悪夢の世界──「バベルの図書館」
ボルヘスの「伝奇集」。このなかから「バベルの図書館」を読みました。
吐き気というかめまいというか。
無限の図書館に収められた知識の集合ですか。もう気が遠くなる悪夢の世界です。
もっとも、これは悪夢の世界ではなく現実の世界なのですが。大量に増幅拡散する多様な情報と価値観が統御不能になったイメージ。
このブログもそうした膨張する情報の一つなわけで心苦しさもありますが、もはやそれをまとめるものなどなく、エントロピーが大きくなるように、世界は崩壊していく。もっとも、その崩壊は人間にとってであって、全体認識が可能な主体=神のようなものがあるとすれば、それも統御された法則の中名のかもしれない、などと。
現代は「バベルの図書館」はネット上に展開しています。パブリックなものもあればプライベート(とされている)ものもあります。だれも全貌は掴み得ない。それでいいのですが、想像すらできないそうした情報は、おそらくはGoogleが機械的に整理しているのでしょうが、ヒタヒタと水位を上げ、いつか氾濫する大河のような不気味さをたたえています。
そうした過程を冷徹にとらえているものと、と読んでしまいました。
我が家の本も統御不能かも、などと。なんとかしないと。。
それでは、みなさまおやすみなさい。
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