新国立劇場「コジ・ファントゥッテ」! その1

はじめに

いやはや、もう、本当に楽しい3時間半でした。新国立劇場「コジ・ファン・トゥッテ」。一緒に行ったカミさんも喜んでいたようです。

コジのストーリーはオリジナルなものからみると、少しく無理があったり、なんだか都合が良すぎて、どうもなあ、と思うこともありましたが、今日の演出での読み替えを見ると、リアルにありそうな話しに思えます。少し軽薄とも言える若者文化の中にあっては、こういうこともあるんじゃないかなあ、と思います。

キャンプ場!

ミキエレットの演出とファンティン美術によって初台に現れたキャンプ場のセットは、周りに首都高やオペラシティがあることをしばし忘れさせ、若い日の何かしらのキャンプやら臨海学校なんかの記憶を思い出させてくれました。

特に第二幕のキャンプファイヤーの場面。曲調がまさにキャンプファイヤー的で、幼き日のことを思い出しました。ああいう場面は、確かに若者にとってはドキドキ感がありますね。あの感覚が良く伝わって来ました。

徴兵される部分も、ヨーロッパならあり得るなあ、と思いました。海軍のフリゲート艦の模型を使うあたり、「オランダ人」の演出みたいでしたが面白かったですし。あの模型、第二幕では、アルフォンソのレセプションの奥の本棚に飾ってありました。

神は細部に宿る

本当に細部まで緻密に練り込まれた舞台美術で、草の生え方とか、階段の隙間から草が生えていたりとか、もう至る所に仕掛けがたくさんで、目がくらむようでした。神は細部に宿る、ってこういうことを言うんでしょうね。

先日も書いたように、コカコーラの缶や、毒薬の設定の食器洗剤、生ビールベンダー、バーベキューセットなど、小道具のほとんどはイタリアから調達したようです。

あとは、テレビではサッカーが放送されてましたね。ポラロイドカメラ、今日は写真が出てこなかったようで、事務所の中から写真を持って来たりしていました。あの写真、結婚証明になっているのです。

やはり、こだわりを持って、細かいところまでしっかりとやるのが芸術的仕事です。割り切りを強いられる現実の仕事とは大違い。私もそういう仕事をしてみたい。

音楽面は明日書きます。

参考 これまでの関連記事

新国立劇場オペラトーク「コジ・ファン・トゥッテ」その1
新国立劇場オペラトーク「コジ・ファン・トゥッテ」その2
新国立劇場オペラトーク「コジ・ファン・トゥッテ」その3
【短信】「コジ・ファン・トゥッテ」の舞台美術に行ってきました!
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「コジ・ファン・トゥッテ」のチケットはこちらから。公演は残り二回。まだ間に合いますよ → チケットぴあ
舞台写真 は “こちら":http://www.nntt.jac.go.jp/opera/20000154_frecord.html