きらめく金管──新国立劇場「蝶々夫人」
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はじめに
もう昨日のことになりました。
新国立劇場「蝶々夫人」。
このプロダクションを見るのは、2005年、2007年、2009年と二年おきで、今回が四回目です。すこしばかり、同じものを見過ぎているのかもしれません。逆に、だからこそいろいろ思うところがあるのかも。
秀逸な演出!
しかしながら、いつもながら驚くのは、最後の蝶々夫人自害の場面です。あそこで、セットがスーッと奥へ引っ込むのですね。蝶々夫人が死ぬ間際、気が遠くなり意識を失うのが視覚的に表現されているのです。照明も最高明度にあがります。そうか、ここをもっとも重要視しているんだな、というところ。
h3. 指揮者のイヴ・アベル
今回の公演では、イヴ・アベルの指揮が良かったと思います。この最後の場面でも相でしたが、金管、特にトランペットの輝きがいつもにも増して感じられました。
鋭利な刃物のようにグサリグサリと刺されるような鋭い響きで、その都度、どきりとしたのですが、最後の場面は、なんだか本当に自分の胸に刃が突き刺さったかと思うぐらいで、衝撃的でした。
全体のサウンドの印象は鮮烈さ、と言うところだと考えます。素晴らしかった。
歌唱陣
蝶々夫人を歌ったグリャコヴァ。声めちゃいい! ただ、少し歌が不安定なのが少し。。。
シャープレスの甲斐 栄次郎さん、すごく良かったです! 日本人離れした深いバリトンは、もっとも役柄にはまっていました。安定しているし。ウィーンで張っていることだけでも凄いというのに。
私の記憶では、2003年にウィーンで甲斐さんがシュレミールを歌っていたはず(当時の資料、探したが出てこない…)。幸いなことに、私はウィーンで実演を聴いています。信じられない話。マイバブルな時。
過去の公演の思い出
四回の公演で言うと、やはり2007年が忘れられません。若杉さんがタクトをとられた公演でしたが、あのときは、プッチーニのオーケストレーションが体に染み渡る感覚で、対旋律が現れるたびに感動して涙が止まらなかったのを覚えています。operaを観て感涙する快感はあのときの公演ではじめて覚えたものです。ジャコミーニのピンカートンも素晴らしかったなあ。
* “2009年の記事":https://museum.projectmnh.com/2009/01/19231915.php
* “2007年の感想その1":https://museum.projectmnh.com/2007/03/31205000.php
* “2007年の感想その2":https://museum.projectmnh.com/2007/04/01232825.php
* “2005年の感想":http://ms.projectmnh.com/2005/07/12232552.html
これで、私の2010年/2011年シーズンは終わりました。
次は、ウェブラジオで夏の音楽祭をウォッチしないと!
ディスカッション
いつもコメントありがとうございます。これからブログにお邪魔します。私もdezireさんのように長い記事を書きたいのですが、遅筆なのがネックです。
こんにちは。時々訪問させていただき、記事を楽しみに拝見しています。「蝶々夫人」の生の舞台はしばらく見ていなかったので、興味深く読ませていただきました。久しぶりに「蝶々夫人」を生で鑑賞したくなりました。
「コジ・ファン・トゥツテ」についても書かれておられますが、モーツアルトのオペラの中でも好きな作品なので、興味を持って読ませていただきました。。私も鑑賞しましたので、感想を書いてみました。モーツアルトとベートーヴェンの音楽の違いについても触れてみましたので、是非読んでみてください。
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他にも色々な話題について書いていますので、ご興味があったら覗いてください。