ローマ紀行2008 その28 イタリアの昼食

ナヴォーナ広場から東の路地へ入っていくと、突然イタリア下院の建物があって、イタリア国旗とEU旗を掲げていたりする。その裏手にあるのがローマ時代から威容を保つパンテオン。作られたのはオクタヴィアヌスの時代だからもう2000年はたっているでしょう。まだまだ崩れ落ちることのない堅牢な建物。広場の中央にはオベリスクが立っていて、観光客でごった返している。

広場の周りに構えるレストランは、軒並み広場にテーブルを出して観光客達の呼び込みに余念がない。 ところが、社長(=尊敬する妻です)が選んだレストランはそうした観光客慣れしたお店ではなかった。オープンテラスなど広げない地味な感じの入り口は閉ざされていて、中の様子をうかがい知ることなど出来ない。若干の不安とともに扉を開けると、薄暗い店内に背が高い黒髪の男の給仕と、金髪の女性給仕が目を合わせてきて、軽くうなずいて席を作ってくれる。決して愛想笑いなどしなくて、それでいて嫌がっているような風にも見えない。明らかに自然な振る舞い。

ここで、クラウディア風というパスタを頼んでみる。確か、Claudiaと書いてあったのだけれど、名前の由来などはわからない。けれども出てきたパスタは……、まじですか……! こんなに絶妙な味わいのパスタは初めて。ソースはおそらくは魚介類のスープが使われている黄色い薄味のソースで、こんな微妙な味は初めて。これまで食べたパスタの中でもっともおいしいパスタであることは間違いない。

店内は薄暗く静かで、僕の後ろには禿げ上がった70前後の老人、老人よりも少し若いぐらいの婦人が食事をしていて、実に静謐な感じ。彼は下院議員なんじゃないだろうか、などと勝手に想像してしまう。

デザートにティラミスを食べてみたのだけれど、僕はティラミスを初めて食べた、と思った。いままで食べていたのは「ティラミス」なのであって、ティラミスではなかったのだ、という愕然たる事実。 明らかに背伸びをして入ったレストランでしたが、ローマ最後の食卓としては最高。選んでくれた社長に感謝。

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