フレデリック・フォーサイス「イコン」

 先日読んだ「ジャッカルの日」が滅法面白くて、ああ、僕はスパイ系小説とか、国際政治的小説が好きなんだなあ、と妙にフィット感を感じていまして、同じフォーサイスの手による「イコン」を読み始めました。

読み始めから、構造に少々戸惑いまして、非常に視点が多く、時代も1980年代と1990年代後半を行ったり来たりします。途中でそうしたこった構造にも慣れてきたのですが、上巻を読み終えたときに、こういった複数視点同時並行的な話しの進め方が当然ですが意図したものであり、その効果を十二分に発揮していることを感じました。

この本が書かれたのは1996年ですのでいまから13年前です。その当時にあって、というかその当時にあってこそかもしれませんが、ソ連崩壊後のロシアの混迷の未来史的考察には、少々無理があるものの、さもありなむ、と思わされます。このあたりは明日から読む下巻で明らかになってくることもあると思います。

なにより、崩壊前のソ連KGBと、アメリカCIA、イギリスSISといった諜報機関が繰り広げたスパイ戦争の舞台裏に触れられるのが何よりの刺激です。オルドリッチ・エイムズという実在のスパイが登場して、臨場感を感じますし、なによりソ連国内で拘束されたスパイがたどる苛烈な運命にも、ほんの20年ほど前の欧州でこんなことがあったのか、とショックを受けたり。そう言えば、私らが子供の頃は、ソ連のミサイルがいつ飛んでくるか、と毎日が不安だったこともありました。ソ連が崩壊して、やっと核戦争の恐怖から解放された、と思ったのですが、今は以前より増して核攻撃の危険があるようではありますが。

今日は、ケンペの「アルプス交響曲」を聴きました。カラヤン盤のような音質には恵まれていませんが、まとまりがあって統率のとれた演奏でした。また明日も聴こうと思います。私は、何度も何度も同じ音源を聞かないと、なかなか語り出せないようです。

そういえば、最近いろいろ本を読んだりして思うのは、私らの歳になると、海軍では、もう小さい艦の艦長ぐらいにはなる頃合いですよねえ。まあ艦長は会社で言えば管理職だと思いますが。8月に入って、とりわけNHKで第二次大戦関連のドキュメンタリーが多く放映されていまして、今も昔も組織はかわらんなあ、と思ったり。軍隊も会社も組織という観点から見れば非常に似通っております。そういえば、私らが小さい頃の雑誌プレジデントは、毎月のように軍人特集でしたねえ……。

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