久々に背教者ユリアヌスを手に取りました。冒頭の霧のなかから城が立ち上がっていく風景がたまらなく素晴らしいです。
時おりそうした白い流れが薄れて、思わぬ近さに、奇妙に黒ずんだ尖塔や、胸壁をつらねた建物の一部が浮びあがることもあったが、それさえ瞬時に搔き消されて、また茫々と白い霧の流れがあたりを濃く包んでいった。
この文章を読んで思うのは、宮崎駿監督も、やはりこの文章を読んでいて、天空の城ラピュタで、雲のなかから姿を表すラピュタの城砦のシーンに影響を及ぼしていたのではないか、ということです。
実際には、辻邦生が、イスタンブールで体験した風景が下敷きだったはずです。まさに、物語の舞台、コンスタンティノープル。
そういう意味で、一度は行ってみたいですね、イスタンブール。
それでは。
