女王は誰? 

先日から、いまさらのように観ていた、ウィーン国立歌劇場の芸術総監督であるイオアン・ホレンダー氏のフェアウェル・ガラですが、昨日ようやく見終わりました。いやあ、本当に面白かったです。
後半のハイライトは、ネトレプコが歌うマスネの「マノン」からのアリアである「私が女王様のように路を行けば」。
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宝石の歌~アンナ・ネトレプコ/ ヤング・オペラ・ヒロイン
ネトレプコ(アンナ) ウィーン国立歌劇場合唱団
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私は、「マノン」を通しで聞いたことはありませんでしたが、この曲は知っていました。「若さの特権を行使しよう。人生の一度の二十歳なのだから」という、なんだか今から思うと、ほろ苦い感覚もある歌詞ですが、まあそれはそれはネトレプコの巧さはすごいです。もっとも、映像つきなので、ネトレプコの美貌にだまされているのかもしれませんが。ネトレプコは少々太ったのではないかと思います。子供も生まれたようですし。
この曲、後ろで歌っている男声合唱が効果的です。だらしないマノン信奉者たちがマノンに媚びへつらっているという図式が見て取れるのですから。同じ男性としてはすこし情けない気分にもなりますけれど。
そういえば、2004年の夏に浜松まで出かけてネトレプコを聴きに行ったことがありました。小澤征爾音楽塾で、ネトレプコはムゼッタを歌っていましたのですね。当時は、深く憂いを帯びた声がすばらしいと思いましたが、ムゼッタのワルツだけじゃ物足りなかったです。あのころに比べると、今は比べ物にならないぐらいの世界的名声を勝ち得ています。実演に触れるためにはいまや一万円札が何枚も必要になりそうです。
今、iPodに入っているる歌曲アルバムを全曲聴く、というプロジェクトを進めていますが、プティボンが「マノン」の同じアリアを歌っている音源も聴きました。

フレンチ・タッチ
フレンチ・タッチ

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プティボン(パトリシア) リヨン国立歌劇場合唱団
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ネトレプコがあでやかな美しさ、ある種健康的な美しさであるのに対して、プティボンは、凄みのある美しさで、近づいたものを焼き尽くすような力を感じました。魔性の女的な。いや、魔性の女以上。こういうのを悪女というのか、という感じです。

Vocal

Posted by Shushi