Béla Bartók

台風がようやく日本海に去りました。みなさまご無事でしたでしょうか。このブログを書いている時点でもまだ975hPaだそうです。しぶとい台風でした。東京地方も午後はかなり風が強くなりました。ベランダに出していた植木がひっくり返ってしまうぐらいでした。
本当は散歩に出かけるはずでしたが、何かあると嫌なので一日中家で過ごしました。昨日のセッションで受けた刺激を咀嚼しつつ、懸案の仕事を幾つか片付けるなど。なかなか進みませんが。
今日はこちらを聴いています。ハイティンクの指揮で《青ひげ公の城》。バルトークの紹介はお久しぶり。本当に素晴らしい世界。

バルトーク:青ひげ公の城
オッター(アンネ=ゾフィー・フォン) トムリンソン(ジョン)
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このミステリアスな物語を、どう表現すればいいのか。今日のところはここに私は人間の人間たる所以を感じます。
おそらくは人間は過去の過ちを何度も何度も敷衍しながら生きているはず。その過去というのは個人的な過去に限らず歴史的な過去をも含むもの。この何千年もの人間の歴史において人間の性(さが)というものが質的変化を遂げたことは残念ながらない。もちろん政治体制は大いにかわったのだけれど、それはおそらくは衣を変えただけにすぎず、中身は変わらない。
ユディトが囚われていた女達の仲間に加わるシーンを見ると、ユディトが空けた扉の向こうに会った、牢獄や、財宝や、領地といった栄華があったとしても、最終的には、同じ先人の列に加わることになる。そこには選択の余地はない。もちろん、青ひげとの会話のなかでユディトは青ひげと対決するのだが、その対決にはあまり意味はない。いや、あるとしたらそれはその対決のさなかに生じる青ひげとユディトにおいて何かしらの意志の交感があったという事実にすぎない。徹底的なある種のニヒリズムなのではないか、と。
世ははかなく、人生はまばたきの如きものである。その中で青ひげと対決することにだけ意味がある。結果は重要ではない。働きかけは結果を伴うわけはない。世界は直線的な因果律で動くものではないのだから。
《青ひげ公の城」はそういう物語に思えてならない。
なんてことを考えています。
そうか、このアルバムはアンネ・ゾフィー・フォン・オッター様だったのですね。こういう強力な役柄を歌っても素晴らしいのがオッターなんですね。今日、たまたまシュトラウスやベルクの歌曲をオッターで聴いていたんですが、同じ方とは思えないです。
さて、懸案の仕事の一つがブログシステムの移行です。もうMovabletypeは個人ユースではないのでしょう。カブトを脱いで、Wordpressに移ることにしました。すでに枠を作り文書を流し込み、テストを実施しています。来週には、新しいシステムに変わる予定です。
ではみなさまおやすみなさい。

Jazz,Saxophone

My saxophone

はじめに

台風が日本に迫っており、大変な事態になっているとのことです。本当に心配ですね。どうかみなさまお気をつけてください。避難されている方もいるのでしょうか。本当に心配です。

セッションに行ってきました

東京地方は、幸いにして雨もふっておりません。本当に久しぶりにセッションに行ってきました。
午前中にカラオケボックスに行って、ざっと吹いてきましたが、指が本当に回りません。まったく。音の質も変わってしまったような。つまり、それはオーボエを吹いたことでアンブシェアがかわり、喉が開くように鳴ったからです。
おそらくは、この変化は、本質的には良いことなのです。音圧はきちんとキープできているので。ですが、音質がどうも変わってしまったように思います。もっと硬質な音にしたいはずなんですが、どうも音が丸くなってしまったような。リードを変えてみるなどの対処をするか、あるいはデュコフを買っちゃうか。。
今日はあまり多くの曲は吹けませんでした。フレージングでやりたいことはあるのですが、まだやりたいことと表現がリンクしていないです。昔はもうすこしリンクしていたはずですが、ブランクが長いので仕方がないです。毎日少しずつ戻していかないと、と思いました。
でもセッションに行ってたくさん刺激を受けました。お話もいろいろできたし、素晴らしいプレイを沢山聴けましたし。本当に楽しかったです。
やっぱり音楽は続けないとね、と思います。それも聴くだけではなく演奏もしなければ。
というわけで、バルトークの教えを再掲します。

ラジオやレコードプレーヤーがあると人は自分で演奏しようとする意欲を失い、たとえ未熟でも自分で演奏することで得られる満足感が得られなくなる。

それから、音楽の勉強ももっとせんとなあ、と思います。
では、みなさまおやすみなさい。台風にどうぞお気をつけ下さい。グーテナハト。

Photo

緑なのか、コンクリなのか。
仕事で出かけた昼下がり、なんだかいい感じでした。
夏には珍しく雲ひとつない快晴です。湿度が低いからか、風が強いからか。珍しいのではないかと思います。
確かに、ジメジメというより、カラッとした熱風が吹きすさぶ、という感じです。調べてみると、確かに東京のお昼の湿度は50%ぐらいでした。
冬にはこうした晴天がよくあります。ですが、太陽の高度が低いのでこういう光の色にはなりません。
そう意味では、先日取り上げたプロヴァンス映画のような気候なのかも、と思ったり。おそらく台風の影響でしょう。
しきりに、頭の中にシロッコ、という単語が浮かんできました。つまり、サハラ砂漠から欧州へと吹いてくる熱風のことです。こちら、シロッコの写真。

Sirocco from Libya.jpg
Sirocco from Libya“. Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

(シロッコは地中海を超えると、湿潤な風になるそうですが、アフリカでは乾燥した熱風だそうです)
とにかく気持ちの良い風景です。最近、冷房疲れで、暑さが恋しいので、いい気分転換になりました。
それではグーテナハトです。

Book,Classical

バーンスタイン: アメリカが生んだ偉大な指揮者 (KAWADE夢ムック 文藝別冊)
河出書房新社 (2014-07-23)
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はじめに

暑い日が続いています。みなさま、体調はいかがでいらっしゃいますか?
私は、昨夜は空調を切って眠りました。お陰で今日は少し体調がよくなりました。今年にはいて、どうも仕事場の空調が強すぎて、昼間はブルブル震えています。そんなせいで体が冷えきっていたようです。暑さの中で寝たことで、新陳代謝がよくなったような感じで、ずいぶん楽になりました。
この夏を空調なしで乗り切るのも難しい状況ですが、そうはいても空調も使い過ぎは禁物ですね。

バーンスタインのムックが出ました。

河出書房新社からバーンスタインのムックが出ました。昨日入手し読み始めています。
バーンスタインのことは知っているようで知らないのかも、と反省しました。ブラームスの交響曲や、あとで触れる《トリスタンとイゾルデ》などでずいぶん感動しましたが、実はマーラーやベートーヴェンをちゃんと追えていないということに気付かされてしまいました。他にもシベリウスなどにも興味ありますね。久々にCDを買おう、と思いました。
コンパクトにバーンスタインのことがまとまっており大変お勧めです。

黒田恭一さんのこと

この本で感動したのは、故人となってしまった岩城宏之さんと黒田恭一さんの文章が載せられているということ。特に黒田恭一さんが1985年にバーンスタインにインタビューをした当時の記事は素晴らしいです。
バーンスタインの人となりが分かりますし、なにより黒田さんのインタビュアーとしての機知と気遣い、そして綿密なデータをもとに解説するプロ意識にただただ脱帽しました。
黒田さんはNHK-FMでの解説で30年以上まえに存じて、本なども何冊か読みました。2008年には新国立劇場のオペラトークに司会で出演されました。
https://museum.projectmnh.com/2008/09/15235830.php
https://museum.projectmnh.com/2008/11/23213311.php
それから、こちらの本。黒田恭一さんの初心者に向けたクラシックの聴き方の本です。私はこの本を中1の時に読み「コンサートの予習は必ずせよ」「コンサートには一時間前に会場入りせよ」という教えを忠実に守っています。

はじめてのクラシック (講談社現代新書)
黒田 恭一
講談社
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バーンスタインのこと

私がバーンスタインといって思い出すのはこちらのアルバムです。
あまりに豊かで潤いのある音楽に仕上がっています。おそらくはかなり遅いぐらいのテンポで動かしています。この速度で、この曲をやられてしまうと、この曲がもつある種の恍惚とした感じとか官能性などが顕になっていくのだと思っています。かつても書いたと思いますが、1980年ごろ、吉田秀和さんがNHK-FMでバーンスタインが振ったベートーヴェン《田園》を「恍惚とした感じ」とおっしゃっていた録音を持っていました。そういう、なにか人間の奥にある情感を思い起こさせる音が、この音源で感じることができるのだと思います。

Tristan Und Isolde
Tristan Und Isolde

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ではグーテナハトです。

Photo

風渡る
今日も暑い一日。
昼休みに外にでると熱風が吹きすさんでいて、木々は裏葉色を見せて、必死に風を受け止めていました。
風渡る、という言葉がふと浮かんできました。
吹きすさぶ熱風でさえ、通り過ぎるだけですが、木々と触れ合う風は、なにげに楽しんでいるのではないか、とも思いました。
明日はこの夏一番の暑さのようです。どうかみなさまもお身体にはお気をつけください。
それではグーテナハトです。

Jazz

はじめに

IMG_0667.JPG
どうも暑い。で、ヤングコーンを食べました。初夏が旬だそうです。そろそろ終わりですかね。
暑いのはみなさまも同じだと思います。でも、今年はなんだかこれまでとは暑さの感じ方が変わりました。地球温暖化による気候変動なのか。
ですが、最近は太陽の活動が弱いらしく、長いスパンで見ると今後は寒冷化が進むのではないかと言われているそうです。
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41356
だからといって、アマゾンの森林を焼き払うことに合理性はありませんけれど。
寒冷化と中国の王朝の興亡はリンクしているそうです。最近の大きな寒冷化は1600年頃だそうで、そういう意味で言うと、明から清へと王朝が変わった次期に当たります。
当時は対岸の火事でしたが、現代においてはどうか。平和が一番ですが、個人の努力でどうこうするにも限界はあります。「嵯峨野明月記」で言われていた、変転する波の中を我々は生きているのです。それが人類史というものです。
とはいえ、手をこまねくのもなにか癪に障りますので、できることはないかしら。なーんてことを考えています。

今日の本題

今日も納涼音楽として、ジャズ系を。旧いアルバムですが、Four Playを聴いています。1993年のアルバムBetween Sheetsです。
おすすめはこちら。Flying east。

それから、Amoroso。リトナーのソロが、リトナーらしくていいです。

なんというか、冷房のキリッと聴いた部屋で聴きたい曲です。ですので納涼系。このころのFourplayのギターは、最近私が執心しているリー・リトナーです。
と、ここまで書いて、改めて思うのは20年前のアルバムということ。きっと今の若い方々には全くシンパシーないんだろうなあ、なんてことを思います。80年代の残滓のようなものを感じる90年代前半の音作りです。こういうプロデュースの仕方って今もあるんでしょうかね。最近の音楽をあまり聴けていないので、というところです。いろいろ聴きたいんだけど、といって動けないのが歯がゆいです。

元の話に戻る

元の話に戻りますが、言うほど気候としては急激に暑くなっているようなことはない、というのが事実のようです。だとすればこの感じ方の違いは何なのでしょうか。
空調が発達したことでしょう。熱交換で屋外に熱が排出されます。効率化で皆神な空調を使うようになりましたし、熱中症対策で空調を使うことが奨励されていますから。
それよりももっと言えるのは体調の変化でしょう。アルコールをやめて、体調は絶好調なはずなんですが、どうも暑さへの耐性が緩んでいるのかもしれません。バテやすくなったのかも。去年もやはりバテバテでしたから。そして去年も同じ時期にやはり禁酒をしてます。全く。。
今日は、とある原稿を書き終えて提出しました。次の原稿は10月。本業系なので少し気が重い。。もうひとつぐらい原稿が来てほしいとも思います。
ではグーテナハトです。

Vocal

ベルリオーズ:抒情的情景「エルミニー」、歌曲集「夏の夜」/ラヴェル:歌曲集「シェエラザード」
ヴェロニク・ジャンス
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本当に暑い一日。
こんな日には涼し気な音楽を聴きたいものです。
というわけで、ベルリオーズの「夏の夜」を聴いています。ベルリオーズの代表作の一つとされているオーケストラによる伴奏付きの歌曲で、ソプラノやメゾソプラノ独唱で歌われることが多いようです。ニコライ・ゲッダなども録音してますので、男声もありのようですね。
曲調は、フランス歌曲らしく典雅で優美なものです。いずれもテオフィル・ゴーチエの詩です。もともとは「死の喜劇」として1838年に出版されたものを、ベルリーズが1840年ごろに作曲しました。薔薇の精、恋人をなくした漁夫の哀歌、去りゆく恋人を歌う歌、墓地の歌、未知の島を歌う歌、などなど幻想小説家としてフランス文学史に名をのこすゴーチエの情感ある詩についた曲ですので、おのずとそうした曲調になります。
NMLでいろいろ聴いていたのですが、今のところ、アンネ・ゾフィー・フォン・オッターとヴェロニク・ジャンスの録音がいいなあ、と思います。
今日聞いているのはヴェロニク・ジャンスのほうです。
オッターはメゾですが、ジャンスはソプラノです。ただ、ジャンスのレパートリーをみてみると、《ばらの騎士》のオクタヴィアンや《ナクソス島のアリアドネ》の作曲家などがレパートリーに入っています。メゾのレパートリーとかぶっています。ですので、声質は軽くなく重心の低い落ち着いた声質です。
ジャネット・ベイカーのようなメゾソプラノが歌うと、(私にとっては)少し沈鬱な感じに聞こえてしまい、典雅さが少しなくなってしまう気がしてなりません。落ち着きすぎてしまうのです。それはそれでいいのかもしれず、好みの問題であると思いますが。
ちなみい、ジャンスは《コジ・ファン・トゥッテ》のフィオルディリージや《マイスタージンガー》のエヴァを歌ってもいます。そういう幅広さが素晴らしい方なのでしょう。また、バロックのレパートリーが多い方で、ヘンデル、パーセル、ラモー、リュリなどのレパートリーを持っているようですね。
またそろりと新しいオペラを開拓しないと、とラモー、リュリなどの名前を見ながら思いました。
明日はとある原稿の〆切ですので、これからまたいろいろ考えます。
では早いですがグーテナハトです。

Classical,Movie

いや、もう、この二週間禁酒していましたが、おかげでアルコール耐性がすっかり落ちてしまいました。
昨日は仕事関連の飲みだったのですが、一次会の前のゼロ次会に参加し、一次会、二次会と5時間半飲み続けた結果、今朝はフラフラ。仕事場に行ってみると、みなさんも大変なことになっていました。
しばらくアルコールは本当にやめます。
というわけで、今日はこちらを。ただれた空気はオーヴェルニュの歌で一掃です。

カントルーブ:オーヴェルニュの歌
アップショウ(ドーン)
ダブリューイーエー・ジャパン (1997-08-10)
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私は、アップショウ、キリ・テ・カナワ、ダヴラツの三枚聴きましたが、やはりアップショウが一番かもしれません。ケント・ナガノという日系人指揮者とアメリカ人というフランス人ではない音楽家の演奏なので、普遍的な音楽に消化しているのかもしれない、などと思います。他の演奏の中には、本当に田舎の土臭い感じがする演奏もあり、それはそれでいいのですけれど、アルコールにつかれたあとなどはアップショウ盤がいいですね。
私は、どうもこの盤を聴くとこの映画を思い出します。

マルセル スペシャルエディション [DVD]
パンド (2003-06-21)
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辻先生が進めていた映画でした。南フランスの夏の雰囲気が伝わってくる映画です。マルセルという少年の家族がプロヴァンスで過ごす夏休みを描いた作品です。観たのは10年以上前ですが、今でも折にふれて思い出します。あの強い日差しに灼かれた土の色が忘れられないです。それを観て、セザンヌを思い出すのですね。どこか日本の美術館でみた作品なんですがよく思い出せません。ただ、以下の絵のように土の色がとても美しかったのです。「マルセルの夏」でもやはりこういう土の色が出てきて、セザンヌの色彩とつながったのを記憶しています。

きっとセザンヌやゴッホが過ごした南フランスはこんなかんじだったのかなあ、などと想像します。オーヴェルニュとプロヴァンスは少し離れていますけれどね。
では、グーテナハトです。