- バッハ:マタイ受難曲
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- アーチスト: クレンペラー(オットー)
- レーベル: EMIミュージック・ジャパン
- 価格: ¥ 3,990 (5% OFF)
- 発売日: 2002/03/06
- 売上ランキング: 1910
- おすすめ度
先だって、コンサートに行ったとき、隣に座った初老の男性に声をかけられた。よくお話を伺ってみると、その方はかつて某交響楽団付属の合唱団で歌っておられたそうだ。今日の曲目にバッハの「ヨハネ受難曲」のなかから選ばれた曲がありますね、と話を振ってみると、マタイ受難曲がお好きな風。でも、マタイは少し長いので聞くのにもなかなか躊躇してしまって、ついついヨハネを聞いてしまうんですよ、と言うと、男性は、やっぱりマタイですよ、とおっしゃる。
というわけで、今日はマタイ受難曲を聴いてみる。演奏は、ロ短調ミサ曲を振ったオットー・クレンペラー。演奏は重厚で、ピリオド楽器隆盛な今となっては古風な演奏家もしれないけれど、僕はこういう重い演奏は嫌いではない。むしろ好きなぐらい。リヒター盤も持っているけれど、いざ聴くとなると今日はクレンペラーを選んでしまった。僕にとってバッハ演奏で最大の衝撃だったのは、クレンペラーのミサ曲ロ短調の冒頭なので。
ディースカウさん、シュヴァルツコップさん、ゲッダさん、ルートヴィヒさん、といった高名な声楽家を揃えたレコーディングはやはり圧倒的。マタイのことを語るほど僕は聞き込んでいないから、何を書けばいいのか分からないけれど、とにかうディースカウさん、若いです。でも、円熟期へ至る道筋が見える。若くてもやはりディースカウさんはディースカウさんの個性を持っておられる。
今週はバッハを聴く機会が多かった。というのも、森麻季さんが出演されたドレスデン室内管弦楽団のコンサートに出掛けたから。曲目がバロック以前のものが多かったと言うこともあり、すこしバロック的なオンタイムな音楽を聴こう、と思ったのだった。このコンサートのことについてはまた後日ご報告したいと思う。
それにしても、幾ばくかの愁いはあるとしても、こうして静かな休日の午後にバッハを聴くという贅沢は、身に余る贅沢に思えて仕方がない。これこそ感謝しなくてはならないことなのだなあ、と思ったりしている。