レリスも思いを馳せる音楽愛好家と音楽家との間の溝
本当に素敵な本です。「オペラティック」。
いろんな切り口でオペラのことを語っています・
でも、ワーグナーには辛口です。やはり、《ニュルンベルクのマイスタージンガー》や《ローエングリン》などにみられるドイツ国粋主義に嫌気がさしているみたいです。
で、やはり、レリスも、音楽愛好家と音楽家との間の溝に苦しんでいるようで、音楽家でない人間がオペラについて何かを書くということを「ずうずうしい」あるいは「おめでたい」というふうに自虐的に書いています。
まあ、そうなんでしょうね。音楽と語ることは、全く位相の違うものなのですから。そして、音楽を演奏しない者にとって、音楽を演奏するということは、ほとんど秘儀に近いものに見えるのですから。
で、やはりこういう時に思い出してしまうのは、小澤征爾が村上春樹に語ったこととか、岩城宏之が、音楽愛好家を忌避していたエピソードとかですかね。
もっとも、レリスはその後、美学に関心をもつ文学者が何かしらのことを書けば音楽家にとっても有用かもしれない、と書いています。
そうした交感がないと行けない、ということなのでしょう。各々仕事があり、その仕事を全力でやる。仕事の内容は壁を超えてお互いを感化することもある、ということでしょうか。
ではグーテナハトです。
P.S. ISISの件、今夜が山です。無事を祈っています。
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