ハーマン・ウォーク「戦争の嵐」
ハーマン・ウォークの「戦争の嵐」を読んでいます。第二次大戦開戦前夜のアメリカ、ドイツ、イタリア、ポーランドを舞台にした歴史小説でして、実に長いです。私が読んでいるのは1974年出版の単行本でして、全三巻です。一方文庫版ですと全五巻ですので、割と読み応えがあります。物語は、ドイツのポーランド侵攻から日本の真珠湾攻撃までを描いているわけですので、戦争すべてを描いているわけではありません。とはいえ、個人的には欧州戦線についてはあまり詳しくはありませんのでいい勉強になります。続編として、"War and Remembrance"(戦争と記憶)という作品もありますが、こちらは邦訳がありません。情報によると太平洋戦争終結までを描いているようですので、邦訳がないのが残念です。というか、英語で読めばいいのですけれど、時間がかかりそう。
主人公の一人である、バイロン・ヘンリーがガールフレンドでユダヤ人のナタリーとともに、ドイツ包囲下のワルシャワから脱出する場面で、ナチス親衛隊がユダヤ人を選別しようとする場面で、あまりの緊張感と臨場感にしばし時と場所をわすれまして、危うく電車を降り損ねました。
まだ第一巻の三分の二ほどを読んだところですので、あと一週間半はこの本に取りかかっていると思います。それにしても、こんなにも読むべき本がたくさんあると、いくら時間があっても足らないです。がんばります。
ディスカッション
今日は。いつも楽しく拝読しております。
過去記事に書き込み失礼いたします。
上川さんは、~過去記事を拝読したのですが~、
1992年に浪人しておられるのですよね。
実は私もこの年、浪人して長岡から新潟の
予備校に電車で毎日通っておりました。
でも行き帰りの電車の中で読んだのは、
辻邦生や三島由紀夫やその他文芸書のほうが
多かったような気がします。
予備校のテキストや参考書よりも、です。
悪い受験生でしたね。
「神々の愛でし海」を読了して、
その物語世界のあまりの豊饒さと美しさに電車の中で
恍惚となった記憶があります。
「戦争の嵐」ですけれど、大学4年の時に
私もやはり全3巻のハードカバー版で読みました。
今思うと「ルーズベルトってこんなに善人だったの?」
とツッコミタクなったりもします。
アメリカでは連合国を勝利に導いた偉大な元首と
いうことになっているけど、
政治家って舌が二枚あったりお腹が黒くなかったりしないと
務まらねえだろうと思ったりもします。
小説自体は起伏に富んでいて迫力があって面白かった
ですけれど。
この小説の続編は確かに邦訳が出ていないようですね。
主人公のヘンリーは続編ではミッドウェー海戦で活躍して
海軍少将にまで出世するのだそうです。
今、~ツイッターでも散々書いておりますが~
図書館司書の勉強をしております。
卒業のめどがやっとたってきたようです。
めでたく資格がとれて安月給で重労働でもいいから
何処かの図書館で働けるようになったら、
或る通信制大学で辻邦生の研究がやりたいという
目標があります。
「時の扉は、詩人が主人公なのに何故彼の詩が一篇も
出てこないのか」とか疑問が沢山あるのです。
新潟市の或る大学の心理学の教授のサイコ・セラピーを
隔週で受けておりますが、
その先生に「辻文学の研究は貴方のライフワークかもですね」
と言われたりしております。
でも辻先生の文学への造詣の深さでは上川様の
足元にも及びません。
もし、もしも、このライフワークに着手できるようになったら、、
この越後のオックスめを温かく見守って応援してください。
貴殿の助言を仰ぐこともあるかも、です。
いずれ聖地・学習院でお目にかかりたく思っております。
長文・乱文、本当に失礼いたしました。
越後のオックスさん、コメントありがとうございます。戦争の嵐、続編が気になって、Kindleで買ってみましたが、なかなか進みません。冒頭、ヘンリーが艦長として着任した重巡サウザンプトンに、ハルゼーやスプールアンスが現れたりして面白いのですが。あとは、当然ですが日本に対してあたりが強いので、和訳されないのもわかる気がします。まあ、英語なので時間がかかります…。また再開しないと。
辻邦生の研究、うらやましいです。私もいくらかテーマは持っている気がしますが、研究論文はなかなか難しそうです。私も造詣と言われるほど知っているわけではありませんので日々勉強です。司書になられたら、本に囲まれて仕事ができて良いですね。お身体に気をつけて頑張ってください。