Opera,Richard Strauss

まずはこちらもご覧ください。
http://shuk.s6.coreserver.jp/MSB/2007/12/2001.html


Strauss

観て参りました。ドレスデン国立歌劇場というか、ザクセン州立歌劇場の「ばらの騎士」。感動でしたね。特にばらの献呈と最後の三重唱。また涙を流しました。

3時開演で、終わったのが19時半でした。時間配分ですが、

  • 第一幕:80分
  • 休憩:30分
  • 第二幕:65分
  • 休憩:30分
  • 第一幕:60分

という感じ。長いなあ、という印象を受けました。聞いているうちになぜ長いのか分ったような。どうも聞いたことのない箇所がいくつかあるように思えたのですね。こんなフレーズあったっけ? こんな場面あったっけ? こんな歌詞あったっけ? と言ったような。これまではほとんどをカラヤン盤(新しい方)で予習をしていて、六月の新国立劇場でも九月のチューリヒ歌劇場でもこんな違和感は感じなかったのですが、今回は違和感を感じたのです。おそらく、慣例となっているカットを復活させているのではないか、と考えています。そうですよね。第一幕80分と言うことは、CD一枚に入りません。演奏のスピードも極端に遅いと言うことは全くなく、メリハリのついたものでしたので、演奏箇所が増えているとしか考えられないと思います。

それで、カラヤン盤の対訳を観てみるとやっぱり。マルシャリンが、ゾフィーに、オクタヴィアンが好きかどうかは、あなたの青白い顔を見れば分る、と言う場面、対訳にはないですね。やはりカットしてないんだと思います。そう言う意味では、これまで味わったことのない「ばらの騎士」を新鮮な気分で味わうことができてとても良かったです。

演奏の方ですが、今回はNHKホールの三階の後列、リーズナブルな価格の席で観たということで、音響的に今ひとつだった感があります。天井が近いせいなのか、音の響きがあまり感じられませんでした。これは本当に残念。それでも、弦楽器の豊かなうねりに酔ってしまうほどでした。ドレスデンの弦楽部がすばらしいことを再認識しました。

マルシャリンのシュヴァンネヴィルムスさん、オクタヴィアンのアンケ・ヴォンドゥングさん、全く違和感を感じることなく愉しませて頂きました。クルト・リドルさんは、低くて豊かな声の持ち主で、演技も表情豊か。ただ、最低音周辺が少しつぶれてしまっているような感じを受けました。ゾフィーの森麻季さん、頑張っておられました。欧州勢のキャストのなかに巧く溶け込んでいたと思います。それにしても意外なのは、森麻季さんはかなり小柄な方なのですね。まだまだ少女という感じが抜けきらないゾフィーを巧く演じておられたと思います。

指揮 ファビオ・ルイジ
演出 ウヴェ=エリック・ラウフェンベルク
管弦楽 ドレスデン・シュターツカペレ
マルシャリン アンネ・シュヴァンネヴィルムス
オックス男爵 クルト・リドル
オクタヴィアン アンケ・ヴォンドゥング
ファーニナル ハンス=ヨアヒム・ケテルセン
ゾフィー 森麻季
イタリア人歌手 ロベルト・ザッカ

明日ももう少し感想を書くかも知れませんが、今日のところはこのあたりで。

Richard Strauss

rudolf2006さんの葉っぱに埃がついたので水をかけて払ってやったでちブログさんで、シュトラウスのカプリッチョが取り上げておられたので、私もクラウス盤のCDを聴き始めました。

Strauss: Capriccio
Strauss: Capriccio

posted with amazlet on 07.09.14
Hans Braun Hans Hotter Karl Schmitt-Walter Richard Strauss Clemens Krauss Hertha Töpper Bavarian Radio Symphony Orchestra Viorica Ursuleac Rudolf Schock
Walhall
Die Gräfin Viorica Ursuleac
Der Graf Karl Schmitt-Walter
Flamand Rudolf Schock
Olivier Hans Braun
La Roche Hans Hotter
Clairon Hertha Töpper

録音は1953年で、モノラル録音ですが、気になるほど悪い音質というわけではありません。ハンス・ホッターさんの歌声を意識して聞いてみると、本当に個性的な声をしておられるのがよく分かりました。ウィキペディアには、ホッターさんがカプリッチョの初演に出演したとあります。そう言えば、ショルティのリングもiPodに入れたのでした。ハンス・ホッターさんが歌っておられると言うことなので、明日にでも聞いてみたいと思います。ウルズレアクさんの伯爵夫人のモノローグでは、柔らかく華やかな声質を愉しむことが出来ます。

月光の音楽から伯爵夫人のモノローグ、ソネットのところ、もう何度聞いたことでしょうか。rudolf2006さんもたくさんご紹介されておられましたが、私が聞いたのは、ヤノヴィッツさん、フレミングさん、シントウさん、シュヴァルツコップさん、そして今回のウルズレアクさんのバージョンですね。フレミングさんは、CDとテレビで見ましたので、全部で6バージョンです。甲乙付けがたいですが、一番たくさん聞いているのはヤノヴィッツさんのようです。iTuneの「トップ25」のカウントによると、ヤノヴィッツさんの月光の音楽を48回聞いたことになっています。まだまだ聞くと思います。


明日は遅刻せずに書けると良いのですが、最近少々忙しくて、帰宅してからパソコンに向かうのがとても辛いのです。早起きして書くことにしています。最近は早起きが流行っているらしく、関連した本もたくさん出ているようです。早起き自体は良いことなのですが、朝に起きなければならないほど会社員の負担が大きくなっているということなのかな、とも思うと少し憂鬱な気分になります。いろいろと考えなければならないことは多そうですね。

Richard Strauss

Strauss
それにしても何度聞いても飽きない曲というものはあるのですね。
昼休みに疲れていて、何も出来なくて、机の上でヤノヴィッツさんが歌う伯爵夫人のモノローグをリブレットを見ながら聞いていたのですが、不覚にも涙ぐんでしまいました。ヤノヴィッツさんの声はとても透き通っていてエッジがある声ですね。フレミングさんやシュヴァルツコップさんとは違う伯爵夫人なのですが、おそらく、僕はヤノヴィッツさんの声が好きだと思います。

Capriccio Capriccio
(2005/09/13)
Richard Strauss、 他
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秋が近づいてきたと言うこともあって、だんだん寂々とした空気に包まれるようになってきました。昔は秋がとても好きでしたが、このところ秋になると体調を崩すことが多いので、今年は大丈夫かな、と気にしているところです。


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Richard Strauss

「バラの騎士」の夢―リヒャルト・シュトラウスとオペラの変容 「バラの騎士」の夢―リヒャルト・シュトラウスとオペラの変容
(1997/09)
岡田 暁生

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今日、この本を入手。先だってから気になっているばらの騎士の動機のことを検証したくて買いました。そしたら、あらら、オクタヴィアンの動機はこれですって。

 Rosen2

序奏の冒頭のホルンですね。そう言われればそうかも。ということは、続く旋律はマルシャリンですね。

 Rosen3

なるほど。なるほど。ホルンがオクタヴィアンで、弦楽器がマルシャリンなのですね。いろいろな解釈が出来そうです。

Richard Strauss

Strauss

「ばらの騎士」にはいろいろな美しい動機が含まれているのですが、とても印象的なこの動機は何を表わしているのでしょう?
Rosen_1

この動機は、序奏部にも登場しますが、目立ったところでは、冒頭部分、オクタヴィアンがマルシャリンとの幸福な関係を歌いあげるところ、以下の歌詞と共に登場します。

Selig bin ich, dass ich der Einzige bin, der weiss, wie du bist !
(あなたがどんなに素晴らしいのかを知っているのが)僕一人だと言うことはとても嬉しいのです。

ここではオクタヴィアンが自分のことを歌うときにこの動機が使われています。

それから、第一幕の終わりでオックス男爵達を追い払う場面で、以下の歌詞をつけて荘重に歌われます。

Doch sei Er sicher: den Grafen Octavian bitt’ ich Ihm auf,
でもご心配には及びません。オクタヴィアン伯爵によく頼んでおきましょう

ということで、このモティーフはオクタヴィアンの動機ではないか、とにらんでいるのですが、いかがでしょうか。

さしあたり思いつくのはこの二箇所での使用です。他にも見つかれば良いのですけれど。

Richard Strauss

Strauss
前回に続き、チューリッヒ歌劇場の「ばらの騎士」です。
演出のことについて書いてみたいと思います。
僕は3階Lの1列1番という席でしたので、舞台の左側は全く見えませんでした。
ともあれ、モダンで無国籍な演出だったと思います。
第一幕と第三幕は大まかなセットは同じで、舞台の奥が大きなガラス窓とガラスドアになっています。壁には鳥の飾り物が幾つも掛かっています。衣装は本当に無国籍な雰囲気で、マルシャリンとオクタヴィアンの寝間着姿は普通の欧州風、オクタヴィアンが女装をすると、ターバンを巻いていてインド風。召使い達も白い服にターバンでインド風。イタリア人歌手は箱の中から登場するのですが、中国風の衣装をつけていて、機械仕掛けの人形歌手のようなイメージ。ホフマン物語のオランピアみたいでした。
第二幕はファニナル家なのですが、なぜか地下の厨房が舞台になっている。ファニナルはオーナーシェフのような高い料理帽被っている。ゾフィーはシュニッツェルを作っているのですよ! ポークステーキに丁度よさげな本物の肉を、肉たたきで叩いて、小麦粉と卵黄をくぐらせて、パン粉を付けている。本物ですよ、あれは。舞台の左側の調理台では、青緑の粘土のようなものを切り刻んでミンチにしている。おそらくはジャガイモのミンチからクヌーデルを作っているところと見ました。
第三幕は第一幕と同じセットなのですが、中央にテントが張られている。その中が特別室という感じですね。オックス男爵とオクタヴィアン(マリアデルに扮装しているのですが)が食事をしているのですが、骸骨人間が出てきて、オックス男爵を脅かしている感じ。特別室に出入りするウェイター達は虫をモティーフにした変装をしています。第三幕はしっくり来る演出でした。

Richard Strauss

Strauss
見て参りましたですよ、「ばらの騎士」@オーチャードホール。
いやあ、凄かったですね。

指揮 フランツ・ウェルザー=メスト
演出 スヴェン=エリック・ベヒトルフ
管弦楽 チューリッヒ歌劇場管弦楽団
マルシャリン ニーナ・シュテンメ
オックス男爵 アレフレッド・ムフ
オクタヴィアン ヴェッセリーナ・カサロヴァ
ファーニナル ロルフ・ハウンシュタイン
ゾフィー マリン・ハルテリウス
イタリア人歌手 ピョートル・ベチャーラ

まず、オケが強力に聞こえました。僕らは三回の一番舞台よりのところに座っていたので、オケピットのすぐ上だったこともあって、オケの音がとてもよく聞こえたというのもあるかもしれませんが、とにかく凄いダイナミックレンジでした。特に第三幕の三重唱の部分、凄かったですね。オックス男爵のワルツ、ウェルザー=メストさんはかなりスピードを落として演奏していました。失速寸前だが、全く失速することはなく、それでいてきちんとノリを維持していて、洒脱な感じを表現していましたね。

歌手の皆さんの中で一番印象的だったのはゾフィー役のマリン・ハルテリウスさんですね。音程はもちろん安定しているし声量も問題ない。高音域はクリスタルグラスを鳴らしたような目の覚める美しさ。バラの献呈の二重唱のところでまずは滂沱。第三幕、マルシャリン、オクタヴィアン、ゾフィーが三人になって難しい場面になるところの歌い方も素晴らしい。

マルシャリンのニーナ・シュテンメさんも、第一幕の歌い出しのところでもうグっと来てしまう。凄いなあ。オクタヴィアンのヴェッサリーナ・カサロヴァはメゾ・ソプラノなのですが、ある意味男らしさを持って歌っていらしたように思います。

それにしても、女装するオクタヴィアンというのは不思議ですね。女性歌手が男性役をやり、その男性役が女性として振る舞う、とは本当に面白い仕掛けを考えたものだと思いますし、オクタヴィアンの歌い手さんはその滑稽ともいえる演技を完璧にこなしていらっしゃる方が多いですね。

それから、サブタイトルの訳の仕方が面白かったです。第三幕でオックスをはめた部分、歌詞だとfalschだったのですが、それをジョークと訳したりしてましたね。

「ばらの騎士」は、これで公演を三回、DVDを一回、CDを二枚で体験したことになります。

  1. カラヤン盤CD(新)
  2. 二期会公演
  3. クライバー盤DVD
  4. カラヤン盤CD(旧)
  5. 新国立劇場
  6. チューリッヒ歌劇場

どれが一番、とかはないのですが、涙を流した量が一番多かったのは5.の新国立劇場でした。

次の「ばらの騎士」は11月23日のドレスデン国立歌劇場公演です。こちらも愉しみ。

明日も、この公演については少し書いてみたいと思います。

Richard Strauss

R.シュトラウス:ばらの騎士 R.シュトラウス:ばらの騎士
(1997/04/09)
トモワ=シントウ(アンナ)、ウィーン国立歌劇場合唱団 他

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いよいよ、今週末の日曜日、チューリヒ歌劇場のばらの騎士を観に行きます。指揮はウェルザー=メストさん。場所はオーチャードホール、14時開演です。

公式サイトはこちら

ですので、今日からばらの騎士をよく聴き込んで、体調を整えて、当日に備えたいと思います。

ついでと言っては何ですが、9月2日から文化村で「ヴェネツィア絵画のきらめき」が開催されます。こちらも合わせて観に行くことにしました。カナレットやティツィアーノやヴェロネーゼが見られるというのですから、行かないわけにはいきません。ルネサンス中盤から後期にかけてのヴェネツィアの爛熟した文化の薫香にあたることができそうです。

公式サイトはこちら

Richard Strauss

Richard Strauss: Four Last Songs; Brentano-Lieder; Orchesterlieder Richard Strauss: Four Last Songs; Brentano-Lieder; Orchesterlieder
(1994/09/06)
Richard Strauss、 他

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今日は、ルチア・ポップさんの最後の四つの歌を聴いています。ポップさん、本当に美しい声です。高く鋭く孤高な美しさ。アンナプルナ、っていう山のことをなぜか思い出しました。鋭角な峰は誰をも寄せ付けない孤高の美しさに漲っているわけですが、そんな山を麓から眺めている気分。手に届くこと決してない美的形象。本当に何もかも捨てても良いぐらいに美しい。
ポップさんといえば、僕の中ではサヴァリッシュ盤の「インテルメッツォ」で華麗に、陽気に歌っている方だったのですが、最後の四つの歌を聴いて印象が少し変わりました。華麗で陽気なだけではなく、静謐で深みのある歌い手さんでもあるのでした。


ようやくと気分も晴れ始めました。今朝の驟雨は凄い勢いでしたが、お昼にはすっかりやんで、太陽の光が地面に照りつけている。そんな中いつもの森に入ったのですが、降雨後ということもあって、本当に涼やか。セミがあたりを激しく飛び交う中(本当に激しいんですよ。何度となくぶつかりそうになりましたから)、30分弱ぐらい歩くことが出来ました。

昼休みは、今週から日課になった、哲学史の本を読んで、大学時代の記憶を少しずつ取り戻す試みに。今日はプラトンを読んで、アリストテレスに入ったところ。トマス・アクィナスの存在論で躓いたので、古代に戻ったのです。アリストテレスの認識論とトマスの認識論の相似に少しびっくり。

明日はまた暑くなるようですね。残暑厳しい折、と言う感じです。

Richard Strauss

シュトラウス・ヒロイン シュトラウス・ヒロイン
(2006/05/24)
フレミング(ルネ)、グラハム(スーザン) 他

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フレミング/シュトラウス・ヒロイン というアルバムを聴いています。フレミングさんが歌うシュトラウスの初体験は、BSで放映された「カプリッチョ」ですが、歌も演技も最高でした。それで、フレミングさんに目覚めたわけです。このCDには、「ばらの騎士」、「アラベラ」、「カプリッチョ」の聴き所が収められています。

とりあえず、大好きな「カプリッチョ」を聴いてみました。指揮はエッシェンバッハさんなのですが、いつも聴いているベーム盤やサヴァリッシュ盤より相当遅いテンポ。月光の音楽はたっぷりと、水がゆったりと溢れていくような感じです。月光の音楽以降を聴いただけで、もうお腹一杯ですね。ばらの騎士の終幕のところもいいですね。フレミングさんの声は、芯のしっかりした力強い声です。


今日は暑かったですが、お昼休みに森の散歩を愉しみました。さすがに暑いので、いつもの半分程度で切り上げましたが。

それにしてもセミの鳴き声がだんだん秋日が付いてきた気がします。ミンミンゼミやツクツクボウシの声が聞こえ始めると、もう夏は終わりと言った風情。気温は暑いですが、大気は既に秋を内包している。その気配が見え始めると、途端に落ち込むことが多いのです。うら寂しい秋が訪れるわけですからね。15年ほど前は秋ほど好きな季節はなかったのですが、ある時から、秋が苦手になった気分。涼しくなるのは良いのですが、日も短くなるし、葉が色づき、散り始めるのをみると、本当に哀しくなりますね。今年の秋を無事に乗り切ることが出来るでしょうか??