リングとニーベルング族が示すものとは?
今日は一日休みました。といいつつ、午前中はカフェに出かけたのですが、とある尊敬する方に偶然お会いして、なんだか緊張しましたが、気合いも入れてもらった感じです。
執拗にリングのことを考えてしまいます。どうにもとまりません。
リングは何のメタファーなのか、という話しはよく聴く議論で、まあ核兵器とおっしゃる方もいれば、資本主義経済だとか貨幣経済とおっしゃる方もいる。
WIKIによれば、演出家のパトリス・シェローはマルクス主義との関連性をも指摘しているらしい。ワーグナーは革命運動にもかかわっていましたので、関係が出てきてもおかしくないです。ここは、思想史ですね。勉強しないと。
そういうこともあって、個人的にフィットする考えは、やっぱりそうした資本主義貨幣経済というとらえ方です。まあ、オーソドックスな解釈だと思いますけれど、サヴァリッシュ盤のレーンホフの演出を一度見てしまうと、どうしてもその呪縛から逃れられません。「ラインの黄金」で、アルベリヒがニーベルング族を従えて財宝を掘る場面で、ニーベルング族は金色の細かな流動体として表現されていましたので。
上のリンクはそのサヴァリッシュ盤DVDです。
もうひとつ、そこでどうしても避けられないのが、ニーベルング族がユダヤ人のメタファーではないか、ということ。これ、あまり気が進まないですし、危ない解釈なので、書くのも躊躇するのですが(このことは、「ジークフリート」のプログラムの中でも指摘されているのですけれど)、ワーグナーがユダヤ人嫌いであったことを考えると、なおいっそうこの可能性を排除するわけにはいかなくなります。
リングが資本主義貨幣経済のメタファーだとすると、「ヴェニスの商人」やロスチャイルドなど、ユダヤ人の商才というまことに類型的な符号と一致します。
じゃあ、その資本主義貨幣経済のもとで消えていった「神々」とは誰なのか?
長くなるので、これは次回に。
ディスカッション
コメントありがとうございます。すでにアベノミクスから二年経過して、いよいよ今年12月14日に選挙があり、自民党が完全に勝利することが、これまで陰謀論と批判されてきたことが、だれの目にも現実の社会に具体的に姿を顕わして、日本経済が國際金融財閥に支配されていることを知るようになってゆくと思います。
北欧神話の現実の姿とは、マネタリズムが家族社会国家をマネタリズムによって崩壊してゆくことです。音楽の世界の解釈は多様であっても、現実に起きてくる事実は、その裏付けをすることになり、音楽の世界は、現実の社会と分離して存在している教養ではなく、マネタリズムによる富と権力を求める日本人達に対する警告でもあるのです。
大多数の日本人は、マネーというラインの黄金に毒されて何も見えない状態のと中で、その結論を迎えるのかもしれません。私たちは、この音楽から、國際金融資本主義に対する警告を無視して、この音楽か現実の資本主義社会の弊害との関係性を深く持っているという視点を失ってしまったのです。恐らくドイツ人は、現在の日本人のように愚かな民族ではないのでしょう。何故なら彼らは、音楽の中に警告が隠されていることを深く知っているから・・・・日本人とは、物事を表面的にしか捉えようとしない軽薄な民族であり、何が起きているのか、わからないままに¥の価値が暴落して、支配の全てが終わった時でさえも、何もわからないのでしょう。
この社会、この世界の構図とは、ラインの指環そのままであり、簡単に寓話を持って示している。日本の欲深い老人達の集まりである超高齢化社会の欲深い金の亡者の老人達は、何一つ寓話に学ばす、日本の未来の世代までも、國際金融に売り渡してしまったのです。経験を積んだ欲深い金の亡者の老人達が、日本を滅ぼしてしまったということです。
異邦人さん、コメント有難うございます。アベノミクスにはいろいろ賛否ありますので議論が難しいですね。確かにおっしゃるような側面はあるのかもしれません。最近のさまざまな変化の激しさには咀嚼に時間がかかるものがあるのは事実です。それにしても音楽の中に警告が隠されていることを知っている、というご見解は確かにそう思います。音楽だけではなく文学といった芸術一般に真の意図を見出すことができるかどうか。芸術だけに限らず、ですがあらゆるディスクールにおいて、そうした解釈ができるか、ということは、私も常日頃思いを巡らせているところです。
私も、上記の見解には同意します。そしてさらにそれに付けくわえたいことは、現代の世界において、このリングの問題は、國際金融資本、國際金融財閥の問題として、この地球上の世界が、リングであるマネー原理によって支配されています。国際金融財閥の問題を深く知ってゆくのからウァーグナーの指摘した指環の問題とは、今日の社会そのもののと問題であり、現在の日本人とは、指環の魔力に骨の髄まで毒された人間となるのです。ウァーグナーの問題の本質とは、民族としてのユダヤ人に対しての反ユダヤではなく、本当の真実とは、反國際金融財閥であり、反ロスチャルドであり、反ロックフェラーであるということです。ナチス・ドイツは、國際金融財閥から援助を受けて、ロスチャルドが作り上げたものですから、本当は、ウァーグナーは、ロスチャルドに利用されて、ナチスによって潰されたのです。今日の社会にあって、國際金融工学を使用して世界経済を動かして、市場原理主義によって、多くの国々に階級社会を作り上げて、リングの魔法の力によって支配されているこの社会の実相を深く感じるのであれば、ウァーグナーは、このようなリングの世界は、いずれ崩壊するとリングの物語を通して予告しているのです。恐らく、リングのマネー原理の毒に骨の髄まで毒された今の日本人には、何も伝わらない内容かもしれません。
異邦人さん、コメントありがとうございます。ニーベルング族がロスチャイルドなどの国際金融財閥、というのは示唆的で興味深いです。ワーグナーのテクストは解釈多様ですし、他のオペラ含めて、驚くほど未来あるいは世界を見通していて驚きます。本当に巨大な知性です。