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「この方を聴きたい」というシリーズを始めることにしました。私の勉強したことを書きますので、お読みの方々にとっては自明のことかも知れませんが、どうかおつきあいを。

第一回は、最近の私的ブームであるアグネス・バルツァさんを取り上げたいと思います。

アグネス・バルツァAgnes Baltsa Aγνή Mπάλτσα)

<略歴>

1944年11月19日ギリシア生まれ。アテネ音楽院で学んだあと、ミュンヘン、フランクフルトで学ぶ。1964年、ジョルジュ・エネスコ声楽コンクールで第一位となる。1968年フランクフルトの歌劇場で「フィガロの結婚」のケルビーノ役でデビュー。翌年※1ウィーン国立歌劇場「ばらの騎士」でオクタヴィアンを歌う。1970年にはザルツブルク音楽祭に出演。世界的に有名になったのは1975年のザルツブルクイースター音楽祭でカラヤンがクリスタ・ルートヴィヒの代役として起用してから。「カルメン」のタイトルロールが当たり役。バルセロナオリンピックの開会式にも出演。レパートリーは、「カルメン」タイトルロール、「コジ・ファン・トゥッテ」ドラベッラ、「ナクソス島のアリアドネ」作曲家、「トロイ人」のディド、「ドンカルロ」エボリ公女、「アイーダ」アムネリス、「サムソンとデリラ」デリラなど幅広い。

※1:「ばらの騎士」「ドン・ジョヴァンニ」のライナーでは、「1968年の翌年」とあり、1969年と推測されるのだが、ウィキペディアでは1970年にウィーン国立歌劇場デビューとされている。

<私的思出>


アグネス・バルツァさんをはじめて聞いたのは、「ばらの騎士」をカラヤンが二回目に振った盤で、やはりオクタヴィアンを勤めていらっしゃる音源がはじめて。バーンスタインが振るマーラー交響曲第八番のDVDもアグネス・バルツァさんが登場しているのを見たりもしていました。ところが、不思議なことにあまり気になる存在の歌い手さんではいらっしゃらなかったのです。

それが覆ったのは、最近集中的に聞いている「ドン・ジョヴァンニ」カラヤン盤のドンナ・エルヴィラ役を聞いてから。この透徹とした、まるで雪の結晶のような美しさは! 高音域の声が録音場所のベルリン・フィルハーモニのリヴァーヴによく乗っていて、きいているだけでうれしくなります。

バルツァさんはこのCDでは子音を弱めに発音されているように思えます。イタリア語の子音の持つアタックが少し弱い感じなのですが、それが却って歌の旋律の流れを浮き立たせていて心地よいのです。

そうして改めて、「ばらの騎士」カラヤン盤のオクタヴィアン役を聞いてみると、自分がアグネス・バルツァさんの歌に焦点をまったく合わせていないことに気づいたのでした。「ドン・ジョヴァンニ」のエルヴィラ役のようなほとばしる輝きは見られないのですが、深みのある声で充実した歌声を聞かせてくれます。

調べてみると「カルメン」が当たり役だということを知りました(いまさらで申し訳ないですが)。是非にも聴いてみたいですね。課題です。

<私的な参考音源>

  • R・シュトラウス「ばらの騎士」(CD)
    R.シュトラウス:ばらの騎士
    トモワ=シントウ(アンナ) ウィーン国立歌劇場合唱団 ペリー(ジャネット) リップ(ビルマ) ポッシュナー(ブリギッテ) シマ(ガブリエレ) バルツァ(アグネス) ビンザワー(バルトラウト) ミュラー=モリナーリ(ヘルガ) ヒンターマイヤー(マルガレータ)
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  • モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」(CD)
    モーツァルト:歌劇「ドン・ジョヴァンニ」
    カラヤン(ヘルベルト・フォン) レイミー(サミュエル) ブルチュラーツェ(パータ) トモワ=シントウ(アンナ) ウィンベルイ(エスタ) バルツァ(アグネス) フルラネット(フェルッチョ) マルタ(アレクサンダー) バトル(キャスリーン)
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<参考文献>

  • 黒田恭一「歌い手について」『ドン・ジョヴァンニ(F95G 20068/70)』 CDライナー
  • 「演奏者紹介」『ばらの騎士(POCG-3598/700)』CDライナー
  • 「アグネス・バルツァ」『ウィキペディア日本語版』2008/08/20 4:35JST

 

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