Richard Strauss

Strauss
それにしても何度聞いても飽きない曲というものはあるのですね。
昼休みに疲れていて、何も出来なくて、机の上でヤノヴィッツさんが歌う伯爵夫人のモノローグをリブレットを見ながら聞いていたのですが、不覚にも涙ぐんでしまいました。ヤノヴィッツさんの声はとても透き通っていてエッジがある声ですね。フレミングさんやシュヴァルツコップさんとは違う伯爵夫人なのですが、おそらく、僕はヤノヴィッツさんの声が好きだと思います。

Capriccio Capriccio
(2005/09/13)
Richard Strauss、 他
商品詳細を見る

秋が近づいてきたと言うこともあって、だんだん寂々とした空気に包まれるようになってきました。昔は秋がとても好きでしたが、このところ秋になると体調を崩すことが多いので、今年は大丈夫かな、と気にしているところです。


ランキング参加中です。よろしければ応援してください。
クリック→にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ にほんブログ村 本ブログへ

Richard Strauss

「バラの騎士」の夢―リヒャルト・シュトラウスとオペラの変容 「バラの騎士」の夢―リヒャルト・シュトラウスとオペラの変容
(1997/09)
岡田 暁生

商品詳細を見る

今日、この本を入手。先だってから気になっているばらの騎士の動機のことを検証したくて買いました。そしたら、あらら、オクタヴィアンの動機はこれですって。

 Rosen2

序奏の冒頭のホルンですね。そう言われればそうかも。ということは、続く旋律はマルシャリンですね。

 Rosen3

なるほど。なるほど。ホルンがオクタヴィアンで、弦楽器がマルシャリンなのですね。いろいろな解釈が出来そうです。

Richard Strauss

Strauss

「ばらの騎士」にはいろいろな美しい動機が含まれているのですが、とても印象的なこの動機は何を表わしているのでしょう?
Rosen_1

この動機は、序奏部にも登場しますが、目立ったところでは、冒頭部分、オクタヴィアンがマルシャリンとの幸福な関係を歌いあげるところ、以下の歌詞と共に登場します。

Selig bin ich, dass ich der Einzige bin, der weiss, wie du bist !
(あなたがどんなに素晴らしいのかを知っているのが)僕一人だと言うことはとても嬉しいのです。

ここではオクタヴィアンが自分のことを歌うときにこの動機が使われています。

それから、第一幕の終わりでオックス男爵達を追い払う場面で、以下の歌詞をつけて荘重に歌われます。

Doch sei Er sicher: den Grafen Octavian bitt’ ich Ihm auf,
でもご心配には及びません。オクタヴィアン伯爵によく頼んでおきましょう

ということで、このモティーフはオクタヴィアンの動機ではないか、とにらんでいるのですが、いかがでしょうか。

さしあたり思いつくのはこの二箇所での使用です。他にも見つかれば良いのですけれど。

Richard Strauss

Strauss
前回に続き、チューリッヒ歌劇場の「ばらの騎士」です。
演出のことについて書いてみたいと思います。
僕は3階Lの1列1番という席でしたので、舞台の左側は全く見えませんでした。
ともあれ、モダンで無国籍な演出だったと思います。
第一幕と第三幕は大まかなセットは同じで、舞台の奥が大きなガラス窓とガラスドアになっています。壁には鳥の飾り物が幾つも掛かっています。衣装は本当に無国籍な雰囲気で、マルシャリンとオクタヴィアンの寝間着姿は普通の欧州風、オクタヴィアンが女装をすると、ターバンを巻いていてインド風。召使い達も白い服にターバンでインド風。イタリア人歌手は箱の中から登場するのですが、中国風の衣装をつけていて、機械仕掛けの人形歌手のようなイメージ。ホフマン物語のオランピアみたいでした。
第二幕はファニナル家なのですが、なぜか地下の厨房が舞台になっている。ファニナルはオーナーシェフのような高い料理帽被っている。ゾフィーはシュニッツェルを作っているのですよ! ポークステーキに丁度よさげな本物の肉を、肉たたきで叩いて、小麦粉と卵黄をくぐらせて、パン粉を付けている。本物ですよ、あれは。舞台の左側の調理台では、青緑の粘土のようなものを切り刻んでミンチにしている。おそらくはジャガイモのミンチからクヌーデルを作っているところと見ました。
第三幕は第一幕と同じセットなのですが、中央にテントが張られている。その中が特別室という感じですね。オックス男爵とオクタヴィアン(マリアデルに扮装しているのですが)が食事をしているのですが、骸骨人間が出てきて、オックス男爵を脅かしている感じ。特別室に出入りするウェイター達は虫をモティーフにした変装をしています。第三幕はしっくり来る演出でした。

Richard Strauss

Strauss
見て参りましたですよ、「ばらの騎士」@オーチャードホール。
いやあ、凄かったですね。

指揮 フランツ・ウェルザー=メスト
演出 スヴェン=エリック・ベヒトルフ
管弦楽 チューリッヒ歌劇場管弦楽団
マルシャリン ニーナ・シュテンメ
オックス男爵 アレフレッド・ムフ
オクタヴィアン ヴェッセリーナ・カサロヴァ
ファーニナル ロルフ・ハウンシュタイン
ゾフィー マリン・ハルテリウス
イタリア人歌手 ピョートル・ベチャーラ

まず、オケが強力に聞こえました。僕らは三回の一番舞台よりのところに座っていたので、オケピットのすぐ上だったこともあって、オケの音がとてもよく聞こえたというのもあるかもしれませんが、とにかく凄いダイナミックレンジでした。特に第三幕の三重唱の部分、凄かったですね。オックス男爵のワルツ、ウェルザー=メストさんはかなりスピードを落として演奏していました。失速寸前だが、全く失速することはなく、それでいてきちんとノリを維持していて、洒脱な感じを表現していましたね。

歌手の皆さんの中で一番印象的だったのはゾフィー役のマリン・ハルテリウスさんですね。音程はもちろん安定しているし声量も問題ない。高音域はクリスタルグラスを鳴らしたような目の覚める美しさ。バラの献呈の二重唱のところでまずは滂沱。第三幕、マルシャリン、オクタヴィアン、ゾフィーが三人になって難しい場面になるところの歌い方も素晴らしい。

マルシャリンのニーナ・シュテンメさんも、第一幕の歌い出しのところでもうグっと来てしまう。凄いなあ。オクタヴィアンのヴェッサリーナ・カサロヴァはメゾ・ソプラノなのですが、ある意味男らしさを持って歌っていらしたように思います。

それにしても、女装するオクタヴィアンというのは不思議ですね。女性歌手が男性役をやり、その男性役が女性として振る舞う、とは本当に面白い仕掛けを考えたものだと思いますし、オクタヴィアンの歌い手さんはその滑稽ともいえる演技を完璧にこなしていらっしゃる方が多いですね。

それから、サブタイトルの訳の仕方が面白かったです。第三幕でオックスをはめた部分、歌詞だとfalschだったのですが、それをジョークと訳したりしてましたね。

「ばらの騎士」は、これで公演を三回、DVDを一回、CDを二枚で体験したことになります。

  1. カラヤン盤CD(新)
  2. 二期会公演
  3. クライバー盤DVD
  4. カラヤン盤CD(旧)
  5. 新国立劇場
  6. チューリッヒ歌劇場

どれが一番、とかはないのですが、涙を流した量が一番多かったのは5.の新国立劇場でした。

次の「ばらの騎士」は11月23日のドレスデン国立歌劇場公演です。こちらも愉しみ。

明日も、この公演については少し書いてみたいと思います。

Richard Strauss

R.シュトラウス:ばらの騎士 R.シュトラウス:ばらの騎士
(1997/04/09)
トモワ=シントウ(アンナ)、ウィーン国立歌劇場合唱団 他

商品詳細を見る

いよいよ、今週末の日曜日、チューリヒ歌劇場のばらの騎士を観に行きます。指揮はウェルザー=メストさん。場所はオーチャードホール、14時開演です。

公式サイトはこちら

ですので、今日からばらの騎士をよく聴き込んで、体調を整えて、当日に備えたいと思います。

ついでと言っては何ですが、9月2日から文化村で「ヴェネツィア絵画のきらめき」が開催されます。こちらも合わせて観に行くことにしました。カナレットやティツィアーノやヴェロネーゼが見られるというのですから、行かないわけにはいきません。ルネサンス中盤から後期にかけてのヴェネツィアの爛熟した文化の薫香にあたることができそうです。

公式サイトはこちら

Richard Strauss

Richard Strauss: Four Last Songs; Brentano-Lieder; Orchesterlieder Richard Strauss: Four Last Songs; Brentano-Lieder; Orchesterlieder
(1994/09/06)
Richard Strauss、 他

商品詳細を見る

今日は、ルチア・ポップさんの最後の四つの歌を聴いています。ポップさん、本当に美しい声です。高く鋭く孤高な美しさ。アンナプルナ、っていう山のことをなぜか思い出しました。鋭角な峰は誰をも寄せ付けない孤高の美しさに漲っているわけですが、そんな山を麓から眺めている気分。手に届くこと決してない美的形象。本当に何もかも捨てても良いぐらいに美しい。
ポップさんといえば、僕の中ではサヴァリッシュ盤の「インテルメッツォ」で華麗に、陽気に歌っている方だったのですが、最後の四つの歌を聴いて印象が少し変わりました。華麗で陽気なだけではなく、静謐で深みのある歌い手さんでもあるのでした。


ようやくと気分も晴れ始めました。今朝の驟雨は凄い勢いでしたが、お昼にはすっかりやんで、太陽の光が地面に照りつけている。そんな中いつもの森に入ったのですが、降雨後ということもあって、本当に涼やか。セミがあたりを激しく飛び交う中(本当に激しいんですよ。何度となくぶつかりそうになりましたから)、30分弱ぐらい歩くことが出来ました。

昼休みは、今週から日課になった、哲学史の本を読んで、大学時代の記憶を少しずつ取り戻す試みに。今日はプラトンを読んで、アリストテレスに入ったところ。トマス・アクィナスの存在論で躓いたので、古代に戻ったのです。アリストテレスの認識論とトマスの認識論の相似に少しびっくり。

明日はまた暑くなるようですね。残暑厳しい折、と言う感じです。

Richard Strauss

シュトラウス・ヒロイン シュトラウス・ヒロイン
(2006/05/24)
フレミング(ルネ)、グラハム(スーザン) 他

商品詳細を見る

フレミング/シュトラウス・ヒロイン というアルバムを聴いています。フレミングさんが歌うシュトラウスの初体験は、BSで放映された「カプリッチョ」ですが、歌も演技も最高でした。それで、フレミングさんに目覚めたわけです。このCDには、「ばらの騎士」、「アラベラ」、「カプリッチョ」の聴き所が収められています。

とりあえず、大好きな「カプリッチョ」を聴いてみました。指揮はエッシェンバッハさんなのですが、いつも聴いているベーム盤やサヴァリッシュ盤より相当遅いテンポ。月光の音楽はたっぷりと、水がゆったりと溢れていくような感じです。月光の音楽以降を聴いただけで、もうお腹一杯ですね。ばらの騎士の終幕のところもいいですね。フレミングさんの声は、芯のしっかりした力強い声です。


今日は暑かったですが、お昼休みに森の散歩を愉しみました。さすがに暑いので、いつもの半分程度で切り上げましたが。

それにしてもセミの鳴き声がだんだん秋日が付いてきた気がします。ミンミンゼミやツクツクボウシの声が聞こえ始めると、もう夏は終わりと言った風情。気温は暑いですが、大気は既に秋を内包している。その気配が見え始めると、途端に落ち込むことが多いのです。うら寂しい秋が訪れるわけですからね。15年ほど前は秋ほど好きな季節はなかったのですが、ある時から、秋が苦手になった気分。涼しくなるのは良いのですが、日も短くなるし、葉が色づき、散り始めるのをみると、本当に哀しくなりますね。今年の秋を無事に乗り切ることが出来るでしょうか??

Gustav Mahler

マーラー:交響曲第6番イ短調《悲劇的》アバド、ルツェルン祝祭管弦楽団 マーラー:交響曲第6番イ短調《悲劇的》アバド、ルツェルン祝祭管弦楽団
アバド(クラウディオ)、 他 (2007/07/25)
ジェネオン エンタテインメント

この商品の詳細を見る

昨日の成果(あるいは意欲の結果)のひとつが、このアバドがルツェルン祝祭管弦楽団を2006年8月に振ったマーラー交響曲第6番のライブ映像のDVD。

この数ヶ月マーラーを聴き直しているのですが、その中でも昔と比べて僕の中で格段に重さを増しているのがこの6番なのです。そういうわけで、ブーレーズ盤やアバド盤を聴いているわけです。それで、タワーレコードでこの曲のDVDが流れているのを見て、即大人買いしました(これもか、という感じですが……)。

まだ全曲を見たわけではありませんが、第一楽章を聴いた印象。冒頭の気合いの入り方、特にコントラバスのパルスがすごいなあ、と。そしてアルマのテーマのところ、綺麗ですね、カンタービレっていうのはこういうことを言うのでしょうか。ヴァイオリンの音量、あるいはボウイングとでも言うのでしょうか、歌わせ方がとても巧い。

それから映像で見ると、アバドさんの指揮棒の振り方って、こんなに大きかったかなあ、と思いました。

ルツェルン祝祭管弦楽団はマーラーユーゲントオーケストラが母体で、そこにベルリンフィルの主席級の方々などが加わっているらしい。「復活」をやったときには、エマニュエル・パユもいたのですが、今回はいない。でも、ビオラのヴォルフラム・クリスト氏も参加されていますし、クラリネットのザビーネ・マイヤーさんもいらっしゃる(マイヤーさんはベルリンフィルではないですが)。ベルリンフィルに造詣の深い方ならもっと指摘できるに違いないだろうけれど、そこまで顔と名前が一致していないのでご勘弁下さい。とはいえ現代のスーパーオケであることには変わりないのですが。

そうそう、有名なハンマーを叩くシーンを観ましたよ。すごく大きな金槌で板を叩いている。6番はCDでしかきいたことがなかったので、びっくりしました。

それから、驚いたことに、今までのCDでは二番目に演奏されたスケルツォが三番目に持ってこられている。確か、マーラー自身も第二楽章と第三楽章の位置を入れ替えたりしているので、そのあたりを勘案してアバドさんも入れ替えていると思いますが、こちらもちょっとびっくり。


今日は7時過ぎに起床して、9時前にはいつものカフェに到着。PCの充電が不十分でしたが、なんとか12時までは仕事をすることができました。帰宅してからは急な来客があるということで、少々部屋の片づけなどを。お客様が帰られたのが16時頃。空は文字通り雲一つなく、空気も澄んでいる感じでした。

近くの見晴らしの良い場所から都心方面を眺めたりしていたのですが今まで気づかなかったのが不思議なくらいよく見える。オペラシティとか都庁が地平線(?)から頭を出しているのが見えてちょっとした感動。ここから見えるなんて本当に知らなかったですから。新鮮な気分でした。

それから少々午睡。食事をとって明日の準備などをしているともうこんな時間になってしまったという感じ。今日は午前中は良かったですが、午後以降は少々エンジンの出力が落ちた感じ。今週も暑そうですがガンバリます。

Gustav Mahler

マーラー : 交響曲第6番イ短調 「悲劇的」 マーラー : 交響曲第6番イ短調 「悲劇的」
シカゴ交響楽団 (1994/04/22)
ユニバーサルクラシック

この商品の詳細を見る

この一ヶ月ほどで、最も好きな曲達の仲間入りを果たしているマーラーの交響曲第6番ですが、今日はショルティ盤を聞いてみました。のっけから切れ味のある鋭い演奏。スネアドラムのキレがとても良いです。雄々しさをも感じます。だから、美しいアルマのテーマもどこか力強さを感じさせます。アルマ・マーラーの奥底まで見透かしたような演奏。シカゴ交響楽団は本当に巧いですね。もちろん、シカゴの管が巧いという先入観があるから、というのもあるのでしょうけれど、ホルンのフレージングとかいともたやすく吹いているように聞こえるのですが、本当はとても難しいのだろうなあ、と思います。いろいろと意見はあるみたいなのですが、僕個人としてはショルティのマーラーはそんなに嫌いではないな、とおもいました。今日も気づけばマーラーを聞いていました、という感じです。


今朝は5時半に起きました。この一ヶ月のなかでは一番早起きかも知れません。少し疲れていましたが、少々仕事を。途中で脱線しましたが、8時に朝食をとるまではなんとか続けられました。朝食はシリアルにレーズンを入れてミルクを注いだもの。こういう朝食はとても大好きです。

食べながらNHKの「小さな旅」を見たのですが、祐天寺界隈が取り上げられていました。その中でも感銘を受けたのが、祐天寺で戦後からパン屋を経営しているおじいさんの話。昔ながらの形をした、あのグローブのような形のクリームパンを丁寧に丁寧にラップに包んでいるのです。その真摯で優しい姿をみて感涙。途中から見たので文脈が分らないのですが、パン屋はなぜか午前1時に開店するのですが、その時点でパン屋の前には長蛇の列。しかも若者が多い。シャッターを開けるおじいさん。若者達はおそらくは深夜まで仕事をしたり遊んだりして祐天寺に帰ってきたのでしょうが、その彼らが、夜食や翌日の食事にとパンをどんどん買っていく。やはりおじいさんの人柄に惹かれて買っているということもあるでしょうし、パンももちろんおいしいのでしょう。祐天寺近くに住んでいたら絶対に買いに行きたいなあ、と強く思ったのでした。

日本もいろいろ世知辛くなっていますが、こういうあたたかい話もまだ残っているんだ、と思うと、幸せな気分になりました。きっと、あのパンを食べている人も、いろいろ大変な世の中なかで、必死に生きているのだとおもうのですが、パンを食べてひとときの幸せを感じて、おじいさんからもパンからも生きる力をもらっているのでしょうね。久々にいい話を観て良かったです。最近、ニュースを見たり聞いたりすると憂鬱になるので、あまりニュースを見ないようにしてますし、新聞も読まない感じなのですが、こういうテレビ番組でしたら何度でも観たいな、と思いました。

今日は何とか日内に更新できました。先週はいろいろあって一日遅れで何とか書きつないでいるという感じでしたが、週末休めたおかげで何とか書けた感じです。明日からの一週間も仕事的にいろいろありそうですが、更新して行ければいいな、と思っています。


ランキング参加中です。よろしければ応援してください。
クリック→にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ にほんブログ村 本ブログへ