。特に、Sierra Bellaは名曲です。サビのメロディーが美しくて、EWIでフレーズを吹きたくなりますね。帰りの電車の中でこの曲ばかり繰り返して聴いてしまいました。思い浮かぶのは暮れ行く空の向こうに見えるエッフェル塔のイメージ。昔パリに行ったときに、ルーブルの窓から夕暮れのエッフェル塔を眺めたのです。そのときのことが頭によぎります。マーク・アントンはロマの血筋をひいたフランス人というこ ともあって、曲の作り方が洒脱で、なおかつ情熱的です。アメリカのフュージョンを東西に分けることができると仮定したとしても、そのどちらにも当てはまらないですね。

Indian Summerは、すこし湿っぽいかな。でもこの湿っぽさもヨーロッパ的なんだろうな。石畳に雨降る町並みを思い浮かべてしまう。 Caribbean Morningは明るい曲。Fuegoは、フラメンコ音階が聞こえてくる。やはりヨーロッパです。アントワンはスペイン音楽にも影響を受けているようですので、あながち間違いでもなさそうです。

フュージョン(という音楽ジャンルの定義自体難しいのですが)のなかでも、マーク・アントワンのようなスムースジャズ的音楽を聴き始めたのは高校に入ってからですから、もう20年弱も聴き続けていることになります。当初は日本の某バンドから入ったのですが、一年後には、リッピントンズなんかを聞き始めていました。

それでそのころから、日本のバンドと欧米のバンドの音作りに明らかな差違があることに気付きはじめていました。何なんだろう? と常々不思議に思っています。大学の先輩は、それは日本人のバンドには技巧的に劣る面があるからなのだ、と言います。たしかに、それはあるかもしれません。でもそれだけでは説明できないものがある気がしています。

やはりそれが民族性なのではないか、と思うのです。演歌や民謡を体内に備えている我々と、クラシックやジャズを体内に備えている欧米の彼らとの間には説明できない違いがあると思うのです。それが、たとえば日本人にはきこえないオーケストラの音を欧米人は聞いている、とか、対位法の響きをドイツ人は日本人とは違うやり方で聞き取っている、とか、そういう点に現れているのです。

日本人のバンドの中でもアメリカのバンドに一瞬近づいたアルバムを一枚知っています。そのことについてはまた今度書いてみたいと思います。

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Jazz

Posted by Shushi