エーリヒ・クライバーの《ばらの騎士》1954年録音
我が家からの眺め。雲が美しい季節になりました。冬の透き通った空もいいですが、雲があったほうが光はよく楽しめますね。
わけあって、エーリッヒ・クライバーを聴いています。
今日聞いているのは《ばらの騎士》です。
- 元帥府人:マリア・ライニング
- オックス男爵:ルートヴィヒ・ウェーバー
- オクタヴィアン:セーナ・ユリナッチ
- ファニナル:アルフレッド・ポエル
- ゾフィー:ヒルデ・グエーデン
- 指揮:エーリッヒ・クライバー
- 管弦楽:ウィーンフィル
1954年7月 ウィーン楽友協会大ホール モノラル
モノラルではありますが、音質は良質です。
エーリッヒ・クライバー
エーリッヒ・クライバーは1890年にウィーンで生まれた生粋のウィーンっ子です。それが故だと思いますが、ウィンナ・ワルツを好んだとか。
20代前半から、クライバーはヘッセン=ダルムシュタット大公国の首都であるダルムシュタットの宮廷劇場の第三指揮者に就任します。ここで下積み時代を送るのですが、初見で《ばらの騎士》の総稽古(ゲネプロと思われる!)やってしまったそうです。25歳の時のことです。
その後、リヒャルト・シュトラウスは、クライバーを「《ばらの騎士》を初見で振った男」と喜んで紹介したそうです。実際には、一晩でスコアを研究して、ゲネプロをやり遂げ賞賛された、という説もあるようですが、快挙であることには変わりないです。
御存知の通り、エーリッヒは、あのカルロス・クライバーのお父上です。
演奏
エーリヒ・クライバーの指揮はシャープで、陰影に富んだものです。テンポの微細なコントロールで旋律の意味を炙りだしてますね。
特に素晴らしいところ、第一幕の最後の元帥夫人のモノローグでの心情表現は絶妙です。心の動きを鮮やかに際立たせるダイナミズムが素晴らしいのです。
第二幕前半のオクタヴィアンとゾフィーのダイアローグも立派。若い二人が盛り上がっていく躍動感がいい感じ。変に重くならず、優雅に盛り上がりますね。
特筆すべきは第二幕最終部のウィナーワルツ。ここまでウィナーワルツらしいウィナーワルツは聴いたことがありません。とにかくゆったりとして、切れがあります。
エーリヒ・クライバーは、好んでヨハン・シュトラウスを演奏したようですし、オペレッタを重要視していた時代もあったようです。そういう文脈から察すると、これが本格的なウィナーワルツということになるのでしょう。
追伸
今日から仕事以外では禁酒します。つまり家のみやめます。この一年毎晩かかさずのんでましたので、それをやめるということ。理由はいろいろ。どうもアルコール処理能力が落ちたようで、翌日辛いので、というのが一番大きな理由です。
さて、どこまで続くか。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません