同時多発トラブル──「ルル」のキャスト
さて、今日はキャスト表を載せます。
この中で気に入っているのが、まずはシェーファーさん。ライヴということもありまれに少々ピッチが気になることもあるけれど、それを超えてあまりある美しさ。映像でみるともっといいのですけれど。それから、アルヴァのデイヴィッド・キューブラー氏。この方は、ティーレマンの「アラベラ」DVDでマッテオを演じておられた方で、張りのある声がいい感じ。映像でも切迫した感じをよく出していらっしゃったと思います。画家/黒人役のステファン・ドラクリッヒは、神経質で世間知らずでルルに振り回される画家の役をうまく歌っておられます。
ルルでは随所でアルト・サクソフォーンが活躍しますね。いい音です。つやと丸みの同居した輝く石のような音。ああいう音を目指せばよかったなあ、と少々思ったり。
「ルル」で思い出したのは、あの物議を醸した新国立劇場の「ルル」の顛末。確か2005年の2月だったと思います。三幕上演する予定だったのですが、演奏家のレヴェルの問題で第三幕の上演を見送り、キャストを入れ替えたのです。私は、ちょうど会社関係の結婚式が急に入ってしまいいけなかったのですが、代わりに見に行った家人によれば、第三幕の代わりに、おそらく「ルル組曲」からの抜粋を演奏したのだそうです。2003年には確か二期会でもルルを演奏したはず。こちらは三幕まで演ったのそうですが、旅行に行った関係で見に行けませんでした。「ルル」は是非にも実演に接してみたいオペラです。
- 作曲==アルバン・ベルク
- 指揮者==アンドルー・デイヴィス
- 管弦楽==ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
- ルル==ソプラノ==クリスティーネ・シェーファー
- ゲシュヴィッツ伯爵令嬢==メゾ・ソプラノ==キャサリン・ハリーズ
- シェーン博士/切り裂きジャック==バリトン==ヴォルフガング・シェーネ
- 衣装係、馬丁、学生==バス==パトリシア・バードン
- 支配人、銀行員、医事顧問、教授==バス==ジョナサン・ヴェイラ
- 画家、黒人==テノール==ステファン・ドラクリッヒ
- シゴルヒ==バス==ノーマン・ベイリー
- アルヴァ==バリトン==デイヴィッド・ケネス・キューブラー
- 猛獣使い、力業士==バス==ドナルド・マクスウェル(→マックスウェル)
- 王子、下男、侯爵==テノール==ニール・ジェンキンズ
今日もようやくと更新。仕事のトラブルがなかなか収まりません。それどころか、新たなトラブルが発生。顧客側で政治的な動きがうまくいかず、表沙汰になった形。今日は上司と一緒に取締役に事象説明。まあ、取締役といっても数年前までは私の上司だった方ですので、話しやすいのですけれど。明日も無事に過ごせますように、という感じです。
しかしこの一ヶ月はトラブル続き。しかも同時多発テロ状態。いろいろなところでトラブルが吹き出している。しかもそれはすべて私のユニットで起こっている問題。ユニットリーダーはへろへろになっていますが、うまく裁けば、ユニットリーダーは男を上げることになるでしょうし、評価も高まることでしょう。
ディスカッション
しーさん、コメントありがとうございます。しーさんもごらんになってらしたのですね。映像でみてもシェーファーさんはいいですよね。たしかこの時の出演で評価を上げたのだと記憶しています。演出もいいですよね。簡素な感じの舞台なのに、階段が壁からせり出してきたり、舞台が回転したりとなかなか効果的な演出だったと思います。おっしゃるとおり、ウィーン世紀末的な頽廃美ですね。
私もこの「ルル」を最初テレビで見て気に入って、DVDも購入しました。シェーファーの魅力(見た目も歌も)がとてもが素晴らしいと思います。
舞台美術がとてもシンプルですが効果的に作られているなと感じました。
個人的には、このオペラは音楽もストーリーもウィーン世紀末と言う感じがすごく強く感じられます。
たとえばクリムトの絵画のような。
私はオペラは苦手なのですがこのオペラは例外的に好きなオペラのひとつです。