ハインライン「スターファイター」&「銀河市民」

先週から、ハインラインを二冊読みました。学生時代に読むべき本でした。今更読んで本当に残念。
今回読んだのは「スターファイター」と「銀河市民」です。いずれも、実に古典的な物語構成で、大変勉強になりました。

スターファイター (創元推理文庫)
ロバート・A. ハインライン
東京創元社
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「大宇宙の少年」という題名で新訳も出ているようです。

大宇宙の少年 (創元SF文庫 ハ 1-7)
ロバート A.ハインライン
東京創元社
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「スターファイター」は、月旅行に憧れる高校生が懸賞で偶然手に入れた宇宙服を使っていたところ、異星人にさらわれ、異星人の月面基地に監禁されてしまうという物語。脱出、捕縛、救出、どんでん返し、と物語の王道を歩んでいます。ですが、その意外性や、スケールの大きさ、人類一般への深い洞察、科学的技術的に緻密な考察など、本当に物語の喜びが横溢している作品です。

銀河市民 (ハヤカワ名作セレクション ハヤカワ文庫SF)
ロバート・A・ハインライン
早川書房
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「銀河市民」も、奴隷の少年ソービーのビルドゥングス・ロマンであり、貴種流離譚という物語の王道です。乞食に拾われたソービーは自由商人の中で頭角をあらわします。実のところ、彼は世界最大級の大富豪の跡取りで、奴隷制度根絶のために力を注ぐというストーリー。こちらも本当に面白かったですが、本当はもっともっと長い物語のはずで、おそらくは制限などによってかききれなかったか、ハインラインが飽きてしまったかのどちらかだと思いました。あるいは日本語訳が抄訳なのかもしれません。

ちなみに、会社の若い皆さんに「ハインラインしっている?」と聴いたところ、誰も知りませんでした。私の少し上の先輩に聴いてみたところ、ご存知でした。「夏の扉」を読まれたそうです。

もっとも、「スターファイター」も「銀河市民」も両方とも1950年代の作品です。いまや古典だし、読まれることも少ないのですかね。少しさびしいような残念なような。でも「宇宙の戦士」は機動戦士ガンダムの元ネタではないかと言われていますので、現代日本のアニメの源流の一つがハインラインともいえるのですけれどね。

今日は家族通院のため、割当てられた社命公休をいただきました。考えごとをしたり、IT関連の勉強をしたり、書評を書いたりとまあまあ生産的な一日でした。暑い一日でしたが皆様はいかがお過ごしでしたでしょうか。

それではおやすみなさい。