Opera,Richard Wagner

昨日から今日にかけては、ショルティの振るワルキューレを聴いています。指環の全曲レコーディングはショルティが初めて行いました。以下のようなイメージで挙行されたのだそうです。

  1. 1958年:ラインの黄金
  2. 1962年:ジークフリート
  3. 1964年:神々のたそがれ
  4. 1965年;ヴァルキューレ

ヴァルキューレは、ジークムントの悲愴な歌声が聞けたり、ヴォータンとブリュンヒルデの惜別の場面、それからあまりに有名すぎて天の邪鬼な私にとっては少々気恥ずかしさも感じてしまうヴァルキューレの騎行が聴けたりと、何度聞いても美味しいですね。

演奏で言うと、ニルソンさんのブリュンヒルデとホッターさんのヴォータンの惜別の場面。泣かせますね。ホッターさんの丸味をおびた独特な声がブリュンヒルデを追っかけてくるところの録音効果も面白い。というか、ショルティ盤全体に言えることですが、録音を結構工夫しています。雷鳴が鳴り響いたりと、聴く人を情景の中に誘ってくれています。

ですが、やはり時代が古いと言うこともあって、録音品質は今ひとつ。音がくぐもっているイメージはぬぐいきれません。クワイエットコンフォートとiPodの組み合わせでは少々ストレスを感じる場面もあります。もっと新しい録音で指環を聴いても良いな、とも思っています。

どうしてこのショルティ盤を買ったのかというと、国内盤だけかもしれませんが、ライトモティーフの解説CDが三枚付属しているからです。これでライトモティーフの勉強をしよう、と思っていたのですが、なかなか聴けていません。

あと一日で二月も終り、今週も終りますね。個人的には最終週になって、再びお客と対立が発生したり、同僚とトラブったりと、いろいろあった一週間でした。まあ働いていればなにかしらのそう言うことは避けられないのですが、そういったインシデントに巻き込まれても、泰然として気にせず、素早く通常の精神状態に復帰することが大事だと思います。ですが、残念ながらまだ復帰しきれていないですね。今朝も朝から少々思い悩んでしまったり、仕事が気になったり……。こういうときはマルシャリンや伯爵夫人マドレーヌに慰めて欲しい所ですね。

Opera,Richard Wagner

ニーベルングの指環の予習を最近行っているのは、昨日の通りだけれど、あらすじやリブレットを読んだり、DVDを見たりして思ったのが、登場人物のうち誰に感情移入できるかなあ、ということ。

全体を通しての主人公は、緒論はあると思うけれど、ラインの黄金ではヴォータンで、ヴァルキューレでは、ジークムントとブリュンヒルデだろうか。ジークフリートでは、もちろんジークフリートで、あるいはブリュンヒルデもそうかもしれない。ラインの黄金では、主人公はジークフリートとブリュンヒルデとなるだろう。

じゃあ、誰に最も感情移入できるだろうか、と考えてみると、今のところジークムントなのである。味方を失い、父、つまりはヴォータンともはぐれてしまい、フリッカの諫言でヴォータンに見放され、ブリュンヒルデの同情を得てフンディングを倒せるも、命を落としてしまうとは。あまりに可哀想なキャラクタ。しかし、それでも男らしく振る舞う姿には涙がこぼれてしまう。ジークリンデとの禁じられた恋愛もあまりに切なすぎて、という感じ。こういう可哀想なキャラにどうしても惹かれてしまう。

しかし、本来はジークフリートが全体の主役級で、ジークフリートの英雄性に惹かれなければならないのかもしれないけれど、どうしてもジークフリートには感情移入が出来ない。

理由は二つ。一つ目はサヴァリッシュ盤のDVDの演出の先入観が強すぎること。ジークフリートはルネ・コロが演じていたのだが、なんだか図体の大きいわがまま息子みたいな演出がつけられていて、あまりに純朴で複雑な心の機微など持たないようなジークフリートだったのである。

もう一つなのだが、まだ指環ビギナーなので、この時点でこういった断定をしてしまうのが危険なことは分かっているけれど、ジークフリートは浅薄な図体だけ大きなわがまま力持ち、といった感じを受けてしまっている。魔法の薬を飲まされて、ブリュンヒルデを忘れてしまうとか、易々と背中を攻撃されて死んでしまうとか、あまりに失策が多いよなあ。

まあ、これからいろいろ演奏を聴いたり、演出を見たりしていくことになると思うのだけれど、こうした先入観が消えて、ジークフリートを正当に評価できるようになりたいものである。

でも、今はジークムントだなあ。頑張って欲しい、ジークムントには。

Opera,Richard Wagner

Siegflied

 MIDI

神々の黄昏で随所に現れるこのジークフリートの動機。雄々しくて壮烈な動機で、前提知識がなくても、ああこれがジークフリートのテーマなのだ、というのが身体にしみこんでくる。

ちなみに、映画スターウォーズのサウンドトラックの旋律と似ているなあ、などとおもったりして。有名な話だとは思うのだが、どの場面だったのかが思い出せない。iTuneで調べてみたけれど、見つからない。本当ならここでご紹介できれば良かったのだけれど。

いずれにせよ、楽しみはつきないですね。指環。

Opera,Richard Wagner

指環ビギナーにとって、「神々の黄昏」はあまりに長いので、幕毎に聴くことにしました。wikiによると、全幕で四時間半かかるとありますから。一日じゃ絶対に聴けないわけです。

ということで、まずは最終幕を聴いています。この幕には、ジークフリートの葬送行進曲がありますし、ブリュンヒルデの自己犠牲の場面もありますので、あらすじをある程度押さえておけば楽しめますね。特に葬送行進曲の部分は感動的ですね。ショルティらしい迫力のある研ぎ澄まされた演奏。

ともかく、私はまだ全体を楽しめるという境地にまでは至っていません。また楽譜を見たくなる病が出てきています。随所に聞こえる示導動機がなんなのか知りたくなってきます。ともかく、聴き倒しましょう。そしてDVDを見ることにしましょう。一年後に新国立劇場のニーベルングの指環を観に行く予定もあります。楽しみですね。

 

  • 作曲==リヒャルト・ワーグナー
  • 指揮==ゲオルグ・ショルティ
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • 合唱==ウィーン国立歌劇場合唱団
  • ジークフリート==ヴォルフガング・ヴィントガッセン
  • グンター==ディートリヒ・フィッシャー・ディースカウ
  • アルベリヒ==グスタフ・ナイトリンガー
  • ハーゲン==ゴットロープ・フリック
  • ブリュンヒルデ==ビルギット・ニルソン
  • グートルーネ==クレア・ワトソン
  • ヴァルトラウテ==クリスタ・ルートヴィヒ
  • ヴォークリンデ==ルチア・ポップ
  • フロスヒルデ==モーリン・ガイ
  • 第一のノルン==ヘレン・ワッツ
  • 第二のノルン==グレース・ホフマン
  • 第三のノルン==アニタ・ヴェルッキ

 

 

Miscellaneous,Opera,Richard Wagner

昨年、ニーベルングの指輪をDVDで見ていましたが、「ジークフリート」までで止まっていて、まだ「神々の黄昏」まで入っていません。DVDで見るとはいえ、さすがに長大な「ニーベルングの指輪」は見るためには意志力が必要。その場で理解することなんてできやしません。ですので、いつもオペラを見に行く前にやっている予習をしてから、DVDを見ようと思った次第。そういうわけで、まずは曲に慣れる、ワグナーに慣れるという意味で、ショルティの「神々の黄昏」を聴いています。しかし長いですね。なかなか進みません。ちょっと計画的に聴いていかないとなかなか歯が立たないようです。

昨日は、また小田急電鉄が主催する「のんびりハイク&ウォーク」に参加してきました。といっても、今回は山登りではなく、町歩きでした。ウォーキングとしては良かったです。ただ、町中を歩くので、森林の中を歩いて得られる清々しさはあまりなく、いつもの山行よりも帰宅してからの疲労度は激しかったです。

コースは、玉川学園前駅から、町田の市内をぐるりと歩いて鶴川駅まで歩くもの。住宅地中心とはいえ、多少はアップダウンもあり、公園の中にもコースが取られていたので、風景に飽きることもなく楽しめました。驚いたのは、玉川学園前に受付時間の20分前ぐらいに到着したのですが、既に受付には長蛇の列。団塊の世代の方々が多く、少々気後れしてしまいました。 一応10キロのコースで、標準的な速さで3時間かかるところを、最初のほうで結構飛ばしたおかげもあって、2時間強で歩き終えました。

Map

コースには町田市の中心部の薬師池公園も含まれていて、園内には池や不動尊があったりして、なかなか良い雰囲気。巨大な銀杏の木も迫力ありました。

icho

そんなこんなで、帰宅してから、異様に疲れてしまい、久々に長時間眠り込んでしまいました。おかげで今朝は早起きが出来ず。起きたのは8時前頃でした。久々に長い距離を歩いたので疲れていたのでしょう。起きてすぐに手早く準備をして近所のカフェへ。仕事をしたのですが、少々はかどりが悪い。最近は少し気が抜けている。これから気合いを入れ直して仕事に励みます。

Classical,Gustav Mahler

バーンスタインが振るマーラーの「復活」を映像で見てみる。1975年のロンドン交響楽団との演奏で、バーンスタインは暗譜でこの曲を振り切っていて、時折ジャンプしたりして、とても元気である。

昨日聴いた8番と同じく、テンポ取りが本当に妥当なものに思える。結構緩急の差がある演奏。個人的にはこれぐらいダイナミックレンジが広いぐらいのほうが好きみたい。特にテンポを遅くしている部分に感興を得るものだから、逆にテンポが「速いだけ」の演奏は苦手めなのかもしれない。フィナーレの部分も相当テンポを落としていて、発露するエネルギーがすさまじい。昔、バーンスタインの復活をエアチェックしたことを思い出す。あの時もこのフィナーレにぐさりとやられたんだよなあ。

  • 作曲==グスタフ・マーラー
  • 指揮==レナード・バーンスタイン
  • 管弦楽==ロンドン交響楽団
  • ソプラノ==シーラ・アームストロング
  • メゾソプラノ==ジャネット・ベイカー
  • 合唱==エディンバラ音楽祭合唱団
  • 録音録画==1973/9/
  • 場所==イギリス、イーリー大聖堂

ここのところオーバーワーク気味だったので、昨日は少々休憩。だが、少し後悔。やはり突っ走っているときが一番よくて、立ち止まるとなかなか再加速出来ない。肉体的な(あるいは精神的な)疲労との相談もあるけれど、やはり走っているときは立ち止まってはいけないのだな、と改めて感じた次第。

最近は、岡本かの子「生々流転」を読んでいて、これがまたとても勉強になる。太陽の光が障子戸に当たっているのを、水飴色と表現しているあたりには感激する。人物描写も巧みだしなあ。もちろん話は戦前のことだから、なおさら興味深かったりして。そうそう、「フラッパー」という言葉が出てきて調べてみると、大辞泉には「おてんば娘。また、はすっぱに振る舞う様」と定義されていて、例文が当の「生々流転」の部分で「蝶ちゃんには、なかなか「フラッパー」なところがあるんだね」と記載されているので、その偶然におどろいてしまった。

Opera,Richard Strauss

昨日からショルティの「ばらの騎士」を聴いています。Amazonよりタワレコのほうがかなり安いですね。2000円も安いです。

主要メンバの中で一番印象的なのが、オックス男爵のユングヴィルトさんで、芯のある輪郭のくっきりとした声で、オックスを歌い上げています。オックスの性格も巧く表現しています。それから、パヴァロッティのイタリア人歌手のすばらしさ。カメオ出演ですが、本当に素晴らしいですね。以前にも増してパヴァロッティの偉大さが心にしみわたりました。ショルティの指揮は虚飾を排した流れるような指揮ですが、たとえば第三幕の序奏の部分では強力な音を聞かせてくれます。こういう迫力もショルティの持ち味なのでしょう。

週末に時間のあるときに、ばらの騎士のスコアを見ながら少し聴いてみたのですが、この曲は本当に難しいのですね。二拍三連の三拍目から歌い出さないといけなかったり、どこが裏でどこが表か分からないところがあったり。オケの方々、歌手の方々を改めて尊敬する次第です。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 指揮==ゲオルク・ショルティ
  • 管弦楽==ウィーンフィルハーモニー管弦楽団
  • 元帥夫人==レジーヌ・クレスピン
  • オックス男爵==マンフレッド・ユングヴィルト
  • オクタヴィアン==イヴォンヌ・ミントン
  • ゾフィー==ヘレン・ヴィナー
  • イタリア人歌手==ルチアーノ・パヴァロッティ
  • 録音==1968/11
  • 場所==Sophiensaal, Viennna

Opera,Richard Strauss

Salome in NNTT

行って参りました。サロメ@新国立劇場。

結論。面白かったですが、初日と言うこともあって、さすがにすこしこなれない感じはしました。

ウシャコワさんは、初のサロメ役ということもあって、少し硬くなっていたでしょうか。出端は少し緊張して居たのかもしれません。にもかかわらずパワフルな歌でしたし、中盤以降は少しずつ盛り返してきたかな、と言う感じ。レパートリーとしては、ミミ、蝶々夫人、リュー、ヴィオレッタ、デスデモーナという感じですので、サロメはご本人にとっても、性格的に新たなる境地と言うところなのではないでしょうか。さすがに難しいのでしょう。

ちなみに、七つのベールの踊りも以前みたものとくらべて格段に良かったですね。さすがにオペラグラスで見るのは憚られました。オペラグラスでみていたら、下卑た男だと思われてしまいそう。それぐらい扇情的な場面もあったのでした。

ヨカナーンのヴェーグナーさんも良かったですね。ヴォータン歌いなのだそうですが、さすがの歌唱力。途中で歌詞をロストした様な気がして、聴いている方も動揺するぐらいだったのですが、その後は安定した歌唱を披露。ああいう声は西欧人しか出せないのだろうなあ、と思うぐらい。

一番良かったのがヘロデ王を歌ったヴォルフガング・シュミットさんで、ヘロデ王の神経質な性格をよく歌い出していて、しかも歌も安定していて、舞台を引き締めていたと思います。

オケは良かったと思います。こちらも出端は勢いが感じられず、少し心配になりましたが、中盤以降がよかったです。レヒナーさんの指揮はやはりテンポコントロールをしっかり取っていた演奏でしたね。

二週連続でシュトラウスのオペラを見ると言うことが出来るという僥倖に恵まれました。これは本当に感謝ですね。

次のオペラ予定は少しあいて、4月13日に新国立劇場で「魔弾の射手」を観る予定。またそろりと予習を始めようと思います。

  • 作曲==リヒャルト・シュトラウス
  • 演出==アウグスト・エファーディング
  • 指揮==トーマス・レスナー
  • 管弦楽==東京交響楽団
  • ヘロデ==ヴォルフガング・シュミット
  • ヘロディアス==小山由美
  • サロメ==ナターリア・ウシャコワ
  • ヨカナーン==ジョン・ヴェーグナー
  • ナラボート==水口聡
  • 日時==2008/02/03
  • 場所==新国立劇場大劇場

ウェルカム・フラワーは、昨週とは違うものに変わっていましたね。おしゃれすぎ。これから新国に行ったら毎回写真撮ろう!

Salome in NNTT

雪の降りしきる中の新国立劇場。

Salome in NNTT

「オペラ・パレス」とはちと言いにくいですね、さすがに。面映ゆい。

Salome in NNTT

Opera,Richard Strauss

ちなみに、楽譜も届きました。正解は以下の譜面の通り。三連符でしたか。だから、頭とか裏とか分からなかったのですね。未熟でした。しかし、言い訳を言わせて貰うと、その後、拍子が変則になって、4/4→(3/4→3/3)×3回→5/4→3/4と、一小節ごとに拍子が変わっている。変拍子です。これじゃあ全くとれなくてもやむなしだなあ。指揮者はどうやって振るんだろう? 

Salome

salome_02.mid

Opera,Richard Strauss

相変わらずサロメ漬な一日。先だって購入したシュテンメさんのアルバムに、サロメの終幕部が入っているのを思い出して早速と聞きなおしてみる。うわー、凄い。シュテンメさんの芯のある声が昂ぶるサロメを凄い迫力で表現している。もちろん酔いしれるサロメの妖しい静けさもいいです。ビブラートが少し強調されているようにも聞こえるのですが、綺麗なので問題ないです。

パッパーノさんの演奏も良いのですよ。テンポをコントロールしていて、的確に歌い回している。オケも巧いです。録音も良。iPod+クワイエットコンフォート2で聴いても大丈夫です。

聴いてみて思ったのは、実はマルシャリンよりもサロメほうがシュテンメさんらしさが出ているのではないでしょうか、ということ。だからイゾルデも良かったんだなあ、と。ライナーによれば、ジークリンデ、ゼンタなども歌っておられるようですね。ヴォイツェックのマリーも歌っているとは。聴いてみたいですね。

  • ソプラノ==ニーナ・シュテンメ
  • 指揮==アントニオ・パッパーノ
  • 管弦楽==コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
  • 録音==2006/09/01
  • 場所==Studio No.1 Abbey Road, London