コメントできない障害が発生していました。もし、コメントしてくださろうとした方がいらっしゃったとしたら、大変申し訳なく存じます。これ、何回も失敗しているんです。Movable Typeのアップデートごとに設定が変わって、いつも失敗。SE失格かしら。今後はちゃんとシステムテストします。。
もう、こんなに幸せな日は人生にそうあるもんじゃない。そんな一日でした。3月21日は、僕にとって一生忘れられない一日になったはず。
これから、数日かけて書いていきます。ああ、「ドレスデン奇想変奏」のタイトルロゴも作ったんだが、まずは、神々の黄昏かかないと。
新国立劇場「神々の黄昏(神々のたそがれ)」のご報告、今日は音楽面から。
いやあ、もう、イレーネ・テオリン様の前にただただひれ伏すのみ。
偉大なワーグナーソプラノ、テオリン様に初めてお目にかかったのは2008年秋の新国立劇場のトゥーランドット。
“https://museum.projectmnh.com/2008/10/17032725.php":https://museum.projectmnh.com/2008/10/17032725.php
このとき、ああ、声のすごく大きな人だなあ、としか思わなかったみたい。でも、それが尊敬に変わったのは2009年のバイロイトのこと。どうも以下の過去記事を読むと、2009年7月27日からテオリン様の虜になり始めたみたい。
“https://museum.projectmnh.com/2009/07/27211601.php":https://museum.projectmnh.com/2009/07/27211601.php
“https://museum.projectmnh.com/2009/08/02120759.php":https://museum.projectmnh.com/2009/08/02120759.php
“https://museum.projectmnh.com/2009/08/22191752.php":https://museum.projectmnh.com/2009/08/22191752.php
“https://museum.projectmnh.com/2009/08/23213515.php":https://museum.projectmnh.com/2009/08/23213515.php
先月の新国「ジークフリート」もすごかったんだが、やっぱりクリスティアン・フランツ氏の甘い声に魅せられたのが大きかった。出ずっぱりのフランツ氏に比べて、テオリン様の登場は、最終幕でしたから。
今回はもう完全にテオリン様の独壇場でしたよ。たしかに、フランツ氏の声もきれいだった。でもテオリン様の前にあってはなんだか声量が足らなく思えてくる。ハーゲンを歌ったダニエル・スメギ氏だってすごかったんですよ。あの美しく豊かでエッジのあるバリトンの声は、日本人には決して出せない本場の声なんですから。でも、テオリン様が全部持って行ってしまった。そんな舞台に思えてしまいました。
いやあ、あのテオリン様の凄絶なブリュンヒルデの怒りの表情は、鬼気迫るものがあって、歌手を超えてすでに最高の舞台女優となっている。ジークフリートの裏切りに怒るブリュンヒルデ。ハーゲンによって殺されたジークフリートをストレッチごと釜の中に入れて、荼毘に付す瞬間のあの表情。去年のバイロイトの映像も鮮烈でしたが、私は双眼鏡でもう食い入るように見ていました。
もちろん歌唱力も抜群。一回だけハイトーンで少々乱れたのは、前回の「ジークフリート」でもあった事故でしたし、ピッチも微妙にずれているのを一回ぐらいは感じました。それから、長丁場なのでセーブしているところもわかりました。でもですね、そんなこと本当に取るに足らないこと。ここぞというところの爆発的なパワーには、もう思い出しただけで鳥肌が立つような感動なんです。思い出すだけでちょっとうるうるきちまうぐらい。
私はですね、最後のブリュンヒルデの自己犠牲前のところで泣きましたですよ。メガネがぬれちゃって、双眼鏡が見えなくなってしまって困ったぐらい。で、双眼鏡の中でテオリン様と目があってしまってどきどきしてしまった。あはは。舞台から客席って意外と見えるらしいんで、僕の顔はわからずとも双眼鏡は見えてたんじゃないかな。
このパフォーマンスを、テオリン様が東京までいらして歌ってくださるなんて、あまりに恵まれすぎている。本当に本当に感謝しないと。
というわけで、テオリン様にはお恥ずかしながら「ブラーヴァ」を連呼しました。オペラ67回目にして、初めて声だしてみた感じ。ちょっと恥ずかしかったけれど、いいや。
ちなみに、男性には「ブラヴォー」、女性には「ブラーヴァ」、複数人には「ブラービ」です。
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http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC":http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC
いつも思うんですが、「ブラヴォー」とブーイングの「ブー」って、区別つきにくくないですか? なので私は「ラーヴァ」と連呼しました。
もう一つ。ヴァルトラウテを歌ったカッティア・リッティングさん。この方もすごいですよ。正確無比なピッチコントロールで愁いを帯びた歌唱でした。ヴァルハラでのヴォータンの変わりように困り果ててしまった表情の出し方なんて、見ていて本当にすごかった。
音楽的な面で言うとさらにinterestingな出来事が。第三幕の冒頭、ダン・エッティンガーが登壇したら、誰かがブーイングしたんですよ。これ、2003年4月の新国「ボエーム」で井上道義がブーイング浴びせられたのを聴いて以来。あのとき、井上道義は、くるりと振り返って、ブーイングの方向に投げキッスしてみせたんですよ。
それで、全曲完了して、おきまりのヒロインが指揮者を迎えるの図の場面。テオリン様が下手からエッティンガーを迎えたんですが、とたんに激しいブーイングが! すかさず、今度はブラヴォーの連呼。ブーイングとブラヴォーが激しく張り合ったんですね。これ、私は初体験でした。プッチーニやらのオペラの初演時に、ブーイングとブラヴォーで殴り合いのけんかになった、なんて話も聞いたことがありますが、そんな雰囲気。エッティンガーは仁王立ちになって、ギッと客席をにらみつけていました。
あとで、関係者に話を聞いたんですが、ああいうブーイングとブラヴォーの混ざったカーテンコールって、悪いものじゃないんですって。それだけ、みんな真剣に聴いていた、ということなんだから、とのこと。
というわけで、今回は音楽面について。明日は演出面について。それから、解釈の話も書きたいし、バックステージツアーのことも書きたいし。もう、書きたいことがたくさんで困っています。