Jazz


Don't Try This at Home
Don’t Try This at Home

posted with amazlet on 07.01.20
Michael Brecker
Mca (1996/09/24)
売り上げランキング: 15460

マイケル・ブレッカー二作目のソロアルバムであるDon’t try this at homeを聴きました。印象的なカバージャケットでは、マイケル・ブレッカーがテナーサックスを人差し指だけで支えています。それは、マイケルがテナーサックスのテクニックを完全に掌中に収めたことを雄弁に物語っています。
1曲目Itsbynne ReelがEWIのトリッキーな音色で始まったり、5曲目のDon’t Try This At Homeで、テナーとEWIのユニゾンが聴かれたりするなど、先進的なアプローチも見られますが、概して内省的な色合いを基調としているといえるでしょう。大好きなアルバムの一つです。
2曲目のChime Thisのインプロヴァイズはマイケルらしいフレーズに満ちています。4曲目のSusponeは循環形式の曲。マイケルのアウト気味の循環アプローチを聴くことが出来ます。6曲目のEverything Happens When You’re goneは静かに心に残る曲。内省的なテナーサックスの独奏イントロ部から叙情的なメインテーマへ。低音域から高音域にかけてのまるで星がちりばめられたようなテナーサックスの音。マイケル・ブレッカーが彼岸へ旅立ってから全てが始まるとでもいうのでしょうか。それはあまりに悲しくやるせないではないですか……。物語性をおびた7曲目のTalking to Myselfも必聴です。

Jazz


Smokin' in the Pit
Smokin’ in the Pit

posted with amazlet on 07.01.17
Steps Ahead
NYC (1999/08/10)
売り上げランキング: 2564

ステップスのアルバムには、マイケル・ブレッカーを始め、スティーヴ・ガッドやエディ・ゴメス、マイク・マイニエリ、ドン・グロルニックなど著名なミュージシャンが参加しています。大学時代に耳にタコができるほど聴いたアルバムの一つです。
数年ぶりにCDをAACに落としてiPodで聴いて涙。そして、最大の泣き場所は、Young and Fine。数年ぶりに聴いたけれど、懐かしいというか何というか。この曲のマイケル・ブレッカーのインプロヴァイズは覚えたよなあ……。サークルの先輩と飲みながら一緒に歌ったこともあったなあ……。
今聴いてもやっぱり覚えています。ああ、このブレッカー・フレーズ、音階を漸的に上げていって、最後にガッドと共に最高の境地に達するあの瞬間。ゴメスの超速パッセージ。時よ止まれ!なにもかも懐かしい!
僕もこの曲をバンドでやったことがありましたが(個人的には完敗でしたが……)、そうした思い出とも重なって、甘みとも苦みとも言えない、複雑な思いの中に沈んでいくのでした。


久々にジャケットを開くと、若いマイケル・ブレッカーの写真が載っている。本当にYoungでFineなブレッカーを聴くと悲しみがつのっていくばかりです。

Jazz

マイケル・ブレッカー マイケル・ブレッカー
マイケル・ブレッカー (1999/10/20)
ユニバーサルクラシック
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Don't Try This at Home
Don’t Try This at Home

posted with amazlet on 07.01.14
Michael Brecker
Mca (1996/09/24)
売り上げランキング: 161987

僕が最も敬愛するジャズミュージシャンであるマイケル・ブレッカー氏(Michael Brecker)が亡くなられました。57歳でした。
http://www.usatoday.com/life/people/
2007-01-13-brecker-sax_x.htm?POE=LIFISVA
ひどくショックを受けています。
数年前から白血病にかかり、闘病生活を送られていたのですが、ドナーが見つからず、娘さんから移植を受けていた、ということは知っていたのですが、よもや亡くなってしまうとは…。57歳ですからね…。若すぎます。
マイケル・ブレッカー氏のことをはじめて知ったのは1991年頃だったと思います。高校生の時分でした。AKAI社のEWIという楽器の使い手である氏のことを、ジャズライフ誌の記事で知ったのが始まりでした。Now You See Itというアルバムが初めてのマイケル・ブレッカー体験でした。
大学時代は、マイケル・ブレッカー氏名義のアルバムはもちろん、参加アルバムを聴き漁りました。サックス吹きとしては、ついぞ真似することすら出来ませんでしたが……。
社会人になってからも、ジャズと言えばブレッカー氏参加アルバムしか聴いていませんでした。
次に来日したら、聴きに行こう、と家人と話をしていたのですが、それも叶わぬ夢となってしまいました。
得も言われぬ喪失感です。この喪失感は1999年にも味わいましたが、またもやという感じです。ブレッカー氏には80歳になってもサックス吹いていてほしかったし、またクールで熱いインプロヴァイズを聴かせてほしかった。最近のアルバムではストレート・アヘッドなジャズを聴かせてくれていたのですが、もう一度フュージョンなブレッカー氏を聴きたかった。
これはもうしばらく元気を出すことが出来ないですね……。