伊福部昭「音楽入門」で昨今の問題を考えているところ

音楽入門―音楽鑑賞の立場
伊福部 昭
全音楽譜出版社
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かつて読んだ伊福部昭の「音楽入門」ですが、昨今の問題を考える上での最も厳しい意見が書いてあります。
私はかつてこの本を読んだ時、どうも自分の考えとはすりあわない、と思っていました。リヒャルト・シュトラウス《ツァラトゥストラはかく語りき》が大なたでメッタ斬りにされてますから。
ですが、今回の事件を受けて、もう一度読み始めました。
で、こんなことが書いてあります。

私たちは、このように音楽以外のものの助けによって、その音楽に意味あらしめようとするような作品を軽蔑しなければなりません。

伊福部昭「音楽入門」47ページ
この本における「軽蔑」の仕方が半端ありません。絵画における裸婦像を例に取り、裸婦像を芸術的な眼差しでそれ自身を見るのであれば、それは芸術であるが、そこに性的欲求などを介してみた場合、その絵画は春画に堕ちる。であるから、、

同様に音楽にあっても、その方便で選ばれた題に基づいて諸々の連想をたくましくする態度は、その連想そのものがいかに美的なものであったとしても、いわば春画的な見方と言わざるを得ないことになるのです。

伊福部昭「音楽入門」42ページ
となります。
さて、少し先取りなのですが、あとがきが片山杜秀さんが書いておられて、例の小林秀雄の「モオツァルトのかなしさは疾走する」が取り上げられています。この文学趣味の行末が、今回の問題につながっているといえましょうか。
今回の問題は、ちょっと深いです。勝手に私が深く思ってしまっているだけだと思いますが。

Symphony 5
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今日もバレンボイム。ブル5。うーん、今度は疾走するブルックナー。これはかなり速い方のブルックナーです。ブルックナーのXXXXは疾走する。XXXXには何が入るのかな?
ではグーテナハト。

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Posted by Shushi