週末ライヴ──行人

ちと、いろいろあって、更新できずじまい。いかんですね。

本日は、東京フィルハーモニー交響楽団のオーチャード定期演奏会に行ってきます。指揮者はペーター・シュナイダー氏。氏の演奏に触れるのは三回目になります。1度目は2006年に発作的に訪れたドレスデンでみた「カプリッツィオ」。2度目は圧倒的パフォーマンスで涙が止まらなかった新国立劇場の「ばらの騎士」。否が応でも期待は高まります。モーツァルトの「ジュピター」、「ばらの騎士組曲」、「7つのベールの踊り」from「サロメ」。うーむ、楽しみです。

夏目漱石の「行人」、通勤電車で貪るように読んでいまして、こんなに面白かったっけ? みたいな感じで、驚いています。記憶から失われている部分ばかり。 漱石の心情描写は、説明的な部分と描写的な部分と分けられるのですが、説明的な部分がものすごくいいのです。ちょっとした挙措から、語り手の二郎が相手の心情を推し量っていったり、あるいは二郎の心情が虹色のようにどんどん展開していくのが面白いのです。

女性観も面白くて、坊ちゃんとか三四郎でもそうだったと思うのですが、女性がやはりどうにも強い感じで、唸ってしまう。おそらくあの時代にしてみれば、今よりももっと衝撃は強いのだと思いますが。「男はいざとなるとからきし駄目なのよ」みたいな台詞にしゅんとする感じ。