Richard Wagner

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サヴァリッシュがバイエルンで振った指環のDVDを見ています。昨日の夜に神々の黄昏の2幕の冒頭部分を見ました。ブリュンヒルデがグンターに連れてこられて、ジークフリートの姿を見て驚き、さらにジークフリートが指環を嵌めているのをとがめるシーンです。

ブリュンヒルデの動機。「神々の黄昏」の第一幕冒頭で登場する美しい旋律です。EbからCまで6度上がるのが気持良いのですね。6度上降は、ジークフリートの動機でも登場します。ちゃんと同期を取ってあるんですね。6度上降がこんなに気持の良いものだとは知りませんでした。やはり楽譜を見てみると面白いですね。もっともこの譜面はスコアを見たわけではなく、CDのライナーに載っていた譜例をうつしたもの。

ちなみに、ジークフリートの動機は以前にも紹介しましたが、そちらは短6度の上降です。明日紹介する予定の譜面では、長6度で上降している。(※やはりそちらも短6度上降でした。譜面を読み違いました)張り巡らされた動機の関係が浮き上がってくる感じ。


 

Classical

かつて若くて尖っていた時分には決して効かなかっただろう3大テナーのパリ公演のCD。聴いてみてひっくり返りました。いらない矜持や偏見に囚われずにもっと早くに聴いておけば良かった。

確かに、「商業主義的」と批判する向きもあるのでしょうが、聴いていて楽しむ分には良いんじゃないでしょうか。思った以上に楽しめました。こういうCDは家族と一緒に楽しめるというのも良いですね。さすがに指環は食事中にかけられないですよ。

それにしても、知らない曲ばかり、という感じでも違和感なく聞こえるのは、「商業主義的」な味付けがしてあるものとも言えるけれど、それ以上に卓越した技量があるから。三人ともすごいですよ。

ちなみに、三人の年齢を挙げてみると……。

  1. カレーラス(1946-)は52歳ぐらい
  2. ドミンゴ(1941-)は57歳ぐらい
  3. パヴァロッティ(1935-2007)は63歳ぐらい

しかし、パヴァロッティが一番若々しく聞こえるのはどうしてだろう?一番歳をとっているというのに。そのパヴァロッティももういないのか、と思うと寂しさもしきり。

ポップスの曲も多くて、17. 誰も寝てはならぬ といったオペラのアリアよりも、むしろ、ポップスの曲の方に入れ込みたい気分。パヴァロッティが歌うLucio Dallaの6. Carusoとか、三人で歌う13.Manha de Carnaval とか、24. Dicitencelloみたいな哀しみ溢れる曲に心打たれる。

ただ、ポップスのように、テンポが一定であることを前提にする音楽と、クラシック音楽のようにテンポが頻繁に動く音楽との親和性という意味では課題があって、なかなかリズムをあわせるのが難しい、ということも分かった。それが、オケの方々がポップスを演奏する時に生まれる違和感ともつながってくる。微妙なリズムのノリを表現することの難しさ。

純粋なクラシックCDとは言えないし、むしろポップスの要素が強いCDだと思いますが、ワーグナー聞きたいときもあれば、こういうCD聴きたくなるときもあるのは事実なので、喜んで受け容れよう、と思いました。

Miscellaneous

またブログ村でキャンペーンをやっていて、東芝の体重体組成計があたるらしいです。またエントリーします。

もうすぐ三月も終わり、今年の目標である、76キロ台まで体重を減らす、という件ですが、なかなか思うように体重が落ちてくれません。原因は分かっております。ついつい甘いものに手が出ていますね。仕事なんかでうまくいかないときに限って、甘いもの食べてストレスを解消している。いけませんね。もっと引き締めなければなりません。これを機に気合いを入れ直します。

一応、我が家にもオムロンの体脂肪計付き体重計があるので、体脂肪などをはかることができますが、体重は増えても体脂肪率は増えていない。不幸中の幸いです。ですが、体脂肪率自体高いからなあ……。21%だし。あ、カミングアウトしてしまいました。

ともかく、がんばります。

Opera,Richard Wagner

数ヶ月前だったと思うが、イギリスで起きた気の毒な話が新聞に載った。恋に落ちた二人がいざ結婚しようとした段になったとき、実は、二人が生き別れとなった双子の兄妹だったと言うことが分ったというのだ。もちろん結婚は出来ず。悲恋ですね。

記事にはさらに興味深い内容が描いてあって、男女の双子は互いに嫌悪感を抱くことが多いのだが、お互いが双子であると言うことを知らなかった場合、互いに惹かれあう、というのだそうだ。

最近指環漬けになっているということもあって、この話を聞くとジークムントとジークリンデの話を当然思い出してしまう。互いにそうと知らずに禁じられた恋愛に落ち込んでいくというのは、劇中にとどまるというわけではなく、実際に起こりうる話なのだということが分る。

禁じられた恋愛と言えば、辻邦生作品にもそうした話があって、「風越峠にて」という話は、出征直前に出遭い恋に落ちた女性が実は……、という話で、15年ほど前に初めて読んだときには、そのどうしようもない運命性に心を打たれてしばらく呆然としてしまった記憶がある。

そんなことを思いながらヴァルキューレを聴きました。やっぱりカラヤン盤で、ヤノヴィッツさんのジークリンデに心を打たれるのでした。第一幕の第三場以降のジークリンデとジークムントのダイアローグは聴き所ですね。ヤノヴィッツさんの透明な声と、ヴィッカーズさんの半ば情熱的な声に心身ともに翻弄されてしまう感じです。第一幕ばかり執拗に聴いている感じです。

しかし奥深いなあ、指環。指環のライトモティーフの全貌を知りたくて知りたくてたまりません。研究者でもないですし、スコアも読めませんので、ライトモティーフ完全収録の本などあれば良いのになあ、と思います。図書館で探してみますか……。

それにしても、まだまだ楽しみはつきません。(僕にとっては未採掘の)金鉱をせっせと掘っている感じです。慌てても仕方がないのですが、果敢に聴いていきましょう。

  • 管弦楽==ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
  • 作曲==リヒャルト・ヴァーグナー
  • 指揮==ヘルベルト・フォン・カラヤン
  • ヴォータン==バス==トーマス・ステュワート
  • ジークムント==テノール==ジョン・ヴィッカーズ
  • ジークリンデ==ソプラノ==グンドラ・ヤノヴィッツ
  • ブリュンヒルデ==ソプラノ==レジーヌ・クレスパン
  • フンディング==バス==マルッティ・タルヴェラ

Classical

花粉症の季節ですね。春と言っても手放しで喜べない方は多いと思います。

僕自身は小さい頃花粉症で目をやられていたにもかかわらず、最近ではまったく症状も出ないという感じなのですが、家族はかなりやられていて、毎年酷い有様なのです。

それで、なにか良い方策はないか、とネットを見ておりましたら、「泡盛が花粉症に効く」というキャッチフレーズ。ソースは泡盛会社のウェブページですので、へえー、そんなんだ、ぐらいに見ていたのですが、たまたま自宅に泡盛があったので、試しに飲んでみることに。

そうしたら、例年に比べて症状が軽くなる日が多くなった、と言うのです。完全に良くなったわけではないですが、少しは効き目があるみたい、とのこと。

ちなみに、僕もお相伴にあずかって飲んでいるのですが、この「萬座」という泡盛は素晴らしい。甘みと柔らかさが群を抜いてます。

さて、昨日はモーツァルトを聴いておりました。

僕は、モーツァルトを云々するほどに聞き込んでいるわけではないとしても、ある種清涼剤のようなすがすがしさをモーツァルトに覚えることがあります。特に少し疲れ気味の時には、ジェフリー・テイトが振る交響曲全集から、35番、36番、38番、39番などを選んで聴くことが多いです。

テイトの指揮は研ぎ澄まされた爽やかなもので、大時代風というわけではなく、さらりと流れる演奏です。編成が小さいと言うこともあるかもしれませんね。ある意味面白みが掛けるという評価を下す向きもあるかもしれませんが、僕にとってはご馳走なのです。

この一ヶ月はワーグナー漬だったので(昨日も、そうは良いながらもワーグナーを聴きましたが)、丁度良い休憩になりました。

Miscellaneous

今日はゲーベルのバッハを散漫に聴きながら、部屋の片付けなどをしていたら、あっという間に一日が終ってしまいました。今年度中には部屋をある程度片付けて綺麗にしたいと思っていますが、なかなかはかどらないですね。

近頃オーバーワーク気味だったらしく、ワーグナーも少し休憩。明日からまた仕事ですが、頑張りますよ。

近所の早咲きの桜が開花していて、四分咲きぐらいになっています。今日は本当に暖かくて、窓を開け放していたぐらいです。写真は携帯でとりましたので少々クオリティに問題がありますが、ご容赦を。

Sakura2008

Richard Wagner

ワーグナーを巡る13は以下の通り。

  1. 生年は1813年5月22日
  2. 死亡日は1883年2月13
  3. バイロイト祝祭劇場の会場は1876年8月13
  4. タンホイザーの完成は1844年4月13
  5. タンホイザーが幕を下ろしたのは1861年3月13
  6. タンホイザーのパリ再上演は1895年5月13
  7. Richard Wagnerの名前のアルファベット字数を加算すると13になる。
  8. 生年の1813を足すと13になる。
  9. 亡命生活は13

「ワーグナー」、三光長治、新潮文庫、1990年 11頁

このうちいくつかはコントロールできるけれど、1.、2.、7.、8.はコントロールできない数字ですね、もっとも、誕生日などの記録自体改竄している可能性はあるなあ。もし本当ならば、不気味なぐらいです。

Classical,Richard Wagner

新潮文庫に収められているワーグナーの伝記を読みましたが、なかなか興味深かったです。

ワーグナーの略歴は知っていましたが、きちんとした伝記を読むのはお恥ずかしいことに初めてでした。興味深かった点をリストで。

  • 実は小さいころから音楽に秀でていたわけではなかったのだ、とか、そのことである種批判されたりしたようですね。
  • トリスタン和声は、音楽的な意図からではなく、純粋に、そう書きたいからそうなってしまったのだと言うことみたい。
  • 父親が誰だかわからない、という出生ににまつわる謎が、ジークフリートが言う「父親がわからない」というせりふに反映されているようです。
  • ワーグナーにまつわる13という数字の謎とか(出生年の1813をすべて足すと、13になるなどなど)、予知夢を見たり、コジマとの間でテレパシーもどきの現象がよく起きていたとか……。オカルティズムに半分足を踏み入れたような感覚を覚えました。

ほかにもあるのですが、それは明日まで。今日は急いで更新です。

 

Classical

久々の更新。いろいろあったもので……。これから遡及しようと思いますが。

そんなこんなで、元気になりたいなあ、と思ったときに、聴こうと思ったのが、パヴァロッティの声。ばらの騎士のイタリア人歌手を歌ったパヴァロッティの記憶は新しいし、パヴァロッティのロドルフォ(ボエーム)なんかにも親しんでいたけれど、そういえばソロアルバムを聴いたことはないなあ、と思って図書館から借りてきました。

1991年にハイドパークで行われた野外コンサートの模様。ライナーによれば、このときは既に輝かしい若い時代の声は影を潜めているというのですが、パヴァロッティの若い時分の声の凄さを知らない向きにとっては、このCDに収められているパヴァロッティの声だけで十全な愉悦を味わうことが出来ます。

ピッチも余り狂わないし(何度も聞いているとすこし揺れている部分があるのが分かるぐらい)、歌のフィナーレで徐々にクレッシェンドしていく歌い方とか、少しはしり気味に歌うあたりとか、本当にパヴァロッティらしくて、聴いているだけで嬉しくなってしまいます。

ライナーには、イタリア民謡として紹介されていますが、ビシオの「マンマ」、良い曲だなあ。ほんのひとかけらの憂いをまぜた華麗で明るい曲。歌詞はと言えば、イタリアらしい母性信仰なので、日本語訳を読むとすこしひいてしまいますが。

ともかく、聴いて良かったなあ、このCDは。元気づけられました。

 

Italy2007,Travel

今日一日でイタリア旅行は終わる。明日は早朝の飛行機に乗ってフランクフルト経由で帰国することになっている。 そのヴェネツィア最終日、まずはサン・マルコ広場の鐘楼に昇り、ヴェネツィアの全景を眺めてみようと思う。

サン・マルコ広場に到着したのはそんなに遅い時間ではなかったのだが、鐘楼の登り口には長い列が出来ている。さすがは世界レヴェルの観光地であるだけあって、すさまじい人混み。

鐘楼にはエレベータが付いていて、アルバイトとおぼしき若い青年が、あたかもエレベータガールのように、ドアの開け閉めをしているのだが、分厚い文学書を読みながら仕事をしているのだ! エレベータが鐘楼の頂上に登り降りする細切れの時間をつかって、少しでも読書を進ませようとする意志の強さと言ったら、言葉が出ない。

待つこと十数分でようやくエレベータに乗ることが出来て、鐘楼の頂上へと辿り着く。天気の良さは格別で、雲の類も何一つ浮かばぬ純正な青い空。家並みの赤い屋根瓦がどこまでも続いている。すばらしいのは、フィレンツェでも同じだったが、衛星放送を受信するパラボラアンテナまでも屋根瓦と同じ色に塗られていると言うこと。景観にたいする生真面目な態度に感銘を受ける。

今朝もやっぱりアクア・アルタ気味で、排水溝から海水が逆流している。鐘楼を降りて、サン・マルコ大聖堂の入り口へと続く長い列の最後尾に付いたのだが、聖堂の正面は海水に浸っていて、我々の列は、水の上に渡された板の上を進んでいく。聖堂の玄関もやはり水浸しだった。

サン・マルコ大聖堂の絢爛さと言ったら言葉も出ない。天井を形作る幾つもの円蓋の内側は金色のモザイク画で飾られている。このモザイクの放つ煌々たる気配だけで聖堂内が照らされているようだ。ヴェネツィア巡礼の目的ともなった、聖マルコの遺骸が納められた石棺にはラテン語の碑文が刻まれている。蝋燭の静かな光が心地よい。さすがにこの雰囲気ではカメラを構えにくい。

 

Italy2007

鐘楼から見下ろした広場。排水口から海水がわき出している。その様子を撮影する男。

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遠景。巨大な客船が停泊している。

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サンマルコ広場。やっぱり排水口から水が湧いている。屋根瓦の統一感が素晴らしい。