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なにごとも陽気に明るく、心配事なんて忘れて、生きていこう。ひと時ひと時の幸福を味わうことこそが、生きていく上で大切なんだから

Richard Strauss


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富士登山顛末

8月8日の16時半に、僕らは富士山の富士宮口五合目に集合しました。今年は、屈強な船乗りと、アスリート二名、サラリーマンの私、の計四名で富士山頂へアタックです。 船乗りの友人A君は、すでに富士山登頂8回のベテランで、今年も7月に一人で頂上まで登った男。アスリートの友人B君は、富士吉田市から富士山頂までを往復する富士登山競争に何度も出場し、フルマラソンを難なくこなすアスリート。アスリートのC君は、A君の弟で、中距離ランナー。C君は「体力には自信がありますが、気圧の変化には弱いのですよ」とおっしゃる。凄いです。こんな猛者達の中にあって、私は少々気が引けましたが、気合いだけを頼りに登ることにしたわけです。

集合の後、まずは六合目まで十数分ほど登り、山小屋に到着。ここで食事を取って、一晩泊まりました。夕方は宝永火口近辺を散策して足慣らし。

天気が思いの外よくてすがすがしい。聞こえる文明の音は航空機の音だけ。しかも標高が高いので、飛行機の見た目のスピードがとても速いのです。影富士も見られました。食事はカレーライス。他の方々は、さらに一品ボリュームある食事を取っておられました。みなさま本当に凄いです。

夜は晴れ渡っていて下界の夜景が美しくて、御前崎方面から、沼津、三島、熱海あたりまでよく見えました。熱海の花火大会も眺められました。夜になっても、登山客の列は途絶えることはありません。山頂に向かう登山道は、夜間登山をする方々のライトが連なっていて、それはそれは幻想的。 私は、20時過ぎに早々に寝室に退散。寝室では布団一枚に二人が眠るぎゅうぎゅうずめでして、部屋に入った時点でもう何十人もの方々が寝ておられる。おそらくは夜中に出発して頂上でご来光を眺めようとする方々だと思います。

布団が硬く、足も伸ばせない狭い場所で眠りましたが、起床予定の5時ぴったりに目が覚めます。私は、よくこういうことがあるのですよ。目覚ましなしにぴったりと時間通り起きるという恐ろしい状況。我々以外で眠っている人はもういませんでした。

空はずいぶんと明るくなりまして、5時半頃には、宝永火口の向こう側、雲にかすんだ太陽が昇りました。太陽の周りには虹が円環を形作っていました。

 

さて、6時に六合目の山小屋を出発。ただひたすら登るのみ。 富士宮口は下山客が渋滞をしていて、人だらけといった様相。皆さん山頂でご来光を眺めたのでしょう。人が多すぎたので、八合目で富士宮口ルートから御殿場口ルートへトラバース。そこから先が厳しい。ふくらはぎに鈍い痛みが居座り続けます。もう速度あげられない状態。船乗りA君と、アスリートB君は、涼しい顔をしています。ただ、気圧に弱いC君はちょっと厳しそう。頭が痛いそうで、高山病でしょうか。

そのうちに、C君が厳しい状態で、酸素を何度か吸って、立ち止まる状態。これは厳しいか、と思ったのですが、C君が突如スピードを上げて登り始めました。早く登った方が調子がよさそうなのです。あれよあれよと言う間に、我々を引き離して行きました。私はもうこれ以上速度を上げることがあたわず、鈍重な感じで登るしかない。酸素が少ないからだと思いますが、これまでに経験したことのないけだるい疲れ。ほとんど記憶なし。ただ、登山の時にいつも感じる山と一体になったような感覚でして、登るという行為しかそこにはない。主客未分の西田幾多郎的純粋経験でした。

やっとの思いで山頂に到着しましたが、山頂外輪山はガスの中で景色など見ることはできず。強い風に晒され、寒さは尋常ではありません。写真を撮って、山頂の浅間神社に参拝、郵便局で暑中見舞いをだしますが、寒すぎて動きも緩慢になります。そこから、富士山測候所跡のある剣が峰までさらに登りを。馬の背と呼ばれる急な上り坂を、寒さをこらえながら登り続けますが、勾配が厳しく、ずるずると滑る感じ。ストックを付きながらやっとの思いで剣が峰に到着。標高3776メートルに到達です。そこに自分がいるのが信じられないぐらいでした。持って行ったGPSも、誤差二メートルぐらいで、記念に写真を撮りました。

 

下りは下りでまた大変でした。富士宮ルートから下山を始めたのですが、勾配のきつい岩場を降るわけでして、膝にかかる負担は相当なもの。しかも、気圧が低いので息切れが収まらない感じでした。下ること三時間ぐらいで、ようやく六合目の山小屋に帰還しました。リュックザックをおろすと、腰のあたりが汗でびしょ濡れ状態。こんなに汗をかいていたとは思いも寄りませんでした。

とりあえず山小屋でざるそばを食べましたが、他のメンバーは、定食を食べていました。凄い食欲。 というわけで、我々は、事故もなく無事に下山することができました。ですが、やっぱり山は怖くて、滑落したり、高山病で動けなくなったりした人もいたそうです。

家に帰り着くとへとへとでして、食事をとると、なぜか口の中がひりひりとあれていました。おそらくはビタミン不足だ思います。私にとっては相当厳しい運動だったようです。今回は減量にも失敗してしまいました辛かったというところでしょうか。もう少し体を鍛えないとダメみたいです。

というわけで。プロジェクトは無事終了です。体を鍛えようと言うことで、今日から早速ジムに通い始めました。がんばりましょう。

 

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