コレッリとパンテオン

今日も暑い一日です。毎日会社近くの林を散歩するのが日課なのですが、この暑さではかえって体力を消耗します。いつもの半分ぐらいで切り上げて帰ってくるのですが、それでも暑い。席に戻って30分たってもまだ暑い。ありゃ、オフィスも28.9度ですって。いくらエコとはいえ、そのまえにこちらがエンコしてしまいそうです。

さて、今日もいろいろ聞いています。ヴォツェックを朝から聞き始めたのですが、どうにも深みにはまり込んでいくような感じで、いったん中止。コレッリのヴァイオリンソナタ集を聴き始めて少々気分が落ち着きました。

コレッリ(1653-1713)はローマで活躍したバロックの作曲家で、バッハにも影響を及ぼしているのですが、今は何処に眠るのかと申しますと、パンテオンに葬られているのですね。

パンテオンはもともとは紀元前25年にローマ皇帝アウグストゥスの腹心の部下アグリッパによって建てられるのですが、いったん火災で焼失し、紀元128年にハドリアヌス帝にて再建された建物です。どうして破壊を免れたのかというと、そもそもは万神殿というふうに、ローマの神々の為の神殿だったわけですが(アウグストゥスの墓として建てられたという説もあるそうです)、キリスト教がローマの国教となるに及んで、キリスト教の教会として利用されることになったからだそうです。さもなくば、フォロ・ロマーノのような廃墟になるところでした(フォロ・ロマーノについてはまた触れたいと思います)。

中に入ると、天井の採光穴からの光がぼんやりと内部を照らしています。

観光客の群れに身を任せながら、ラファエロの墓を発見。

ひときわ目立つ巨大な棺は、イタリア統一を成し遂げたサルディニア王家のヴィットリオ・エマヌエーレ二世のもの。

ですが、お目当てのコレッリの墓が見つからない。入り口の気のよさそうな髭面の若者にたずねてみると(イタリア語はしゃべれませんのでカタコト英語でですが)、場所を教えてくれましたので、言ってみると、ありましたよ、コレッリの墓碑が。

それにしても、コレッリの音楽は慈愛深くて、聞いていて落ち着きます。帰りの電車もずっとコレッリ。ちょいと仕事でいろいろあったもので、結構慰めてもらいました。演奏は、Monica Huggettのヴァイオリン。透き通ったバロック初期の音楽です。