Opera,Richard Wagner

Hagen

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ハーゲン、とても気になる存在です。グンターの異父弟にして、アルベリヒの息子。奸智にたけた男。そんな男がもし現代に生まれたらどうなっただろう?

企業組織の立場から言うと、絶対に必要な人物でしょうね。もしハーゲンが企業の中に収まることができたとしたら、間違いなく権力を持って出世していくはず。ある種の目的に向かっては手段を選ばず、それが仮に善意に悖るものであったとしても平気でこなしていく。こういうある種の狡賢さがなければ、企業組織で生きていくことは難しいでしょうね。今の世の中においてなら、ハーゲンは間違いなく命脈を保てる。そして「指環」(に相当するもの)もきちんと手に入れるのでしょう。

ですが、そうした時代も少しずつ変わってくるのかもしれません。コンプライアンスな世の中になりつつありますから。まあ、お互いたたき合っている世の中とも言えますけれど。

ハーゲンの動機はレヴァイン盤(図書館から借りてきた)のライナーに載っていたものを載せてみましたが、この旋律が変形して、ジークフリートを呼ぶ不気味な「Haiho!」という呼びかけが加わると途端に背筋が寒くなります。それに応えるジークフリートの純朴さ。あまりに純朴すぎて、だいじょうぶかな、とやきもきしたり、歯がゆさを感じたり……。

そんなことを思いながら、今日は神々の黄昏を聴き続けておりました。