ルスランとリュドミラ〜超絶の管弦楽名曲集 他 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 (1997/06/21) BMG JAPAN |
ムラヴィンスキーが1965年にレニングラードフィルを振った「ルスランとリュドミラ序曲」を聴きました。一年365枚のgarjyuさんのおすすめだったのですが、幸運にも同じ録音と思われる盤を図書館で見つけることが出来たのです。
まずは一糸乱れぬ弦楽器の超速演奏に驚かさされました。一時代前のソヴィエト兵の軍事パレードを思わせるムラヴィンスキーの軍隊的統率力ですね。各音部のバランスも抜群。チェロも良く歌っています。これ以上の完成された録音が望まれるでしょうか?
「ルスランとリュドミラ序曲」以外では、特に「ローエングリン第三幕前奏曲」と「ヴァルキューレの騎行」が印象的。輝かしい金管とよく束ねられた弦楽部のバランス。「ヴァルキューレ」では、金管のパッセージが重厚かつスマートで、この曲が持つことを運命づけられている(楽劇中であり映画中の)戦闘的イメージをよく表出していました。
この盤には「フィガロの結婚」の演奏も収められていますが、この曲も高度に統制されています。序曲に続く歌劇本編のイメージを変えてしまうほど個性的・ソヴィエト的演奏で、社会主義リアリズム的フィガロの結婚と言った具合でした。