欧州と中東のせめぎ合い?──日曜討論より
昨日に続き、雲の文様を。世界は不思議です。
今日の午前中に見た日曜討論、実に興味深い内容でした。
私が印象に残ったのは、池内恵さんが言っていた、多くのイスラム教徒は違うにせよ、その教義のの中にジハード主義がある以上、ISのような勢力の成立根拠になる、という議論の後に、司会の方がさらっと「それはイスラム社会における問題点ですね」と総括してしまった場面でした。
それがイスラム社会の中だけにとどまらなくなっているのが、今回の問題なのではないか、と思ったのですが、さらっとかわされたか、あるいは、あえて司会の方がそう総括したのかどちらかだなあ、と思いました。
議論の主だったものは、やはり、中東諸国の経済的苦境や、それが理由で欧州に移住してみたものの、そこでもやはり失業状態にとどまらざるをえないという状況が、社会への反抗心を生み出し、若い人々を駆り立てるのだろう、というものでした。
また、あのフランスのテロの犯人とされている人たちは、そのほとんどが軽犯罪などで刑務所に収監された履歴があるということも衝撃的でした。どうやら、刑務所においてはイスラム教徒が多いということで、雑居房で過激な思想に触れて、刑期を終えて社会に復帰した時には、過激な思想を持ったまま行動に走る、という背景があるようです。
この議論は、まさにミシェル・フーコーが言っていたとされる、刑務所というものが、犯罪を生み出す装置である、という議論などにつながるものだ、と思い、背筋が凍る思いがしました。
まずは、世界が経済的安定に向かうよう、政治、軍事、民生の各部門が知恵を出さなければ、ということのようです。
世界はどんどん変わっています。
番組の中で言われていたのは、キリスト教社会とイスラム教社会のせめぎ合いというものは、これまで1000年以上にわたって続けられていたわけですが、そのバランスが動いているのではないか、という指摘でした。そう思えても不思議ではない時代だと思います。
今日はこちら。何かブラームズづいています。先日も少し書きましたが、どうもブラームスが古き欧州を体現しているような気がして、懐古的な気分で聞いています。
こちら、Apple Musicはもちろん、先日始まったAmazon Prime Musicでも聞くことができるようです。みなさまも是非。
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それではみなさま、おやすみなさい。
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