ハイティンク/シュトラウス「アルプス交響曲」

 今日の関東地方は、昨日の涼しさが一転し蒸し暑い一日。最近ジムに通い始めました。週末だけですが。90分ほど汗をかきました。心地よい疲労感。ですが、体重が0.5キロ増えてしまいショックです。

さて、昨日から、ハイティンクの「アルプス交響曲」を聴いています。

ハイティンクを初めて聴いたのは中学生の頃でしたでしょうか。ショスタコーヴィチの「バビ・ヤール」を買って、どエライ音楽があるんだなあ、とかなり驚いたのを覚えています。その後、10年ほど前にマーラーを聴いたのですが、当時は、どこか気に入らないところがあって、少々苦手意識を覚えていました。ところが、昨年、「指環」を聴いたところ、これが滅法素晴らしくて、ハイティンクを聴いてみよう、という気持ちが強くなりました。

と言うわけで、先日の小澤盤に続いて、ハイティンク盤を聴いている次第です。

ハイティンクの指揮は、実に鮮明で清々しさを感じます。きわめてクリアな印象。小澤盤のようなねっとりとしたものは感じません。実は結構テンポを動かしていて、疾走感とか、重厚感がきちんと伝わってきます。過剰に抑制した指揮だったような昔の記憶が残っているのですが、そんなことないです。歳とともに感じることが変わってきているのでしょうか。これは愛聴盤になりそうな予感。

アルプス交響曲、実はこの二三年で聴くようになった曲です。中学生の頃にプレヴィン指揮の音源をエアチェックしたのですが、音質が良くなくて印象が悪いままでした。シュトラウスのオペラをよく聴くようになってから、ウェブラジオで聴いて、開眼したような格好です。作曲されたのは1914年から1915年にかけて。「ばらの騎士」を終えて、「ナクソス島のアリアドネ」を作曲していたころと時間が重なるでしょうか。カラヤン盤、ケンペ盤、小澤盤、そして今回のハイティンク盤程度しか聴いていませんが、この数年で好きになった曲の一つです。

それにしても、シュトラスの描写力は凄いです。水の流れや、頂上から眺める景色や、風の音から、鳥の声、牧場の風景、稲妻、何でも聞こえてきますので。

私も、少々ハイキング程度の山登りはしますが、アルプスぐらい急峻な山に登るのは気分が違うでしょうね。私はせいぜい丹沢をかじったぐらいですので。まあ富士山は運が良ければ誰でも登ることができるでしょうけれど。

そう言えば、半年ほど前に、私の家内の友人で、クラシックが好きな方とお話をしたのですが、私が「昔はマーラーが好きでしたが、最近はシュトラウスですねえ」と言うと、「普通逆じゃないですか?」と笑われました。私にしてみると、まあ現実というものは、えてして不条理ですので、せめて音楽を聴くときぐらいは、酔わせて欲しいのだ、というところなのです。なんていいつつ、「ヴォツェック」とか「ルル」も好きですが。そういえば、この半年はマーラー聴いていないなあ……。