Music

私の一年前の最後の演奏写真。後輩の結婚式の二次会で吹いたところ。また、そろりと吹きたくなってきた。

http://www.nhk.or.jp/schola/

この四月から始まったNHKの音楽番組「schola 坂本龍一 音楽の学校」。バッハ以降の西洋音楽の発展を語る番組です。

番組の概要

番組は、「鼎談」、「ワークショップ」、「演奏」の三つから成立している。「鼎談」の部分では、坂本龍一がホスト役で話をするんだが、ゲストの浅田彰が蘊蓄を披露するのがなんだか懐かしい。それからもう一人のゲスト岡田暁生氏の本は、最近読み始めているので、なんだか親近感がある感じ。

まあ、この三回の放送では、バッハの音楽を西洋音楽システムが確立されたという前提に立って、フレーズの使い回しの方法とか、通奏低音について語ったりしている。まあ、単声音楽から、一度(ド)と五度(ソ)のポリフォニーを経て、三度(ミ)が導入され、和声が成立する。これがオケゲムなんかの時代。以降バッハが平均律を確立し、あのクラヴィア集を作った、というあたり。ここで述べ立てるほどでもないですけれど。

ワークショップ

で、一番面白いのが「ワークショップ」。

中三から高三ぐらいの若者の音楽やっている方々が出てくる。楽器も様々で、ヴァイリン、フルート、エレクトーン、エレキギター、ピアノ、三線、などなど。

で、この若者が、バッハのフレーズを使ってアレンジしてみたり、通奏低音に合わせて曲を作ったりするんですよ。

たとえば、「主よ人の望みの喜びよ」のメインテーマが、バッハの音楽の至る所で使われているのだが、それを、若者なりにアレンジしてみたりする。エレキギターの男の子は、坂本龍一に「コード入れてごらん」とかアドバイスされて、ディストーションをかけてフレージングしてみせたりする。エレクトーンの男の子は、フュージョン的というかポップス的というか、かなりシンコペーションのかかった、まあありがちだけど格好いいアレンジにまとめ上げてしまう。あれを15歳で瞬間的に作ってしまうあたりが凄い。

で、もっとすごかったのが、お寺の名前のような名字を持った女の子。この子だけ、テーマをマイナーキーで演奏してみせて、坂本龍一と岡田暁生が、驚き喜ぶんですね。いやあ、良いセンスしてます。

自分との関係

それで、でも、このプロセスって、僕が高三から浪人を経て大学の頃にやってたことに似ているなあ、と。当時はジャズ理論なんか知らんわけで(いまもよくわかりませんが)、ともかく最初にキーを捕まえて、使える音と使えない音を覚えて、後ろでなっているコードを意識しながらフレーズを作っていくという作業を、毎日毎日やっておりました。だから、キーの感覚はかなり磨かれたんだと思う。この番組のワークショップでやっていることも、僕も今ならできるなあ、と思った。でも、斬新なことはできないだろうけれど。

坂本龍一のすごいところ

通奏低音に併せてフレーズを作るところで、坂本龍一も「じゃあ、僕も」みたいな感じで、やってみるんだけれど、これは私には理解できない難しさだった。24個のキーの世界+ある程度のテンション世界で生きてきた僕にしてみれば、全く何やっているのかわかりませんでした。悔しいのう。無調なんだけれど、方法論まで説明できない。悔しすぎる。

ちょっとだけ

とはいえ、やっぱり僕ぐらいだと少し物足りなさもあるなあ、という気もする。西洋音楽史をある程度押さえていたり、音楽理論を少しばかりかじっている方には、解説はすこし簡便かなという気もする。でも、一緒に見ていたカミさんは何言っているのかわからなかいらしい。ということは、聴取者の的を絞り切れていないということかしら。でも「ワークショップ」が最高に面白いからいいんです。

貴重な

この番組、凄く面白い番組であることには間違いないし、音楽理論を取り上げるという意味においては、少なくとも僕にとってはこれまで記憶にない番組ですので凄く貴重です。

私の大好きな「 名曲探偵アマデウス 」が楽曲の成立史を掘り下げていて、音楽理論についても、玉川大学の野本先生が解説してくださいますが、番組の性格上どうしても楽曲中心の説明になります。音楽理論を体系的に説明するという意味合いのものではありません。

音楽理論に触れる場としては、昔は「音楽芸術」という雑誌があったんですが10年ぐらい前に永遠休刊となってしまいましたし、その後長木誠司さんが作られた「 エクスムジカ 」も残念ながら終わってしまいましたし。

まだ三回しか放送していないから、これからどうなるか凄く楽しみ。

というわけで、この番組は、以下の時間帯に放送中です。是非ご覧になってみてください。

  • 教育:毎週土曜 午後11時45分~
  • BS2:毎週火曜 午後4時30分~
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