私がマイケル・ブレッカーに熱中していたのは1993年から1998年頃まででした。その後ももちろん折に触れて聴いていましたが、21世紀なって私がオペラと言う名の底なし沼に沈み込むにつれて聴く機会が減りました。
先日、大学のサークルの偉大な先輩後輩達とお会いしたことを書きましたが、某有名喫茶でマイケル・ブレッカーのアルバムを聴いてから情熱が再燃しました。飽くことなく浴び聴いたマイケル・ブレッカーのインプロヴァイズが、未だに体にしみこんでいて、全く違和感なく享受し飲み込むことが出来るのには驚きました。何年も経っているというのに。
やはり若い頃に聴いたものは、齢を重ねてから聴くのとでは意味合いが大きく違います。もちろん私はある種の総体的な尺度を使えばまだ若い部類に入りますので諦めてはいけませんし、シュトラウスの「カプリッチョ」という宝物も30歳を過ぎてから見つけたものです。まだまだ諦めてはいけません。
さて、本日のこのアルバム、1995年頃に出回っていたものです。今は通常のレコード屋で見かけることは待った気宇なくなりましたが、Amazonでは入手できるようですね。
収録されているのはたったの三曲。
01 Gossip
02 Nothing Personal
03 Original Rays
1曲目は当時のマイケル・ブレッカーバンドのギタリストだったマイク・スターンの手によるGossipと言う曲。彼のいわゆる変形フレーズ(とある人は変態フレーズと呼びます)が十全に汪溢した楽曲。もちろんマイク・スターン名義のアルバム「Time In Place」にも収録されています。こちらは、マイケル・ブレッカーと並び立つフュージョン系テナーサックスの巨頭だったボブ・バーグによって演奏されています。残念ながらボブ・バーグも交通事故で数年前になくなっています。どうしてこうも素敵な方々が命を落とすのだろう。きっと神様に愛されすぎたのですね。
2曲目、こちらもNothing Personalという曲。たしか、ドン・グロルニックというピアニストの曲だったはず。彼は1980年代中盤までマイケル・ブレッカーや、マイケルの兄のランディー・ブレッカー、あるいはアルトサックスのデイヴィッド・サンボーン達と組んでいらした名ピアニスト。彼ももう故人なのですよ。哲学を専攻しておられた方です。Nothing Personalは、マイケル・ブレッカーのファーストアルバム正規盤に収録されています。そちらではパット・メセニーがギターをつとめますが、このアルバムではマイク・スターンが大暴れしてくれます。
最終曲original Rayについては明日。
マイケル・ブレッカ-の非正規盤アルバムによせて(1)