Opera,Richard Strauss

相変わらずサロメ漬な一日。先だって購入したシュテンメさんのアルバムに、サロメの終幕部が入っているのを思い出して早速と聞きなおしてみる。うわー、凄い。シュテンメさんの芯のある声が昂ぶるサロメを凄い迫力で表現している。もちろん酔いしれるサロメの妖しい静けさもいいです。ビブラートが少し強調されているようにも聞こえるのですが、綺麗なので問題ないです。

パッパーノさんの演奏も良いのですよ。テンポをコントロールしていて、的確に歌い回している。オケも巧いです。録音も良。iPod+クワイエットコンフォート2で聴いても大丈夫です。

聴いてみて思ったのは、実はマルシャリンよりもサロメほうがシュテンメさんらしさが出ているのではないでしょうか、ということ。だからイゾルデも良かったんだなあ、と。ライナーによれば、ジークリンデ、ゼンタなども歌っておられるようですね。ヴォイツェックのマリーも歌っているとは。聴いてみたいですね。

  • ソプラノ==ニーナ・シュテンメ
  • 指揮==アントニオ・パッパーノ
  • 管弦楽==コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
  • 録音==2006/09/01
  • 場所==Studio No.1 Abbey Road, London

Opera,Richard Strauss

今週はサロメばかり聴いていて頭の中が、サロメのフレーズでぐちゃぐちゃになっています。シノポリ盤のチュリル・スティユーダさん、ベーム盤のグィネス・ジョーンズさん、カラヤン盤のヒルデガルト・ベーレンスさん、三人のサロメが頭の中でぐるぐる回っている感じです。しかも、聴いても聴いても飽きが来ないのが恐ろしい。今日もこれからまたサロメを何度も聞くことになりそうです。

ベーレンスさんのサロメは強力ですね。ベーレンスさんというと、個人的にはブリュンヒルデのイメージが強くて、サロメもなんだか女傑のような強い英雄的女性に聞こえてしまいます。すこしビブラートがきつい気もしますが、豊潤な響きを持つ声ですね。エレクトラも聴いてみたいなあ、と思いました。

カラヤンの指揮は、テンポを大きなシーケンスで動かすことが多くて、意外とテンポを遅くして歌わせている部分が多いですね。それがカラヤンらしさの要素なのだ、と改めて思いました。ですが、七つのヴェールのおどりの部分意外と鈍重に聞こえてしまう感じ。シノポリ盤のほうがしっくり来た感じです。

それから、オケの響きは少しデッドですが、これは録音場所や録音自体、それから僕の再生機器の問題でもあると思います。そう言う意味では、録音の比較的新しいシノポリ盤が一番有利ですね。

ちなみに、第一のユダヤ人は、ハインツ・ツェドニクさんで、2004年に新国立劇場でサロメを見たときにヘロデ王を歌っておられた方です。クライバーのばらの騎士ではバルツァッキを歌っておられましたね。第二の兵士のクルト・リドルさんは、先だってのドレスデン国立歌劇場日本公演でオックス男爵を歌っておられた方ですね。録音された1977年といえばもう30年前になりますので、当時はこういった感じでキャリアを積み重ねていらした時代なのでしょう。

サロメの楽譜は本日か明日には届く予定。こちらも愉しみ。そして本番は2月3日の新国立劇場。あと三日です。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • サロメ==ヒルデガルト・ベーレンス
  • ヘロデ==カール=ワルター・ベーム
  • ヘロディアス==アグネス・バルツァ
  • ヨカナーン==ホセ・ファン・ダム
  • ナラボート==ヴィエスワ・オフマン
  • ヘロディアスの小姓==ヘデヤ・アンゲルボ
  • 第一のユダヤ人==ハインツ・ツェドニク
  • 第二の兵士==クルト・リドル
  • 録音==1977年5月、1978年5月
  • 場所==Sophiensaal, Viennna

Opera,Richard Strauss

今日もサロメの話題。シノポリさんのサロメを中心に聴いています。シノポリさんのシュトラウス作品で言うと、エレクトラとこのサロメ、それから影のない女を聴いています。シノポリさんはシュトラウス作品と相性が良いのではないか、という感想を持っていますが、このサロメでもやはり素晴らしい演奏を聴かせてくれていて、とても都会的なスマートな演奏でありながらも壮烈なサロメを聴かせてくれると思います。

サロメの楽曲で言いますと、サロメが、ヨカナーンとキスをしたいIch will deinen Mund küssen, Jochanaan.と叫ぶフレーズが印象的です。スコアがないので、耳でコピーしたんですが、まずその部分の拍子が分からず、表と裏が頻繁に塗り変わっているように聞こえてしまい、巧くとれませんでしたが、こんな感じでしょうか?

Salome1

salome_01.mid

どういう譜面になっているのか知りたくて、Amazonで譜面を注文してしまいました……。譜面が届いたら更新します。少し脱線しますが、しかし、難しいんでしょうけれど、なんとか読めるようになりたいですね。最初にシュトラウスから読み始めるのはあり得ないですね。モーツァルトあたりから入ればいいのかなあ、とおもいますし、最初は弦楽四重奏などから読んだ方が良いのかもしれません。

サロメに戻りますと、ベーム盤も持っています。ヨカナーンがディースカウさんの盤ですが、こちらも素晴らしいですね。カラヤン盤もなぜか持っておりまして、こちらは、サロメがヒルデガルト・ベーレンスさんです。こちらも今日iPodに入れましたので、聴いてみようと思っています。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==ジュゼペ・シノポリ
  • 管弦楽==ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
  • ヘロデ==ホルスト・ヒーターマン
  • ヘロデヤ==レオニー・リザネク
  • サロメ==チュリル・ステューダ
  • ヨカナーン==ブライアン・ターフェル
  • ナラボート==クレメンス・ビーバー
  • 録音日時==1990年12月
  • 録音場所==ベルリン・イエス・キリスト教会

Opera,Richard Strauss

今週末は、今度は新国立劇場の通常公演なのですが、シュトラウスの「サロメ」を聴きに行きます。ということで予習を実施中。シノポリさんのサロメです。久々に聞くサロメは新鮮で刺激的です。シノポリ盤の演奏やサロメについて思うことは明日。

新国でのサロメは二回目になります。前回はエヴァ・ヨハンソンさんのサロメでしたが、今回はナターリア・ウシャコワさんでして、美人さんですね。近年、ロシア・東欧の優秀な歌い手さんがたくさん出てきていらっしゃいますので、期待ですね。とはいえ、色眼鏡をなるべくかけずに(そうとはいえ、色眼鏡はかけているものなのですが)聞いてきたいと思います。

本日は取り急ぎ。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==ジュゼペ・シノポリ
  • 管弦楽==ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
  • ヘロデ==ホルスト・ヒーターマン
  • ヘロデヤ==レオニー・リザネク
  • サロメ==チュリル・ステューダ
  • ヨカナーン==ブライアン・ターフェル
  • ナラボート==クレメンス・ビーバー
  • 録音日時==1990年12月
  • 録音場所==ベルリン・イエス・キリスト教会

Opera,Richard Strauss

Amazon
Ariadne Auf Naxos (Sub Ac3 Dol Dts)
Ariadne Auf Naxos (Sub Ac3 Dol Dts)
  • 価格: ¥ 3,354
  • 発売日: 2008/01/08
タワーレコード
HMV
iconicon

ナクソス島のアリアドネ、今週末観に行くのですが、予習ということで、ベームが振っているDVDを購入しました。理由は、ヤノヴィッツさんのアリアドネとコロさんのバッカスを聞きたかったからです。

とりあえずは音だけ聞いているのですが、アリアドネのヤノヴィッツさんの澄み切った声でうっとりです。バッカスのコロさんは力強いのですが、ピッチが少し不安定だな、と感じました。この曲は、いつもシノポリ盤で聴いているのですが、このベーム盤はそれよりテンポが落とされた演奏です。(聴きなおしてみると冒頭部は遅いですが、ほかはシノポリ盤より極端に遅いと言うことはありませんでした)。音作りはやはりシノポリとは違っていて、重量感のある演奏に聞こえます。グルベローヴァさんのツェルビネッタも重みのある迫力あるコロラトゥーラです。映像みたらもっと楽しそうです。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==カール・ベーム
  • プリマドンナ/アリアドネ==グンドラ・ヤノヴィッツ
  • テノール/バッカス==ルネ・コロ
  • ツェルビネッタ==エディタ・グルベローヴァ
  • 作曲家==トルゥデリーゼ・シュミット
  • 音楽教師==ワルター・ベリー
  • 録音==1977年10月~11月

Classical,Richard Strauss

Amazon
取り扱いなし
タワーレコード


HMV

icon
icon

昨日から、シュトラウスの「メタモルフォーゼン」を聴いています。手元にあったケンペ指揮のドレスデン・シュターツカペレ盤をきいております。クラシックCD好きのホルン吹きニョッキさんのブログでブロムシュテット盤が紹介されていたのに触発されて、何度も何度も執拗に聞いています。難しい曲ですが、とても勉強になります。

この曲が作曲されたのは、第二次大戦末期で、ワイマールのゲーテハウス、ドレスデンのゼンパーオーパー、ミュンヘンのオーパー、ウィーンのオーパーが連合国により破壊されたことへの悲嘆と寂寥、去りゆくかつての「ドイツ」への追悼の為に書かれた曲です。ワイマールは若いシュトラウスが劇場指揮者だったところですし、ドレスデン、ミュンヘン、ウィーンがシュトラウスにとって重要な街であったことは言うまでもありません。

23人の弦楽奏者(ヴァイオリン10、ヴィオラ5、チェロ5、コントラバス3)は、弦楽合奏のような五部構成ではなく、23人がそれぞれ異なったパートとして独立して動くいており従って譜面は23段となります。

以下の譜例が主要なテーマですが、それがいつの間にか、ベートーヴェンの英雄交響曲の葬送行進曲に変化していくわけで、葬送行進曲は曲の最終部でコントラバスによって提示されますが、そこに至るまでに、以下のテーマが幾重もの波のように打ち寄せてきて、それもあらぬ方向から(あらぬ調性から)おとずれるわけで、無調的なたゆたう波間に揺すぶられる快感を感じることが出来ます。

Metamorphosen

弦楽合奏と言うこともありますので、シュトラウス「カプリッチョ」の冒頭の六重奏を思い出したり、あるいはマーラーのアダージェットを思い出したりしながら聴いていました。

ケンペ盤は少々録音に翳りが生じていて(私のiPodとクワイエット・コンフォートの特性かもしれませんが)、違和感を感じることもあるのですが、十二分に勉強することが出来ました。

  • 指揮==ルドルフ・ケンペ
  • 管弦楽==ドレスデン・シュターツカペレ
  • 録音日==記載なし
  • 録音場所==記載なし

ランキング参加中です。よろしければ応援してください。
クリック→にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ にほんブログ村 本ブログへ

Classical,Richard Strauss

Amazon
R.シュトラウス:英雄の生涯
R.シュトラウス:英雄の生涯
  • アーチスト: ブロムシュテット(ヘルベルト)
  • レーベル: コロムビアミュージックエンタテインメント
  • 価格: ¥ 1,050
  • 発売日: 2002/06/21
  • 売上ランキング: 2940
  • おすすめ度 5.0
タワーレコード
取り扱いなし

のっけから、ドレスデンサウンド。弦楽器の透き通る、それでいて湿り気のないドライな音に圧倒されました。管楽器も華麗ですね。少しずつドレスデンサウンドのことが分かってきました。

ブロムシュテットはここでも流して振ったりは当然していなくて、テンポや強弱のコントロールを掌握しています。古いドイツの純朴な英雄の生涯ではなく、現代的でスタイリッシュな英雄の生涯なのです。

このほどよい残響感は、やはりルカ教会。1984年9月の録音と言うからもう24年も前の録音です。それなのに古びていないです。1000円前後の値段でこの演奏が聴けるとは良い時代ですね。

ランキング参加中です。よろしければ応援してください。
クリック→にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ にほんブログ村 本ブログへ

Opera,Richard Strauss

Amazon
Strauss: Ariadne auf Naxos
Strauss: Ariadne auf Naxos
  • レーベル: Deutsche Grammophon
  • 価格: ¥ 4,290
  • 発売日: 2001/09/18
  • 売上ランキング: 66959
タワーレコード


シュトラウス6つめのオペラである「ナクソス島のアリアドネ」を聴いております。と言うのも、1月末に新国立劇場の中ホールで関西二期会の公演があるためです。公演情報はこちらです。

というわけで、予習をしているのですが、ベームが1954年にザルツブルク音楽祭で振ったライブ盤と、シノポリ盤の二枚を聴いてみて、やはりシノポリ盤のほうがいいなあ、と思いそちらを聴いています。ベーム盤はモノラル録音のライブということで、そもそも不利なので、致し方がないですね。

シノポリ盤は、なんといっても、オーケストラはドレスデンシュターツカペレですし、録音場所はやっぱりドレスデンルカ教会です。音が良いのですよ。

このオペラの聴きどころの一つが、ツェルビネッタのコロラトゥーラだと思うのですが、シノポリ盤のナタリー・デセイさんは素晴らしいですね。これだけピッチが安定していて曲芸的なコントロールをするのを見せられると、手放しで拍手をしたくなります。しかも声は透明で美しい。デセイさんのツェルビネッタを聴くだけでもこのCDを聴く価値はあるでしょう。デセイさんのツェルビネッタは以前テレビで放映しているの見たこともあります。ウィキペディアによるとデセイさんは、声帯の手術をうけられたりととても苦労されているようです。

後半の「アリアドネ」の部分はギリシア神話を翻案したものです。アリアドネは、英雄テセウスによってクレタ島から連れ出された王女です。テセウスはクレタ島のクノッソス宮殿の地下迷宮でミノタウロスを倒すわけですが、迷宮で迷わないように、とアリアドネがテセウスにに糸玉を渡して、テセウスのミノタウロス退治に力を貸すわけですが、テセウスと一緒にアテネへ向かう途中にナクソス島に置き去りにされてしまうわけですね。そこで、バッカス(つまりデュオニソス)と結ばれてめでたしめでたし、となるのがオペラのあらすじ。

一説にはアリアドネは悲嘆のあまりに自殺してしまうという別のストーリーもあるらしいです。なぜ、テセウスはアリアドネを置き去りにしたのか、本当によく分からなくて、バッカスがアリアドネに一目惚れしたので、置き去りにするように差配した、という説もあるそうですが、なんだかストーリー的に無理がある気がしてなりません。

他にもう一つ違うバージョンの「ナクソス島のアリアドネ」を聴きたいと思っていますが、何にしようか思案中です。


ランキング参加中です。よろしければ応援してください。
クリック→にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ にほんブログ村 本ブログへ

Classical,Gustav Mahler


Cheryl
Studer; Soprano I

Sylvia
McNair; Soprano II

Andrea
Rost; Soprano

Annne
Sofie von Otter; Alt

Rosemarie
Lancö Alt

Peter
seiffert; Tenor

Bryn
Terfel; Bariton

Jan-Hendrik
Rootering; Bass

 

Rundfunkchor
Berlin

Prager
Philharmonischer Chor

Tölzer Knabenchor

 

Berliner
Philharmoniker

Claudio
Abbado

最近いろいろな場面でマーラーの交響曲第8番にでくわします。音楽雑記帳さんでも取り上げられていて、シンクロニシティを感じたり。

この曲、人生で初めて買ったCDなんですよね。ショルティ盤でした。以来ショルティ盤がデフォルト盤として僕の中に君臨を続けていたのですが、ようやく別の盤を受け容れることができました。その第一がアバド盤でした。というわけで、アバド盤のご紹介。タワレコのウェブでは単独では販売されておらず、全集盤の画像を張りました。僕が持っているのもやはり全集盤です。

聞き慣れたショルティ盤と比べると、当然ですがアバド盤のほうがテンポは遅いわけですが、ダラダラとした遅さではありません。音の強弱、うねるようなダイナミックレンジの広さを巧く見せてくれますね。それから音の柔らかさ。どうして、こんなに柔らかいのかなあ、と思ったのですが、弦楽器の美しさ、特にヴィオラ、チェロであったり、ホルンの音も美しさなどによりますね。

法悦の教父、バリトンのブリン・ターフェルさんなのですが、ねっとりとした甘い匂いのする暖かい空気に包まれているような幸福感を覚えます。ここにはもう泣くしかありませんね。シェリル・ステューダさんも透き通った美しい声。(ばらの騎士で)聞き慣れたオッターさんの声もいいです。

マリア崇拝の博士(テノール)が、神秘の合唱のまえにJungfrau, Mutter, Königin, Göttin, bleibe gnädig!という歌詞(トラック15の2’25")があります。この曲はアルマに献呈されたわけですが、マーラーの壮大なる愛情の告白としての一面を見ることができるわけです。マーラーにとって、アルマは永遠なる若い女性であり、母であり、女王であり、女神なのです。グレートヒェンは、ファウストを救済するわけですが、マーラーもアルマに救済して欲しかった。フロイトによれば、マーラーは母親の姿をアルマに求めていた、いわゆるマザー・コンプレクスだったということも有名です。けれども、アルマにはもうそんな気はない。今風に言えば、魔性の女というところでしょうか。このギャップにそこはかとない哀れを感じ、神秘の合唱から大きな感動を引き起こすフィナーレをきくにつけ、悲しみを覚えるのです。


ランキング参加中です。よろしければ応援してください。
クリック→にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ にほんブログ村 本ブログへ

Richard Strauss

Richard Strauss: Rosenkavalier Waltzes; Burleske; Capriccio Sextet
Richard Strauss: Rosenkavalier Waltzes; Burleske; Capriccio Sextet
  • レーベル: Decca
  • 価格: ¥ 2,144
  • 発売日: 2005/06/14
  • 売上ランキング: 5610

今日は、ブロムシュッテットさんの、ばらの騎士組曲1番、2番と、カプリッチョ冒頭の六重奏を楽しむことができた。

第一幕と第二幕からワルツを集めた、Rosenkavalier Waltzの第一番の冒頭は、当然ばらの騎士のオクタヴィアンの動機とマルシャリンの動機から。ホルンの音がよいのにのっけから驚く。弦楽部も透き通り、コントラバスがよく聞こえる。ブロムシュテットさんは、きちんとテンポをコントロールしている。全権掌握。特に、冒頭から次のテーマに移るあたりやオックスのワルツでははかなり速度を落としている。あまりに遅いと失速するのではないか、と思うのだが、そう言うことは全くなく、推力を維持している。

第三幕からのワルツを集めた第二番だが、冒頭のワルツは、舞台では「特別室Extrazimmmer」の裏でBGMとして流されている設定のワルツ。転調が気持ちよくて、本当なら「××長調から○○長調への優雅な衣替え」などと言ってみたいものだが、残念ながら、そこまで良い耳は持っていない。ウィンナワルツの微妙な拍のずらしかた(二拍目を早めに)がきいていてとても気持がよい。

カプリッチョからの六重奏曲は、ゆったりとした少し遅めのテンポ。 楽譜が読めれば、きっと楽譜の音符一つ一つが浮かび上がってくるはずだが、残念ながら僕の眼前にはまどろむラ・ローシュの姿しか見えこない。きっとラ・ローシュの夢の中に誘われている、ということなのだろう。調性が短調にかわるところ、トレモロがあるのだが、遅いテンポにちゃんと追随しているのがわかる。二つめの動機に付加されている装飾音符とともに、このトレモロが白眉だな、と思う。

昨日のブロムシュテットのCDとともに、このCDは、半年間行くのを我慢していた渋谷のタワレコで買ったもの。ネットでは手に入らないものが、実店舗ではたやすく手に入ってしまうのに驚く。やはり、渋谷や新宿のタワレコに行かないとだめだな、と思った次第。もっとも、「名盤は自宅に眠る」という格言にあるとおり、買う前にきくべきCDがたくさん家にあるのだが。いずれにせよ、良い買い物をした。

ランキング参加中です。よろしければ応援してください。
クリック→にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ にほんブログ村 本ブログへ