ワーグナー関連本2冊


また桜。そろそろ散り始めているかしら。。。
ワーグナー関連本を二冊を読み終わりました。いずれも新書です。マンの著作を読む前に参考になるかな、と思い手に取った次第。こっちを先に読み終えてしまいました。

はじめての『指環』―ワーグナー『ニーベルングの指環』聴破への早道 (オン・ブックス21)
山本 一太 / 音楽之友社 (2005-10-01)
本・雑誌
堀内 修 / 講談社 (1990-12)

堀内修さんは、今年(2010年)のNHKニューイヤーオペラコンサートのロビーでお姿をお見かけしました。この本は、ワーグナーを巡る情勢がよく整理されていて大変お勧めです。特に歌手の分類記載がよかった。ヘルデン・テノールとかドラマティック・ソプラノなど、歌手の特性とそれぞれの役柄について記載がなされています。たとえば、ヘルデン・テノールはジークフリートやジークムントを歌いますが、シュピール・テノールはミーメを歌う、などなど。これは別記事で取り上げる予定。大変勉強になりました。私、オペラを見始めてもう8年になりますが基本的な勉強はしておりませんゆえ、いまさらながらでお恥ずかしいのですけれど。
山本一太さんの「はじめての<<リング>>」は、リングを一通り見聞きしている方にとっては少し物足りないかもしれませんが、逆に言うと、これから聴かれる方には必読だと思われます。私の場合、里中真智子さんのマンガであらすじをつかむという邪道な道を歩きましたけれど。すでにリングを聴き通しておられる方にとって興味深いと思われるのは、第五章「<<指環>>こだわり篇」ではないでしょうか。
ちなみに、マンガはこちら。

ニーベルングの指環〈上〉序夜・ラインの黄金、第一夜・ワルキューレ (中公文庫―マンガ名作オペラ)
里中 満智子
中央公論新社
売り上げランキング: 8344
おすすめ度の平均: 5.0

5 文句なしの5つ星
5 いい本です

ここでは、一つわからなかったことのヒントを見つけることができました。つまり、どうしてジークフリートはブリュンヒルデと分かれて、旅立たなければならなかったのか。別に、二人で引きこもっててもいいんじゃない? みたいな。でも、まあ外界と触れないと生きていけませんので、特に資本主義社会においてはなおさら。それで、この本によれば、英雄たる者、各地の王から貢ぎ物を取り立てなければならないのであるから、ジークフリートは、取り立て屋のごとく、各地の有力者を回って朝貢品を求めていたとは。なるほど。