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12月25日の怪物: 謎に満ちた「サンタクロース」の実像を追いかけて
高橋大輔
草思社
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先週紹介した高橋大輔さんの著作から。「サンタクロース」の起源を探求する旅です。
いや、これも本当に面白かったですよ。
もともと聖ニクラウスという小アジアの司教がサンタクロースの起源とされています。
聖ニクラウスが、なにゆえ赤いコートをきてトナカイにのるようになったのか。
あるいは、なぜ、サンタクロース村がフィンランドにあるのか。
そして、なぜ日本でサンタクロースがここまで受容されているのか。
そうした疑問を、高橋大輔さんは、トルコ、イタリア、オランダ、アメリカ、スイス、フィンランド、そして秋田へ赴き謎を解決していきます。
元々は、聖ニクラウスが、お金に困って娘を身売りしようとしていた隣人の家に、夜中に忍び込んでお金をおいてきた、という故事がサンタクロースがプレゼントを持ってくる、というモチーフに変化したのではないか、ということです。
その後、正ニクラウスの遺骨がイタリアに持ち込まれ、それがきっかけとなって欧州に信仰が広まりました。アメリカへは、移民が持ち込み、それをコカ・コーラが利用して現在のサンタクロースの起源となったようです。
言葉で書くのは簡単ですが、これも現地で様々な苦労や、人々との出会いの中で見出された説です。実際に読んでみるとその辺りのスリルがよくわかります。
それでは、なぜフィンランドにサンタクロースが住んでいるのか。あるいは、なぜ日本に受容されたのか。
この辺りもまた面白く、意外なあんな民俗習慣がサンタクロースと結びついているということが明らかになるあたりは、実に面白いです。がゆえに「怪物」なんですね。
やはり、現場に赴かなければ分からないことがたくさんあるということがよくわかります。ネット時代である程度の情報はわかるのでしょうが、それだけではわからないこともたくさんあります。現地でその場の空気を吸い、匂いを感じるということが大事なのでしょう。
昨夜は久々にノンアルコールで過ごしました。数カ月ぶりかも。今日もノンアルコールでがんばります。
ではグーテナハト。