非常に心地の良い暖かい一日でした。午後は曇ったものの、風の匂いにはもう五月のそれが混ざっていました。月日が経つのが早いことは重々承知しているのですが、ついこの間まで、清少納言よろしく朝の冷気に感じ入っていたのになあ、と思います。
そんなわけでもう四月も終った気分になっていますが、訳あってローマ史の本を読み始めました。藤沢道郎さんが訳された「ローマの歴史」です。裏表紙には辻邦生先生の賛嘆の辞が書いてあって、驚くのですが。ローマ帝国ものと言えば、古くはローマ帝国衰亡史とか、最近では塩野七生さんのローマ人の物語などが有名ですが、まずはコンパクトな文庫一冊ものから、という具合です。ローマ史は世界史で習っただけで、その知識も既に失われつつありますので、なかなか新鮮な感じで読んでいます。すすみが遅いのが難点ですが。
と言うわけで、ローマつながりということで、レスピーギのローマ三部作をデュトワの指揮で。快活に演奏するのかな、とおもったら、意外とタメのある重量感のある演奏で想定外でした。結構テンポを抑えめで、オケに乱れが生じるところもあるのですが、それはご愛敬ですね。個人的には「ローマの祭り」の第一曲目「チェルチェンセス」が好きです。描かれているのは、迫害されるキリスト教徒が猛獣に悔い殺される場面。緊迫感をあおるオーケストレーションが大好きです。