Tsuji Kunio

辻邦生全集の目録(私家版)です。

sq 巻数 内容 リンク
1 第一巻(小説1) 廻廊にて vol.1
2 夏の砦
3 安土往還記
4 第二巻(小説2) 異国から vol.2
5 城・夜
6 北の岬
7 第三巻(小説3) 天草の雅歌 vol.3
8 嵯峨野明月記
9 第四巻(小説4) 背教者ユリアヌス vol.4
10 第五巻(小説5) ある生涯の七つの場所1〜3 vol.5
11 第六巻(小説6) ある生涯の七つの場所4〜5 vol.6
12 第七巻(小説7) ある生涯の七つの場所6〜7 vol.7
13 第八巻(小説8) 眞畫の海への旅 vol.8
14 秋の朝 光のなかで
15 十二の肖像画による十二の物語
16 十二の風景画への十二の旅
17 第九巻(小説9) 春の戴冠・上 vol.98
18 第十巻(小説10) 春の戴冠・下 vol.10
19 第十一巻(小説11) フーシェ革命暦? vol.11
20 第十二巻(小説12) フーシェ革命暦?・? vol.12
21 第十三巻(小説13) 銀杏散りやまず vol.13
22 睡蓮の午後
23 第十四巻(小説14) 西行花伝 vol.14
24 第十五巻(評論) 小説への序章 vol.15
25 森有正 感覚のめざすもの
26 トーマス・マン
27 薔薇の沈黙 リルケ論の試み
28 第十六巻(エッセイ1) のちの思いに 他、自伝的エッセイ vol.16
29 第十七巻(エッセイ2) 美しい夏の行方 他、旅のエッセイ vol.17
30 第十八巻(エッセイ3) 手紙、栞を添えて 他、読書をめぐるエッセイ vol.18
31 第十九巻(エッセイ4) 美術と映画をめぐるエッセイ vol.19
32 第二十巻 アルバム・書誌・年譜・雑纂 vol.20

やはり、残念ながら全著作の収録とは行かなかったようだ。目立ったところでは、朝日新聞から出版されていた「樹の声 海の声」や「雲の宴」、毎日新聞から出版されていた「時の扉」、「光の大地」などが収録されない。「江戸切絵図貼交屏風」、「楽興の時 十二章」、「夜ひらく」、「天使の鼓笛隊」、「ユリアと魔法の都」、「黄金の時刻の滴り」なども収録されず。私が注目していた「我等の渇いた河」も収録されない模様。特に「時の扉」や「光の大地」は現代を舞台にした作品ながら実にユニークで興味深い作品であると思っていただけに、残念である。

カタログによれば「著作のうち小説、評論、エッセイを精選」と書かれているわけで、全作品の網羅はそもそも目的ではないということ。非情に残念であるが、膨大な著作を前にすればやむをえないだろう。

個人的には、所有していない「森有正 感覚のめざすもの」が収録されるということで、こちらが楽しみである。また二十巻の内容も期待できる。

Classical

フォーレ:管弦楽曲集第1集(ペレアスとメリザンド/他全12曲) フォーレ:管弦楽曲集第1集(ペレアスとメリザンド/他全12曲)
シュターデ(フレデリカ・フォン)、アリックス・ボーカル・アンサンブル 他 (1999/12/08)
東芝EMI

この商品の詳細を見る

フォーレの管弦楽曲集をまとまって聞くことができます。
フォーレの場合、室内楽曲も有名だと思うのですが、僕はまだその良さを完全に理解するまでに聞きこんでいません。また「レクイエム」やミサ曲群もフォーレの代表作なのですが、今回は愛聴している管弦楽曲を取り上げたいと思うのです。
管弦楽曲の代表作と言えば「ペレアスとメリザンド」が有名なのですが、このCDを聴いて知ることになった「マスクとベルガマスク」を取り上げたいのです。特に第8曲「パヴァーヌ」の静謐な美しさたるや、聴く者を陶酔ないしは酩酊へと誘うことは間違いないでしょう。波ひとつ立たない水盤に映し出される白亜のバロック建築と蒼い空を独りで静かに眺め入っているような感じです。

Miscellaneous

つとに高機能なGoogleパーソラナイズドホームですが、実に心休まるコンテンツを見つけました。
http://www.artbible.info/art/
Art of the Dayです。今日はプッサンです。明日はなんだろう、という楽しみがありますね。

Opera

Strauss: Capriccio Strauss: Capriccio
Eberhard W醇Bchter、 他 (1990/10/25)
EMI

この商品の詳細を見る

ドレスデンで見たカプリッチョの余韻に浸るべく、伯爵夫人のモノローグの部分、最終場を聞いてみたのですが、最終場への導入部分、月光の音楽が実に美しいのです。シュトラウスのオペラへの愛情を感じることができます。
伯爵夫人はこのオペラにあっては「オペラ芸術」の象徴として、詩人、音楽家からの求婚に苦しむわけですが、彼女はどちらの求婚をも受けることはできない。逆に言うと、詩と音楽は不可分であり、どちらか片一方だけを選ぶことはできない、と言うのです。シュトラウスは音楽の才能だけではなく文学的才能にも恵まれていたのですから、こうした不可分性についての考察を「カプリッチョ」というオペラの中で検討して見せたのです。それも、諧謔味あふれる旋律や、甘美な旋律を交えながら…。
このオペラの成立時(1941)にはすでに十二音音楽が確立されていますし、ベルクのオペラ「ルル」も完成(1928:正確には未完ですが…)していた時期です。そういう意味では時代遅れと揶揄されてもおかしくはないオペラではありますが、失われた甘美な時代を想起させる強い力を持ったオペラなのです。

Opera

ビゼー:歌劇「カルメン」 ビゼー:歌劇「カルメン」
オブラスツォワ(エレーナ)、ブキャナン(イゾベル) 他 (2004/11/03)
TDKコア

この商品の詳細を見る

マジですか…、このカルメンは…。観客も熱狂しちゃってすごいことになっています。さすがクライバー。すごすぎる。まだ通勤時間に音を聞いただけなのですが、今週末は映像を楽しむ予定。いやあ、本当に天才ですね、クライバーは。

Book

ドレスデン逍遥―華麗な文化都市の破壊と再生の物語 ドレスデン逍遥―華麗な文化都市の破壊と再生の物語
川口 マーン惠美 (2005/12)
草思社

この商品の詳細を見る

ドレスデンへ近々いくのですが、予習をかねて読んでみました。

  • ドレスデン大空襲の凄惨さ
  • アウグスト強王の狂王さ
  • ウェーバーとワーグナー
  • フラウエン教会の築造、破壊、再生
  • ザクセンドイツの震驚

などなど。
著者はシュトゥットゥガルトに住んでいる川口さんという方。日芸をでてからドイツに留学されて、ドイツの方と結婚されたようです。筆致は流れるような女性的随想です。
ドレスデンへ赴くためには必読の書。のみならずドイツに興味のある向きにもおすすめの書。

Classical

ブルックナー:交響曲第7番 ブルックナー:交響曲第7番
ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団、ミュンヘン・バッハ合唱団 他 (1998/10/07)
東芝EMI

この商品の詳細を見る

初めて聞いた7番は朝比奈隆/大阪フィル。6年生の時でしょうか。それいらい朝比奈指揮しか知らなかったのですが、EMIから発売されたチェリビダッケボックスに大きなショックを受けて以来チェリビダッケを追い始めた僕にとって、チェリビダッケの振るブルックナー7番もやはり大きな衝撃を僕に与えたのでした。確かにテンポはゆっくりなのですが、それに勝るグルーヴ感。一つ一つの音が意味を持って迫ってきます。チェリビダッケの数あるブルックナー演奏の中でもすばらしい演奏に数えられる一つです。

Japanese Art

出光美術館で「国宝 風神雷神図屏風 ―宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造―
」を見てきました。
今日が最終日。ということもあって、開場時間の10時過ぎに日比谷国際ビルの出光美術館に到着してみると、入り口には長蛇の列が…。


国際ビルを半周する勢いの列。圧倒されました。


やっと入り口が見えてきました。


9階に上がったところです。


俵屋宗達の「風神雷神図」はさすがにすばらしかったです。そのほか、尾形光琳、酒井抱一の「風神雷神図」も展示。三つの「風神雷神図」が集合するのは66年ぶりのことだそうです。
三者を比べてみると、やはり、俵屋宗達の「風神雷神図」に一日の長があったかなあ、という感じでした。