Classical

バッハ:音楽の捧げもの
バッハ:音楽の捧げもの
  • アーチスト: ゲーベル(ラインハルト)
  • 発売元: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • レーベル: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • スタジオ: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2000/05/24
  • 売上ランキング: 37425
  • おすすめ度 4.5

バッハ晩年の「音楽の捧げもの」を聴いています。ラインハルト・ゲーベル指揮のムジカ・アンティクワ・ケルンの演奏にて。毒々しさがなく清浄な流れのバッハ。心が安まりますね。それでいてSonata Allegroのように躍動感があって、元気付けてくれる演奏でもあります。なかなかすばらしいです。

この曲は、高校のころはレンタルCDで借りたのをテープに録音してよく聴いていました。

この曲のテーマは以下の譜面の通り。これがどんどん変奏されていくわけですが、まさに妙技ですね。同じテーマ≒同じコード進行を展開させていくあたりは、ジャズ的でもありますね。

Bach score

Bach_Musicoffering.mid

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コダーイ:ハーリ・ヤーノシュ
クリーヴランド管弦楽団 セル(ジョージ) コダーイ プロコフィエフ ボロディン リムスキー=コルサコフ リャードフ
ソニーレコード (2000/08/23)
売り上げランキング: 7214

お恥ずかしながら、本日初めて聞いた「キージェ中尉」。なかなか軽妙な曲ですね。軽快でユーモアの溢れる曲想が全体を支配していますが、ロシア民謡的な旋律がバスクラリネットやピッコロなどで不気味に演奏されて、軽妙な旋律とポリフォニックに動いたりポリリズムを刻んだりするあたりがおもしろいですね。きっと演奏するのは骨が折れると思います。もともとは映画音楽のために作られた曲で、交響組曲に編曲されたそうです。



聞いていると、ブリテンの「青少年のための音楽入門」を思い出します。あれも強烈にポリリズムになるところがありますよね。ポリリズムと言えば少し苦い思い出が。かつて、先輩のバンドでサックスを吹いたことがあるのですが、私の他はみんな理系の先輩方で、リズムに対する意識が僕には分からないぐらいに凄いのですよ。ドラムは7拍子で、ベースは4拍子で、1拍目が合致するのが28小節目で、みたいなイメージ。正直ついていくのが大変でした。というよりついて行けなかったかも……。僕の才能不足だと思います。はい。



音楽を極められる方は、理系の方が多い、というが僕の持論ですが(「ド文系」の僕だからこそ言えることだとは思いますが)やはり数学的なセンスがないと、リズムを体感したり、調性の移行感覚や、コードの数字の積み上げといった記号論的な理論を習得するのは難しいです。もちろん、文系の方でも優秀な方はこうした面をクリアされておられるとは思うのですが。すこし自虐的になってしまいますので、このあたりで止めておこうと思います。

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バッハ:ヨハネ受難曲
バッハ:ヨハネ受難曲

posted with amazlet on 07.12.04
リヒター(カール) ミュンヘン・バッハ合唱団 リアー(イヴリン) テッパー(ヘルタ) エンゲン(キート) プライ(ヘルマン) ヘフリガー(エルンスト) ミュンヘン・バッハ管弦楽団 ヘルテル(バレンティン) ウール(オスバルト)
ポリドール (1999/06/23)
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今日はヨハネ受難曲を聴いています。初めて聞いたのは中学生の頃だったと思いますが、冒頭の通奏低音と合唱の不気味さに驚愕し、これはもう「はげ山の一夜」ぐらいおどろおどろしい情景だ、と思った記憶があります。受難曲ですので、受難や磔刑の暗いイメージが冒頭からにじみ出していると言うところでしょうか。イエスという肉体が滅びる哀しみと絶望を表現するためには、これぐらい肉的でどろどろした汚濁を描いて見せなければならないと言うことなのだと思います。この曲を聴いてバッハの清純イメージ僕の中で急展開し、キリスト教の持つ肉的な部分──それは、聖遺物の展示や、聖者の遺骸がガラス張りの棺に収められていたり、という部分なのですが──をも表現することが出来る作曲家なのだ、と思った次第でした。

しかしそんな中にもオアシスのような美しいアリアがあります。フルートが先導しソプラノへバトンを渡すこの部分です。

 

John
 

 

この部分、本当に美しくて、ついつい涙ぐんでしまうこともしばしばです。

リヒターの演奏は、ピリオド的なものでは当然ないのですが、バッハの「肉的」な部分をうまく表現していると思います。それは、リヒターのチェンバロ協奏曲を聴いたときにも抱いた感想でした。リヒターは50歳半ばにして病に倒れるのですが、その後のバロック音楽演奏情勢を知らずになくなったのは少し残念かもしれません。
 

 

 

Italy2007

聖堂の左手奥にクープラへの上り口がある。簡単なチェックのあと、薄暗い階段を昇り始める。思ったより疲れないのは、毎日ウォーキングを欠かさなかったからかな、などと思っていると、クープラの内側の通路に出る。円錐の円周の内側に設けられた通路というべきか。ここから聖堂内が見渡せる。大きい。思った以上に大きい。頭上にはフレスコ画。これもすごい。ルネサンス的描写製を持つ絵で、ここまで書くのは本当に大変だと思う。

Italy2007

クープラの天頂部分への通廊と階段はまだ続いていく。あまり疲れないのがとても嬉しい。昔に比べて大分と体調が戻ってきたのだなあ、と思う。

Italy2007

天頂部に到着すると、一気に視界が広がる。360度フィレンツェの煉瓦色の屋根瓦と淡いカーキ色の壁を持つ建物がアルノ河の作った渓谷いっぱいに広がっているのが見える。ああ、あれがサンタクローチェ教会だ、あれがメディチ家礼拝堂だ、などと地図を見ながら風景を楽しむ幸せ。屋上に小さな庭をもつ家が見える。あんな家に住めたらどんなに幸せだろうか。

Italy2007

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Miscellaneous

認証が必要のないモードがありましたので、そちらに変更します。今まで通りご自由にコメントを付けて頂くことができるようになりました。よろしくお願いします。



コメントを頂く場合、認証をして頂くことが必要になりました。コメントを頂く場合最初に少しご不便をお掛けするかと存じますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

以下のリンクが参考となります。

http://www.sixapart.jp/pronet/developers/movabletype/mt4_comment_authentication_methods.html

Miscellaneous

FC2で運用してきたMuseum::Shushi bisですが、いろいろ考えた末、自前で取ったサーバー上のMovabletype4で運用することにいたしました。

新しいウェブログは以下の通りです。

http://shuk.s6.coreserver.jp/MSB/

★リンクして頂いている皆様★

リンクの変更をお願い致します。もちろん、FC2のブログは閉鎖致しません。

ポジティブな理由としては以下の通りです。

  • レスポンスが早くなり表示時間が短縮されます。
    昨年まではMuseum::Shushiとして、Movabletype 3.3環境で運用していましたが、記事を静的に作成していたため、全体の再構築がタイムアウトで落ちてしまい、保守不能になりました。原因は、記事数の増加と、サーバーパフォーマンスの陳腐化が原因です。今回からは、別の性能の上がったサーバーで、記事を動的生成する方式をとることで、レスポンスの向上を図ることが出来るという判断です。
  • 管理画面のユーザーインタフェースが使いやすい
    この点は、ごらん頂く皆様というより、私の負荷が軽減されるというのみなので、理由とするには少々気が引ける面はあります。FC2の管理画面もいろいろ工夫があるのですが、少々動作がもたつく場面がありました。また、ログインしようとするたびに認証を求められるのが少々面倒でした。Movabletypeに変更することで、管理画面がとても使い訳すくなりました。自動保存や、入力域の拡大可能などの面でも良いと思える部分が多いです。
  • 広告が表示されない
    最近、FC2の管理画面に消費者金融やオンラインゲームの広告が頻繁に表示され、少々うるさく感じるようになってきたという点があります。無料なので何も言えないのですが、サーバーを取ってしまった以上、無料であるから使う、という理由はなくなったと言うことになります。
  • タグとカテゴリが使える
    タグを複数つけることが出来るのはもちろん、カテゴリーの階層化や、複数のカテゴリを指定できる、など記事の管理をする上での柔軟性が広がります。

デメリットとしては、以下のようなものを想定しています。

  • 自前でインストールから、CSSやHTMLのメンテナンスまで自分でやる必要があります。これは、もう「自分の勉強になるから」という理由で、甘んじて受けようと思います。
  • デザインのテンプレートが少ないので、本当に最低限のデザインしか適用できないですね。前項にも書いたように自分でデザインしないと行けません。これは楽しい作業ではあるのですが、少々時間を取られるのが玉に瑕です。

ともかく、まずは文章を書くこと、記事を書くことが第一義で、その次がブログのデザインなどのメンテナンスだと思います。今回はなにより「記事を書くこと」を簡便にするために移行したわけですので、ミイラ取りがミイラにならないように進めていきたいと考えています。

Classical,European Literature

前にも書いたかもしれないが、音楽を、言葉や文章に表すことの難しさといったら、本当にこの上ないものだ。

もちろん同じことが、絵画や彫刻にも当てはまるだろうし、長編小説に対する感想であってもそうだろうし、風景や人間を描写しようとしたときにも同じような思いを抱くのである。とにかくきわめて困難な仕事のひとつであることは確かだ。

かつて取り上げたように、ホフマンスタールはこう述べる。

ある話題をじっくり話すことが、そしてそのさい、だれもがいつもためらうことなくすらすらと口にする言葉を使うことが、しだいにできなくなりました。(中略)ある判断を表明するためにはいずれ口にせざるをえない抽象的な言葉が、腐れ茸のように口の中で崩れてしまうせいでした。

ホフマンスタール『チャンドス卿の手紙』檜山哲彦訳 岩波文庫 1991、109ページ

チャンドス卿の手紙 他十篇 (岩波文庫)
ホフマンスタール 桧山 哲彦
岩波書店 (1991/01)
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非凡なホフマンスタールさえこう述べているわけで、ましてや僕にはもっと難しいとおもうし、ホフマンスタールがこの文章を述べている地平にさえもたどり着いていないのかもしれない、と思うのだ。

冒頭に書いた「音楽」を「文章」化すること。それも、音楽用語を使わずに行うこと。四度跳躍とか、リタルダントとか。それでいて読み手にある感じを頂いてもらうということ。厳しいがそうせねばならぬ。

Italy2007

フィレンツェ二日目。まずは街のシンボルである花の聖母寺へ向かう。フィレンツェとはラテン語で花を意味する言葉を語源に持つ。ボッティチェルリの「春」に花の女神フローラが描かれたのはフィレンツェの街の空気をよくあらわしているのではないか、と思うのである。

実は出発前に一番ショックを受けるだろうと思ったのが、このサンタ・マリア・デル・フィオーレを見ることだった。あの深緑色、桜色、象牙色の大理石が織り成す外壁の文様のすばらしさは写真で見ただけではわかるまい、と思ったからだ。知識として知っているのと体験して知っているのはまったくの別物なのである。

サンタ・マリア・ノヴェッラ広場からバンキ通り、チェレッターニ通りを進むと、いよいよドームとご対面。いやあ、これは本当に凄い。写真で見ていたのと全く印象が違う。そしてその装飾のきらびやかさ、繊細さはなんなんだ、と思う。このブログでも何度となく書いたかもしれないがやはり「神は細部に宿る」である。思った以上にバラ色の大理石が心を打つ。教会というある種厳粛な場の外面が甘美な装飾で覆われているとは。そしてこれが今から600年も前のものなのだ、と思うとさらに思いは深まるのである。

Italy2007 Italy2007

Classical

最近My Boomな、ヴォーン・ウィリアムズ。小さいころには、南極交響曲と称される第7番と第8番のカップリングCDをよく聴いていたのだが、どうにもあまり奥へと入っていけない気持ちを感じていた。7番、8番に限っていえば今も同じ感想なのだが、交響曲全集を改めて聴きなおしていると、心を捉えて離さない曲があることに気づく。それが先日来俎上に載せている交響曲第5番と、同じく交響曲第3番である。第3番は「田園」という名称が与えあられているのだが、作曲者の第一次世界大戦の経験が反映しているという。特に気に入っているのが第三楽章に現れるトランペットの輝かしいファンファーレで(後ほど譜面を入れる予定)、この部分を聞くだけで歓喜の念を抱くのである。曲調は全体的に穏やかで「田園」の雰囲気を醸し出すのだが、最終楽章のソプラノが哀調を帯びている。戦死者への追悼と、戦死者が帰ることあたわぬイギリスの田園への憧憬が描かれているのだ、と思うのだった。

ウィキペディア「田園交響曲(ヴォーン・ウィリアムズ)」を参照。

RVW

Opera

Semper

演奏も感動的だったのですが、幕間にとある方をお見かけして本当に感動。お名前は伏せますが、あの方です。あの高名な音楽評論家の方です。あのお年なのにもかかわらず、かくしゃくとしていらっしゃいました。どなたかと立ち話をされていたのですが、どうもお一人でいらっしゃっていた様な感じを受けました。背筋がしゃきっとしておられて、本当にお元気そうでした。わたしもああのように元気でいたいものだ、と思います。

それから、元総理大臣もお見かけしました。かなりの至近距離で気づいたのでびっくりしてしまいました。ちなみに、小泉元首相ではありません。こちらもお名前は伏せますが、お元気だった頃に比べるとすこし歳をとられて疲れている感じ。それでもやはり背筋は伸びていらっしゃって、とてもスタイリッシュな黒い服を着ておられました(スーツではないのです)。

演奏者だけではなく、観客の方からも力を頂いた気がします。やはりライヴはいいな、と思いました。