今週はサロメばかり聴いていて頭の中が、サロメのフレーズでぐちゃぐちゃになっています。シノポリ盤のチュリル・スティユーダさん、ベーム盤のグィネス・ジョーンズさん、カラヤン盤のヒルデガルト・ベーレンスさん、三人のサロメが頭の中でぐるぐる回っている感じです。しかも、聴いても聴いても飽きが来ないのが恐ろしい。今日もこれからまたサロメを何度も聞くことになりそうです。
ベーレンスさんのサロメは強力ですね。ベーレンスさんというと、個人的にはブリュンヒルデのイメージが強くて、サロメもなんだか女傑のような強い英雄的女性に聞こえてしまいます。すこしビブラートがきつい気もしますが、豊潤な響きを持つ声ですね。エレクトラも聴いてみたいなあ、と思いました。
カラヤンの指揮は、テンポを大きなシーケンスで動かすことが多くて、意外とテンポを遅くして歌わせている部分が多いですね。それがカラヤンらしさの要素なのだ、と改めて思いました。ですが、七つのヴェールのおどりの部分意外と鈍重に聞こえてしまう感じ。シノポリ盤のほうがしっくり来た感じです。
それから、オケの響きは少しデッドですが、これは録音場所や録音自体、それから僕の再生機器の問題でもあると思います。そう言う意味では、録音の比較的新しいシノポリ盤が一番有利ですね。
ちなみに、第一のユダヤ人は、ハインツ・ツェドニクさんで、2004年に新国立劇場でサロメを見たときにヘロデ王を歌っておられた方です。クライバーのばらの騎士ではバルツァッキを歌っておられましたね。第二の兵士のクルト・リドルさんは、先だってのドレスデン国立歌劇場日本公演でオックス男爵を歌っておられた方ですね。録音された1977年といえばもう30年前になりますので、当時はこういった感じでキャリアを積み重ねていらした時代なのでしょう。
サロメの楽譜は本日か明日には届く予定。こちらも愉しみ。そして本番は2月3日の新国立劇場。あと三日です。
- 作曲==リヒャルト・シュトラウス
- 指揮==ヘルベルト・フォン・カラヤン
- 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
- サロメ==ヒルデガルト・ベーレンス
- ヘロデ==カール=ワルター・ベーム
- ヘロディアス==アグネス・バルツァ
- ヨカナーン==ホセ・ファン・ダム
- ナラボート==ヴィエスワ・オフマン
- ヘロディアスの小姓==ヘデヤ・アンゲルボ
- 第一のユダヤ人==ハインツ・ツェドニク
- 第二の兵士==クルト・リドル
- 録音==1977年5月、1978年5月
- 場所==Sophiensaal, Viennna