Opera

夕闇のなかに沈みゆく新国の中庭水庭。やっぱり、この建築は素敵。

バックステージツアー。何度も何度も応募しましたが、当たったことはありませんでした。応募用紙に座席番号を書いて入れるのですが、あまりに当たらないので、S席の方が優先なんだ、と勝手に拗ねていたのです。それで、当日は、係りの方に「S席じゃないと当たらないんですか?」と聴いてみたのです。まあ、当然「そんなことないですよ」とおっしゃったんですけれどね。
それで、第一幕が終わった後、抽選結果が一階ホワイエに張り出されるんですが、なんと、当たっておりました! でもですね、197人の応募があって、40名が当選。新国の収容人数は約1800人で、ほとんど満員だったのですが、たったの197人しか応募していないというのがとても意外に思いました。まあ、「神々の黄昏」の場合、終了予定時間が20時25分でしたので、皆さん家路を急いだのでしょうか。そうかと思うと、日によっては、定員40名に対して70名ぐらいしか応募がないこともあるとのこと。これも意外。
昔は、バックステージツアーというのを、舞台のない日に行っていました。当時は発券制でしたが、休日はかなりの確率で売り切れていました。最近はどうやらやっていないそうで、休日だと舞台監督の方々がいらっしゃらないからだとか。
というわけで、テオリン様にブラーヴァと叫びまくった興奮のさめやらぬうちにホワイエに集合しました。なんだかちょっと優越感。うふふ。事故などの保険料として200円を支払って、荷物を預けて、プレートをいただいて首にかけて待ちました。

8時半になると、20名ずつのグループに分かれて、無人の劇場内へ。よく考えると無人の劇場に入るのは初めてです。ダークオーク色の色調が良い雰囲気。入場の際、一瞬PAルームが見えたので撮影。ここに合唱指揮の方が入られて、本番では赤いレーザかライトかで指揮をします。あらゆる音響のコントロールはここでやっているはず。

続いてオーケストラピット(つまりオケピ)へ。オケピの深さは音量調節のために上下可動式になっています。公式記録では2.65メートルの深さなのですが、今回の「神々の黄昏」では、2.66メートルまで下げたとのこと。ワーグナーやシュトラウスのような大規模なオケの場合は、このように深くしますが、モーツァルトなど編成の少ないオケの場合は床をあげるそうです。指揮者は舞台を見なければなりませんので、オケピが深くなればなるほど、指揮台は高くなります。

そうすると、指揮者に誓いパートの方々から指揮が見えなくなると言うことで、指揮者に近い席ほどかさ上げされています。逆すり鉢状のような格好です。[1]

続いて、いよいよ舞台裏へ。楽屋への入口があるのですが、ここは暗証番号でロックされているそうです。昔はそのまま入れたそうなのですが、本番中に観劇の高校生が、ここから闖入し、本番の舞台に現れた、という珍事件が発生したことがあるそうで、厳重な管理になっているとのこと。
ここで、我々は靴にカバーを掛けました。舞台に油を載せたくないから、とのこと。ここから先は著作権の問題で写真撮影は禁止となりました。
そして、早速中に入ると、第一幕冒頭で三人のノルン達が演じたセットがおいてあって、そこに舞台監督助手の女性のの方が待ってくださっていました。この方、一目見ただけで、衝撃を受けてしまう。今までお会いした女性の中でもっとも強い意志とオーラ持った方の一人だなあ。みなぎる自信はまさに実力によって裏打ちされたもの、というような印象でした。これ、人生にそうそうあるかないかの衝撃でした。働く人間として尊敬の念に打たれたというところです。
続きはまた明日。
fn1. 見づらい写真ですいません。7年前のコンデジで撮ってますので。ISO400でohne Flashじゃ無理です。