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なにごとも陽気に明るく、心配事なんて忘れて、生きていこう。ひと時ひと時の幸福を味わうことこそが、生きていく上で大切なんだから

Richard Strauss


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ローマ紀行2008 その19 ヴェネツィア広場から

バルベリーニ宮を後にした私たちは、メトロに乗って一旦テルミニ駅を戻る。ローマに来る前は、メトロの治安状況に不安を感じていたのだが、初日に車内で物乞いの女性に出会った以外、特に変わったことはなかった。家人が女性の足を踏んでしまったということがあったけれど。 テルミニ駅から40番バスに乗車してヴェネツィア広場へ向かう。茶色い外壁に白枠の窓がいくつもはまったヴェネツィア宮殿が立っている。その名の由来はヴェネツィア共和国の大使が使っていたということだが、ムッソリーニもこの建物を使っていたのだそうだ。

ヴェネツィア広場の正面にはヴィットリオ・エマヌエーレ二世記念堂が威儀を正して鎮座している。その大きさは想像以上で、いわゆるカンピドリオの丘のふもとからいただきまでをひとつの白亜の記念堂としてしまったもの、といえばいいだろうか。 私たちが向かおうとしていたのはそのカンピドリオの丘の頂上にある美術館だったのだが、丘に登る大きな階段を上り始め、灼熱の太陽にやかれながら登りきったと思ったら、美術館よりも高いサンタ・マリア・イン・アラチェリ教会に到達してしまった。美術館よりも余計に階段を登りつめてしまったのだ。

 家人を誘って、教会堂内に入てみると、絢爛たる教会堂に感嘆する。金色の装飾、極彩色のステンドグラス、幾重にも連なるシャンデリア。深く沈んだ静けさで、堂内の観光客もいきおい口数が少なくなっていた。ところが、堂守りの若い男が観光客を追い出しにかかるのだった。理由は後でわかるのだが。

追い出されるままにアラチェリ教会を出て、裏手に回るとそこがちょうどヴィットリオ・エマヌエーレ二世記念堂のテラスにつながっていて、白い大理石の敷石を踏みわたって行く。途端に視界が開けるとローマの街並みを見下ろす格好になって、、ローマ時代の遺跡が残るフォロ・ロマーノの先にコロッセオもみえたし、左手に回ればジャニコロの丘やヴァチカンのクーポラが、市街地の屋根の波間から顔を出しているのがわかる。

とはいえ、とにかく暑いし、疲労が両足を溶かし始めているのがわかっていた。昼食も食べなければ残り半日を乗り越えることが出来ないだろう。一緒にガイドブックを覗き込んで、カンピドリオ美術館にカフェテリアがあることを突き止めた私たちは、ともかく急げとばかりに階段を降るのだが、大理石の階段は太陽の光を受け止めて白く輝いていて眩しくてたまらない。ヴェネツィア広場に降りきって、再びカンピドリオ美術館へつながる長い階段を登りはじめる。

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