「夏の海の色」、すごいな。。
夏の海の色 ある生涯の七つの場所2 (中公文庫)
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中央公論新社 (2013-06-24)
売り上げランキング: 81,450
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最近、毎日辻邦生作品を読むことにしています。本を持ち運ぶのは辛い時もあるのですが、スマホのKindleに入っていますので、その気になれば絶対に読める、というわけです。
で、今日「夏の海の色」を読みました。この短編集そのものではなく、所収されている短篇の「夏の海の色」の方ですが、いや、これは、あまりに見事すぎて、しばし動けないぐらいでした。
もう何度も読んでいるんですが、本当に緊密で見事な美空間で、我を忘れます。
夏の日差しに照らされる城下町と、そこに流れる今とは違う時間。城下町らしい、侍、あるいは軍人といった日本の古い感覚。中学生の淡い思いと、子を亡くした親の哀しみ。
短編映画か単発ドラマになります。絶対に。
どなたかドラマ化しないかな、などと。
こちらにあらすじがかいてあります。
この物語の城下町は松本がモデルだと言われています。また海辺の町は私は勝手に湯河原だと想像しています。
(湯河原だと想像している理由はこちらにも)
これは私小説ではありません。が、色濃く辻邦生の体験、おそらくは松本での旧制高校時代の記憶とか、湯河原に疎開した時の記憶などが反映しています。
しばし時間を忘れたひとときでした。
ではグーテナハトです。
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