月見の季節ですね。今日は十五夜。旧暦8月15日です。どうやら織田信長が稲葉山城を岐阜城に改名した日だそうです。
というわけで、先ほど撮ったお月様。私の好みに現像しちゃいました。
今日はシュトラウスのホルン協奏曲2曲とオーボエ協奏曲を。しかし、シュトラウスは奥深い。まだまだわかってないです。
それから、またお仕事をいただけそうで、嬉しい限り。頑張りますよ。というわけで、バルトークの勉強を開始。その前に、ワーグナーですが。
明日でさしあたりウィークデーは終了。あともう一息です。
今日は短くグーテナハト。
お月見中。
過日の夕暮れ。あるいはブロムシュテットのアルプス交響曲
月曜日の夕暮れの様子。台風が去った途端に季節は秋に変わりましたね。夜や朝の涼しさといったら格別です。秋大好き。ずーっと秋だといいんですが。
この数ヶ月、写真をあえて絶っていましたが、さすがにこの夕暮れをみたら、撮らない訳にはいかないと思いました。
なんだかんだ言って、今日はブロムシュテットが振る《アルプス交響曲》を聴き倒しました。
このアルバム、音質最高峰なはずなんですが、iPodで聞くとなんだかざらついてしまいます。最近耳が肥えてしまいまったく困りました。とりあえず取り込み直しましょうか。
以前にも書いたかもしれませんが、小さいころの私はこの手の標題音楽が大の苦手でした。なんで、音楽でそんな「卑近」なことを表現するのか。音楽はもっと深遠でなければならない、とエラソーに思っていたような記憶があります。だからブラームス大好きでした。今も好きですけど。
今はそんなこと思うわけもなく、音楽の中に映像を感じるのが楽しくて仕方がなくなりました。オペラを聴き始めたからということもあるんでしょう。
シュトラウスならこんな夕暮れにどんな曲をつけますかね? あ、Im Abendrotって曲がすでにありましたね。
では、グーテナハト。
若きリーダーはカーク船長に学ぼう
はじめに
先日、スタート・レック イントゥー・ザ・ダークネスを見てきました。
スタートレック
お恥ずかしいことに、この歳になってはじめてスタートレックを見たことになります。もちろん、カーク船長やスポック、USSエンタープライズについては名前だけは知っていましたけれど。
色々調べていると、どうやら、スター・トレックの元ネタは、ホンブロワーシリーズから来ているのですね。私はホンブロワーシリーズを高校時代に愛読していましたし、2002年ごろにドラマ化されたものも見ています。
おそらくは、当初のスタートレックはこのようなアクションものではなかったようですが、このご時世ですので、テンポのよいアクション映画に仕上がっていました。
TVドラマシリーズがオリジナルですが、そのドラマシリーズの前史を壮大に描いたのが本作です。悪役ベネディクト・カンバーバッチが異才っぷりを大いに見せてくれますよ。
絶叫の3D
特筆すべきは、3Dであったということです。
ここまで遠近感がしっかりでているとは思いませんでした。
そもそも、映画の前のサンプル映像で、目の前にオブジェクトが現れたのには驚きました。目と鼻の先まで映像が迫ってきますからね。驚きました。
もちろん本編も素晴らしく、飛んでくる岩に思わず身をかがめましたから。
もう2Dは見られないかも。
若きリーダはカーク船長に学ぼう
あとは、伝説的登場人物であるカーク船長ですね。ホーンブロワーのように、若くしてキャプテンに抜擢されますので、それはもういろいろと苦労します。ホーンブロワーの場合、先輩が副長ですし、カーク船長も、目上の人物を使っていかなくてはならない。そういう苦労のようなもんもが端々にでていて、見ていて面白かったです。
まあ、どんな組織も人間相手なので共通するものは多々有ります。若きリーダーはカーク船長をみて研究するといいかも。
興味深いシーン
宿敵カーンの協力を求めるシーンでこんな面白いやりとりが。
カーク船長
「君の部下の安全を私が保証する」
カーン
「自分の部下の安全を守れない男が私の部下の安全を保証するのか」
なるほど。。。
終わりに
トレッキー(スタートレックファン)になるかどうか思案中です。なりたいんですが、映像見る暇があるかどうか。
では、グーテナハト。
ラッセル「エーリヒ・クライバー 信念の指揮者その生涯」アルファベータ
何度か紹介していますが、土曜日に発売された図書新聞に書評が出ましたので、改めて紹介します。
エーリヒ・クライバーの評伝がアルファベータから発売されています。
図書新聞に書評がでていますが、こちらの書店で販売しています。是非ご入手ください。
青年期まで
エーリヒ・クライバーは、育ちはプラハなどですが、オーストリア帝国で育ったことには変わりありません。ウィーンっ子と言ってもいいかもしれません。シュトラウス一家のワルツを好んだのもそういう理由なのかもしれません。
書評には書ききれませんでしたが、音楽に目覚めたあとの経歴はずいぶんカッコいいです。才能というのはこういうものなのですね、と思います。
例えば、ダルムシュタットの副指揮者時代には、《ばらの騎士》を初見で振ったという伝説をもっています。実は、本来の指揮者が病気に倒れたため、一夜漬けで準備してゲネプロをしたということのようです。リヒャルト・シュトラウスもそのことを覚えていて、クライバーのことを「私の《ばらの騎士》を初見でこなしたのはあの男だよ!」と言って喜んでいたらしいです。カッコよすぎです。
ベルリンの黄金時代
その後、デュッセルドルフを経て、ベルリン国立歌劇場の音楽監督になりますが、そこで活躍っぷりが凄いのですね。エーリヒ・クライバーが音楽史に残した功績というのは、いまでこそはベルクの《ヴォツェック》を初演したということで一括りにされてしまいます。
ですが、その他にも、たとえばダリウス・ミヨーに《クリストフ・コロンボ》というオペラがあるんですが、そのオペラをベルリンで初演して大成功させています。また、ヤナーチェクのオペラを取り上げたりと、シリングスを取り上げたりと、現代音楽を随分取り上げていたようです。
《クリストフ・コロンボ》の成功はフランス議会で問題になったそうですよ。なんで、フランスで初演しなかったのだ、という議論だったようです。
この評伝でベルクの妻のヘレーネも取材を受けているのも時代を感じさせます。ヘレーネ夫人に言わせると、ベルクとエーリヒ・クライバーの仲は「まるで男の子が二人いるみたい」ということだそうです。きっと、無邪気に仲良く難しい話を色々していたんでしょう。そのベルクからの書簡もいくつか取り上げられているのも興味深いです。ベルクも経済的に大変だったのだなあ、などと思うところが多々ありました。
それから、本当かどうかはわかりませんが、先日書いた運命の失神なども、興味深いエピソードでした。
ベルリンを去ったあと
ナチスと対立して、ベルリン国立歌劇場を去ったあとは、南米で活躍というか、苦労を重ねたようです。最近、コロン・リングが話題になっていますが、ブエノスアイレスのコロン歌劇場でも随分振ったようです。
戦後は、ヨーロッパに戻ってきて、ベルリン国立歌劇場の音楽監督にもう一度なりますが、当局と対立して、退任せざるを得なくなります。当局の干渉によるものなのですが、その理由も、ちょっとおどろくような理由でした。
ただ、どうも本当はウィーン国立歌劇場の音楽監督になりたいという気持ちが終生あったのではないか、と私は考えていますし、そうした内容の示唆をいくつか見つけることができます。
ですが、戦後のウィーンは、ベーム、カラヤンですからね。クライバーの入る余地はなかったのかもしれません。カラヤンと違って、どうも政治的な動きというこのをクライバーはあまりしなかったようで、そういう意味では芸術一筋な人だったのだと思います。
息子のカルロスのこと
ちなみに、カルロス・クライバーの幼少期のことは、いくらか出てきます。おもしろいエピソードでもいくつか見つけることができます。ただ、あとがきに書かれているように、そこまでたくさん書かれているわけではありません。残念ですが、カルロス・クライバーの初めての指揮者デビューで、偽名を使っていたエピソードも出てきませんでした(逆に言うと、本当にそうした事実があったのか、という疑問はありますね)。
終わりに
この本は、クラシックが最も華やいでいた最後の時代である戦間期の空気がよく読める良書で、随分勉強になります。お勧めです。
この三連休は天気は悪かったものの、随分いろいろなことが出来ました。まだしたりませんけれど。あすからまた戦場へGO。
それではグーテナハト。
ジョージ・バーナード・ショーのワーグナー本、読書中
えーっと、読むのが遅すぎましたね。
ジョージ・バーナード・ショーの手による《ニーベルングの指環》の解説本(?)です。
ジョージ・バーナード・ショーは、御存知の通り社会主義に同情的で、フェビアン協会の会員でした。ですので、《ニーベルングの指環》を資本主義批判として読み解いています。
こうした「読み替え」は、パトリス・シェローのバイロイトでの読み替えなどが知られていて、特段おどろくべきことではありません。というより、この本がその読替えの元ネタである、というところなのでしょう。
これまで読んでなかったのが失敗でした。重要な資料なので、引き続き読みます。
明日は家にこもって仕事?
取り急ぎグーテナハト。
フランス式論理と典雅──読売日響サントリー定期
本日早帰りデーのため、早帰りを実践しました。会社帰りにサントリーホールで読売日本交響楽団の定期公演を聞いてきました。
モーツァルト 交響曲第29番イ長調K201
モーツァルト 協奏交響曲変ホ長調K364
メンデルスゾーン 交響曲第3番イ短調作品56《スコットランド》
最初のモーツァルト。こういうのを典雅というのでしょう、という感じ。オケの音も薫り立つようでした。席は前から三列目下手側。カンブルランの横顔が見える位置でした。まるで指揮台でステップを踏んで踊っているように見えました。
二曲目の協奏交響曲は、ドイツ名門オケでコンマスあるいは首席奏者を務める二人の日本人女性。ヴァイオリンは萩原尚子さんで、ケルンWDR交響楽団のコンマス。ビオラはベルリン・フィルの首席ビオラ奏者の清水直子さん。そういえば、ふたりともなおこさんなんですね。萩原さんのヴァイオリンは硬く引き締まった音でした。清水さんの方の音はしなやかに思いました。
ここまでで一時間過ぎ。二曲とも充実していましたので、随分とお腹いっぱいな感じで、これで終わりでもいいかも、などと。
ですが、次がすごかったのです。
《スコットランド》は、実演を聴くのは初めて。というか、私が実演に触れられるように鳴ったのは会社が都内になってからが主なので、まあ当たり前なんですが、この曲は小さい頃によく聴いていたので、ほとんど覚えていて、なんだか懐かしい気分でした。
カンブルランの指揮は、第一楽章で、第二主題で突然テンポを上げたりと、当初は少し戸惑いもありました。が、そのうちにだんだんと引き込まれて言った感があります。テンポは、確かに変えるのですが、旋律の途中でもたらせたりというようなことはほとんどなく、おおむねインテンポで進めていました。特筆すべきはむしろダイナミズムで、パートごとの音量調整を細かくやることで曲の表情を引き出していました。
この曲、第二楽章は民謡風というか舞曲風なんですが、なんで第二楽章なんですかね。普通はこのたぐいは第三楽章なんですが。まあ、それはいいとして、クラリネットの旋律になぜかころりとやられてしまって、落涙しました。木管が素敵でした。
カンブルランの指揮は、この辺になると随分とわかってきました。まずはリズムががっしりしていて、ほとんどぶれません。これはインテンポであるからそう思えたのでしょう。それでいて、ダイナミズムで華麗な音を引き出しているのです。これは本当に驚きでした。
フランスといえば、軽やかで華やかなイメージがありながらもロジックの国です。論理的でありながら典雅であるという、辻邦生の小説のような世界です。
聴きながら、ゴシック聖堂のような堅牢でありながら、細部の美しさを保っている構造体を観ているようでした。
で、カンブルランの出身のアミアン大聖堂を思い出したというわけ。単純は偉大なり。なんて。
といわけで、早帰りを利用して行ってきた次第です。
東京オペラ・オケ事情を作ったのは、私が、いつどこで何を演るのかを知りたかったということがあります。自分のためにも作ってよかった、などと勝手に思ってます。
本当は、東京芸術劇場のホールオペラにも行きたかったのですが、散々迷ってサントリーホールにしてしまいました。仕事が忙しかったので、モーツァルトを聴きたかったから、というのが大きな理由でしたが、目的以上に満足した演奏会でした。
週末は本職を頑張ります。
では、グーテナハト。
《パルジファル》つれづれ
今年は夏が短かった気がします。暑いのは8月だけだつたような。9月になると、こんなに涼しいです。喉元過ぎれば熱さ忘れる、ですかね。おかげで東電料金も今月は少なくなる見込み。
パルジファル集中的に聴いてます。この曲、私の中では解釈難解さ最高峰。
ワーグナーは、キリスト教を利用して自らの思想を具現化したとも言われます。確かイエスという言葉は歌詞には登場しません。共に苦しむと言う思想は、仏教的ともされます。
楽曲的にも、それまでと一線を画しています。私には、ワーグナーでマーラーが聞こえるのは《パルジファル》ぐらいに思えるのです。
性的モチーフも聖的モチーフの混合は、あまりに複雑で、ときほぐのにめまいがしそう。人間の本質はこういうものなんだろうと思います。
今日はティーレマン盤。やはりアンフォルタスの独白が好きな場面です。最も人間が人間らしいから。そして、そこに共感するパルジファルの絶叫も。
今日はこれでグーテナハト。
《パルジファル》解説書
2010年の東京春祭で限定発売された解説書。リブレットの両サイドに楽曲解説とリブレット解説が書かれている秀逸な資料です。
聴きながら、あるいは見ながらチェックすると勉強になるはず。今週末がチャンスです。
《短信》アバドのパルジファル
正規盤ではないようですが、アバドのパルジファルを見つけました。
http://www.operapassion.com/cdpaabsa20.html
放送録音で、三幕に欠落があるようです。いまも手にはいるかどうか。継続調査中。
取り急ぎ。遅れているけれど。
アバドのワーグナー
そういえば、アバドのワーグナー、少ないなあ、などと。私はウィーンでドミンゴと撮った《ローエングリン》と、スタジオ録音の《ローエングリン》、ベルリンフィルと演っているオケアルバムを持っているだけ。パルジファルとトリスタンも演っているみたいだが、音源あるのかな?
今日は、くだんのパルジファルのオケアルバムを聴いて過ごしました。まだ聴きたらないですが。
あすも戦い。それも孤独な。
ではグーテナハト