1月の新国立劇場は《さまよえるオランダ人」でしたね。
飯守泰次郎さんの指揮が素晴らしかったです、緊密というか、Solidという言葉を思いだしながら聴いていました。前回のパルジファルと同じく、微細なテンポコントロールが見事で、ダイナミズムや重厚さを表現していたと思います。
で、なんだか変なことに気づいてしまいました。
《オランダ人》は《アラベラ》と似てますね。オランダ人もマンドリーカも父親が連れてきた花婿で、あまり世間なれしていない男。で、ふたりとも妻となるべき女性の素振りを誤解して、すねてしまうという。《オランダ人》にも《アラベラ》にもそれぞれ、エリック、あるいはマッテオという、ヒロインに片思いを寄せる男が出てきますし。
2010年新国立劇場《アラベラ》のマンドリーカも、今回のオランダ人もどちらも、トーマス・ヨハネス・マイヤーで、私は強い既視感を覚えまして、こんなことを思いついてしまいました。もちろん、トーマス・ヨハネス。マイヤーの歌唱はやはり素晴らしかったのです。この方の《ヴォツェック》は忘れられないですね。
でも、この考え、意外と図星かも。同じことを考えている方がいらっしゃいました。「頭がいい人、悪い人の話し方」を書かれた樋口裕一さんです。
http://yuichi-higuchi.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-283f.html
リンク先は、その2010年の《アラベッラ》についての感想を書いておられます。もう4年も前の話ですね。
それにしても、いろいろ興味深いです。もう少し考えてみないと。
なんだか今日も世界の波にのまれるような一日でした。いろいろありますが、良いことばかりではありません。
ではグーテナハトです。