Jazz

WDR3で放送されたデヴィッド・サンボーンのライヴを聴きました。

いまさらですが、サンボーンすげえー。

Tin Tin Deoのソロがすごい。アルバムで聴くよりライヴならではの熱気が伝わってきます。マウスピースのデュコフ(だと思う)サウンドが炸裂。フラジオ音域の咆哮たるや神業に近い。そうか、サンボーンは、こんなにフラジオなひとだったんだ、みたいな。

それにしても、アルトサックスでここまで表現してくれるのはサンボーンならではだなあ。フレージングだけならともかく、サウンド(音色)でここまで魅せてくれるのはサンボーンぐらいしか思いつかない(といってもこの数年間はジャズ聴いてないので今どうなっているのか知らないのですがorz)。 フレージングはなんとでもなりそうなもの。バークレーメソッドでフレージングの研究すればいい。時間と忍耐があればなんとかなるはず(まあセンスもあるけど)。 しかし、サウンド(音色)となると、本当にセンス勝負ですからね。理論も何もないから。吹き方とマウスピースと楽器とネックとリードとリガチャの無限の組み合わせのなかから選んで行くとなると、時間と忍耐とお金とセンスが必要。気が遠くなる。ともかくサンボーンサウンドは人間国宝だなあ。

ただ、サンボーンのブルージーなところだけは受け入れるのが難しい。昔からブルース苦手でして……。

ちなみに今日の夜サックス吹きます。先週の土曜日に吹いたとき、アンブシェアの筋肉がついていけず、一曲吹いたら、もう吹けなくなってしまったのですが、ワンランク柔らかいリードに変えたら、フラジオ音域も出せたし、90分連続で吹いても全然大丈夫でした。いやあ、よかったです。

しかし思ったのですが、サックスはコンスタントに練習しておいた方が良いかも。せめて月に一度ぐらいは。18歳にサックスを初めて(浪人決まってサックスを買ったら勘当されそうになった)、25歳ぐらいまでは真面目に(?)吹いていたわけで、7年間ぐらい時間投資したことになりますので、それを無に帰させるのはもったいない気がしてきました。しかし時間ないですが。

WebRadio

1/10夜から1/12にかけては、興味深い放送が数々あります。いつも参考にさせていただいているおかかさんのサイトより。

個人的に非常に興味を持った番組を。とりあえず聴けるように努力するつもりです。 時間はすべて日本時間です。

まずは、ちょっと横道ですが、1/10 4:05からWDR3でデイヴィッド・サンボーンが。最近はジャズを聴くことも少なくなりましたが、最新のサンボーンサウンドを聴けるかも。

続いて、1/10 20:05からNRKにてラフマニノフ「晩祷」。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%99%A9%E7%A5%B7 これ一度は聴いてみないと。

同じく1/10 22:15からNetherland Radioにてウェーベルンのパッサカリア、ベルクのヴァイオリン協奏曲、DSCHの第10交響曲が。ハンス・グラーフ指揮オランダ放送フィルにて。ヴァイオリンはベンヤミン・シュミット。どんな感じだろうか。聴いてみましょう。

1/10 23:00からSveriges Radio P2にてエリーナ・ガランチャがアバド指揮ルツェルン祝祭管と競演した模様が放送されます。

日が変わって、1/11 2:00からストックホルム王立歌劇場「ワルキューレ」の生中継。指揮はセーゲルスタム氏。

そして真打。1/11 3:00からメトロポリタン歌劇場のプッチーニ「つばめ」の生中継。ゲオルギューとアラーニャが(ドタャンしなければ)登場します。これは多くの放送局で生中継をします。BBC, France Musique, Netherland Radio4, ORF o1, NDR Kultur, Bayern 4, NRK Klassik, Bartok Radio, Polskie Radioです。前回「ボエーム」を録音したときに思ったのですが、幕間のおしゃべりが面白そうなので、(まだわかる)英語をしゃべってくれそうなBBCで録音してみようかな、と思います。(前回はノルウェー語で、なんとなくドイツ語に似ているなあ、と思っただけでした)。

1/11 10:05からABC Classic FMにてエリーナ・ガランチャとアバド、ルツェルン祝祭管弦楽団の放送が再び。

1/11 22:30からはFrance Musiqueにてシャンゼリゼ劇場のヘンデル「トロメオ」が。ヘンデルイヤーですので、今年はヘンデルにも力を入れましょうか。

1/12 4:02からは、Musiq3にてウィーン国立歌劇場の「ローエングリン」が。2007年に新国立劇場ですばらしいマルシャリンを聴かせてくれたカミラ・ニールンドさんの登場ですよ!

1/12 4:03からは、SWR2にて、ベルリン国立歌劇場のペーター・ルジツカ「ヘルダーリン ある探求」の初演の模様が放送されます。これは興味津々なり。ルジツカは1948年生まれのドイツ人作曲家。ヘンツェの門下生で、作曲家としてだけではなく指揮者としても活躍中。日本にもいらしたことがあるようです。

ヤバイです。これは。無事に録音&鑑賞できるかなぁ?楽しみ。

Roma2008

昨夜は1時前にホテルに戻って、そのまま眠りほうけてしまう。疲れているので当然。なので少々寝坊気味。今日は日曜日ということもあって、疲れていたとはいえ美術館へ出かけることに。というのも、美術館は月曜日が休館になることが多いので。

ホテルを9時ごろ出発。バルベリーニ宮へ。この美術館の門は、あの映画「ローマの休日」で、ヘプバーン「王女」の大使館の門として撮影に使われたもの。確かに面影はそのまま。ミーハーなので、とりあえず証拠写真を撮っておく。

館内は人も少なくのんびりと鑑賞できた。レーニとカラバッジョが印象的。ベルニーニの彫刻があまたと展示されている。ほとんどが胸像なのだが、その精緻なリアリティに驚かされる。ラファエロもあるのだが、この絵の背景が木々の枝葉であることにはじめて気がつく。鬱蒼たる叢林がわき上がっているとは。印刷ではきちんと判別できていなかったのだ。やはり絵に関しても実物に接してみなければ本当のところはわからない。

これは昨年ボッティチェルリを見たときに感じたことと同じ。一生に一度は本物に触れないとだめだなあ。それも若いうちに。若いときのほうが受ける衝撃は大きいはず。とはいえ、まだあきらめんぞ、と。

美術館の外を出ると、夏の盛りで、青い空には雲ひとつなく、バルベリーニ宮が輝いている。疲れてはいたが園庭を見て、日本人と白人のカップルと写真を撮りあって、という感じ。時のたつのが緩慢で、なんだか夢の中に入り込んだかのよう。

バルベリーニ家は教皇ウルバヌス8世を出した名家。紋章に蜂が用いられているので、美術館の入り口の扉には蜂の彫刻があしらわれている。

なんだか、宮崎アニメの一風景のような気がする。

 

 

 

Concert,WebRadio

ああ、逃してしまった。初回のベルリンフィルデジタルコンサートホールライブ。これだから詰めが甘いっていわれるんだよ、って、初回は1月6日20時から。日本時間の1月7日午前4時。平日の朝4時からはキツイ。なんせ、6時には家出発して通勤開始なので……。

しかし、1月の以降の公演は体に優しい週末。これなら見られそうです。17日は試聴は決定。がんばって早起きしよう。ちなみにお値段は9.9ユーロ。1300円ぐらいでしょうか。ユーロが安くなってうれしい。

1月11日16時(日本時間1月12日0時) メータ(cond)、ペライア(p)

  • エリオット・カーター「スリー・イリュージョン」
  • べートーヴェンピアノ協奏曲第四番
  • R・シュトラウス「家庭交響曲」

1月17日20時(日本時間1月18日4時) ハイティンク(cond)

  • マーラー 交響曲第七番

1月24日20時(日本時間1月25日4時) サカリ・オラモ(cond)、ファウスト(vn)

  • ツィンマーマン「Photoptosis」
  • シューマン ヴァイオリン協奏曲ニ短調
  • シューマン 交響曲第二番ハ長調

楽しみです。

Opera

ヘルマン・ゲッツのオペラ「じゃじゃ馬ならし」を予習中です。

ゲッツは36歳でなくなってしまった作曲家ですが、年代的にはブラームスと近いです。以前にも触れましたが、弦楽五重奏をとある演奏会で聴いてから気になる作曲家になりました。ドイツオペラ的には、ウェーバーとワーグナーの間に位置するとでも言いましょうか。

ゲッツの音楽は、抒情的で優しさに溢れた曲調です。「じゃじゃ馬ならし」というシェークスピアの喜劇を題材にしているということもあって、深刻さのようなものはあまりなく、伸びやかなドイツ的牧歌的抒情性を感じます。指揮者はカイルベルト。いい雰囲気です。

結構気になるいいフレーズがあるのですよ。 たとえば、

MIDIファイルです。聴いてみてください。→widerspenstign.mid

いかがですか? 何か自信に満ち溢れた若々しい旋律。この旋律を聴けただけでもううれしくなってしまいます。東京オペラプロデュースによる公演はは1月17日です。なにごともなく行くことができればいいのですけれど。

WebRadio

おかかさんがまとめてくださっているこちらのウェブ。なんだか本当に申し訳ないです。きっと作るのが大変なんだろうなあ、と思いながら、参考にさせてもらっています。 私にもなにか貢献できることがないだろうか、などと思ったり。ACCESS、EXCEL、VBA、Perlなどを使って省力できないかなど考えてみたりして……。一番いいのは、放送局のウェブサイトを巡回して自動的にサマリーするようなスキームができるといいのですが、時間がかかりそうですし、著作権の問題などもありそう。

今晩はクリスティーナ・シェーファーが登場します。楽しみです。どうやらバロックの演奏会のようです。

さて、エリーナ・ガランチャさんのCDを今更ながら発見して買い注文を出しました。私が初めてガランチャさんを聴いた2003年からもう5年以上たっていますね。グラモフォンに籍があって、ネトレプコとの共演も多数。両雄並び立つという感じでしょうか。ガランチャさんは、今週末にも二つのラジオ局に登場します。こちらも楽しみです。

11日~12日にかけては垂涎もの番組が多数あるのですが、それについてはまた、ということで。

Giacomo Puccini,Opera,WebRadio

今日から仕事始めです。 また日常が戻ってきました。平日は以前にまして時間を取るのが難しいので、寸暇を惜しんで目的に向けて進んでいきたいものです。

1月3日に、7ヶ月ぶりにアルトサックスを吹いたのですが、さんざんでした。調子に乗ってしょっぱなにフラジオ音域で吹きまくっていたら、アンブシェア(口の形とでもいうのでしょうか)が保てなくなって、ロングトーンがふけなくなりました。フラジオ音域なんて夢のまた夢な状態。1オクターブ下で吹くことにしました。無念。それでも無理ならEWI(ウィンド・シンセ)投入か? って、ここに書いたらバレルやないか……orz。ともかく、あと二日練習出来るかどうか、というところ。これはピンチです。良く見る夢があるのですが、それはオペラの舞台に立っていて、これからドイツ語を歌わないといけないのに、困ってしまう、という悪夢なのです。それと同じ感覚。ともかく全力を尽くしましょう。

今日は、メトロポリタン歌劇場にて1月3日マチネで演奏された「ボエーム」を聴いております。

ミミのマイヤ・コバレフスカヤMaija Kovalevska さんは、1979年ラトヴィア生まれとのこと。低い音の声質が変わってしまって少し残念ですが、柔らかい感じの声です。ヘッドフォンで聴いているときは、ちょっとビブラートがかかりすぎで、音がつぶれているような感じだったのですが、自宅でスピーカから聴いてみると印象が全く違います。むしろ感動させ覚えてしまう。すばらしい「私はミミ」です。よくつやが出ていますし、ビブラートも自然な感じで聞こえてくるのが不思議です。 さらに、ゼンハイザーのHD600という少々高いヘッドフォンで聴いてみてもやはり高音域がよく伸びて聞こえてきます。ちょっとこれはショック。たしかにいつも使っているBOSEのクワイエットコンフォート2は低音域が強調されている感じがありましたので。

ロドルフォのラモン・ヴァルガスRamón Vargasさんは、輝く音というよりいぶした深い倍音を持った声。高音域が得意というタイプではないです。むしろ高い音が少し苦しそうに聞こえてしまっているように思えました。こちらも自宅で聞き直してみると、印象は少し変わりましたが、苦しそうなのはやはり苦しそう。体調の問題などありますし、ライヴ音源なので許容範囲かもしれません。

ムゼッタのスザンナ・フィリップスSusanna Phillips さんは、第二幕のワルツで、婀娜っぽさだしながらうまく歌っておられます。マルチェッロのマリウス・キーチェンMariusz Kwiecienさんが素敵です。つややかで黒光りする声。落ち着きを払った威厳のある声。フンディングとかヴォータンを聴いてみたいですね。実際にはドン・ジョヴァンニを歌ったりしておられるようですので、ちょっと方向性はちがうでしょうか。

指揮のフレデリック・シャスランFrédéric Chaslinさん は伸縮自在なテンポでうまく旋律を歌わせようとしています。有名な聴かせどころではかなり減速して歌手にのびのびと歌わせていますね。とおもったら、幕入りでは煌めくように駆けるところもあって驚かされます。

再生装置の重要性に気づかされてしまったボエームでした。うーん、痛い。いまからオーディオに投資するのも難しいですし、音楽と言えばiPodで外出中にしか聴けませんし。困りましたね。

Opera

NHKの2月のBSクラシックナビゲーションが見られるようになりました。

私の注目は、2月9日未明(8日深夜)に放映されるカラヤン指揮「カルメン」。主なキャストは以下の通り。1967年のユニテル制作です。ヴィッカーズさんのホセ、見てみたいですね。

 

  • カルメン (ロマの女) グレース・バンブリー
  • ドン・ホセ (竜騎兵の伍長) ジョン・ヴィッカーズ
  • ミカエラ (ホセのいいなずけ) ミレッラ・フレーニ
  • エスカミーリョ (闘牛士) フスティーノ・ディアス
  • 管弦楽:ウィーンフィルハーモニー管弦楽団

あとは、未定となっている2月16日(15日深夜)枠がどうなるか、だと思います。

 

Classical

遅まきながら、2008年の私的クラシックニュースをまとめることにしました。本当でしたら2008年中に書いておけばよかったのですが。ともかく、まとめて位置づけることが大事かなあ、と思いましてエントリします。

☆ツィンマーマン「軍人たち」

2008年最大の衝撃は新国立劇場でみたツィンマーマンの「軍人たちSoldaten」。もう語ることができないほどの圧倒的な舞台でした。以下のエントリに書き尽くしたでしょうか。おそらくこれから新たに見られる可能性は低そう。あの印象だけはいつまでも大事にしたいです。 

☆ベルク集中漬け

2008年の後半はベルク漬けといってもよいでしょう。ヴォツェック、ルル、ヴァイオリン協奏曲、叙情組曲などを聴き倒していました。 特に印象的な盤は

  • アバド:ルル組曲
  • ムター:ヴァイオリン協奏曲
  • ABQ:叙情組曲
  • アバド歌劇「ヴォツェック」
  • アンドリュース、シェーファー:歌劇「ルル」(DVD)

といったところでしょうか。ベルクの本もいろいろ読みました。謎は深まるばかりです。

☆ニーベルングの指環に開眼

第二四半期は指環ばかり聴いていました。グンドゥラ・ヤノヴィッツさんのジークリンデに感動しつつ、サヴァリッシュ盤の指環をDVD観了しました。ショルティ盤、カラヤン盤、レヴァイン盤、サヴァリッシュ盤(DVD)などを縦横に聴きましたが、やはり今のところはカラヤン盤がもっともしっくりくる演奏だと思いました。傷が少ないうえにカラヤン流の美学で磨き抜かれている印象です。「ヴァルキューレ」のヤノヴィッツさんを起用しているところがもっとも大きな理由だったりするのですが。今年は2月に「ラインの黄金」、3月に「ヴァルキューレ」を観に行く予定です。また指環につかりますか。

☆私的ウェブラジオ元年

2008年末に、ウェブラジオを聴き始めました。最初に聴いた、ロイヤル・アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団のクリスマスマチネで、エリーナ・ガランチャさんの歌に5年ぶりに再会して大きな感動を覚えました。ウェブラジオでのクラシックについてはこれからも折に触れて書いていきたいと思います。

☆新国立劇場/プッチーニ「トゥーランドット」

新国立劇場のトゥーランドットは、演出のヘニング・ブロックハウス氏の周到に考え抜かれた舞台に裏打ちされた見事な演目だったと思います。この公演に関して言えば、オペラトークにも出かけまして、ブロックハウス氏の生の声で演出の狙いなどを聴くことができて本当に刺激的な体験をしました。

☆ヴェルディ「アイーダ」

年はローマに旅行に行きました。金融恐慌の前で、ユーロがとても高い時期。ローマ紀行を書いていますがなかなか進みませんね。ローマでは体力的に厳しいなかでなんとかカラカラ浴場跡で催された野外オペラ「アイーダ」を聴きました。ヴェルディのオペラには苦手意識があり、今でもぬぐいきれないのですが、「アイーダ」はもっとも人気のある演目の一つであることもあり、だいぶ理解が進んだ思います。

☆魅力的な歌手との出会い

オペラ好きですが、まだ数年しか聴いていない状態でして、いろいろと勉強をしなければならない感じ。そんな中で昨年は以下の歌い手の方から感銘を受けました。

  • グンドゥラ・ヤノヴィッツ
    カラヤンの「ヴァルキューレ」でジークリンデを歌っているのに感嘆。クライバー盤「真段の射手」や、ベーム盤「ナクソス島のアリアドネ」、エッシェンバッハ盤「ばらの騎士」、そしてベーム盤「カプリッチョ」で感銘を受けました。また今年もいい盤に巡り会いたいです。
  • アグネス・バルツァ
    カラヤン盤「ドン・ジョヴァンニ」でドンナ・エルヴィーラを歌っているのを聴いてクラリときました。透徹、清冽な歌声。今までも聴いたことがあったはずなのですが、ここまでとは思いませんでした。
  • ニーナ・シュティンメ
    シュティンメさんの実演には、2007年のチューリヒ歌劇場のばらの騎士で接しているはずでしたが、シュティンメさんのCDで感激を新たにしました。この方は、マルシャリンというより、サロメやブリュンヒルデが似合う方なのではないかと思います。ドミンゴとの「トリスタンとイゾルデ」も聴きましたが、イゾルデもなかなかよかったです。ルルとか「ヴォツェック」のマリーを聴いてみたいです。
  • エリーナ・ガランチャ
    2008年の最後にこの方との再会があろうとは思いもよりませんでした。我田引水的かもしれませんが、2003年の新国立劇場「ホフマン物語」で、ニクラウス/ミューズ役で出演されたときから注目していたのですよ。深く味わい深い豊かな歌声は変わらず。すばらしい方です。是非オクタヴィアンを聴いてみたいです。

2008年も実りの多い一年でした。今年は、「ニーベルングの指環」の実演に触れられますし、「ヴォツェック」の実演にも行けそうな予感。昨年よりは実演に触れる機会を増やしていきたいと思っていますが、どうでしょうか。またウェブラジオの魅力にも開眼しましたので、これからいろいろ聴いていくことができると思います。

クラシックを取り巻く環境もやはり厳しくなっていますし、経済情勢は多かれ少なかれ全市民に影響してくるはずです。とはいえ今年もめげずに果敢に聴いていきたいです。

Opera,WebRadio

 

ウェブラジオにて、エマニュエル・クリヴィヌ指揮のリヨン歌劇場公演、ヨハン・シュトラウス二世の喜歌劇「こうもり」を聴きました。

クリヴィヌ氏は、1947年グルノープル生まれ。ご両親はロシア人とポーランド人とのこと。おかかさんのブログで取り上げておられたのもあって、聴くことにした次第。いつも大変感謝しています。

ちなみに、2月には新国立劇場で「こうもり」をみる予定で、予習用にクライバー盤を聴いていましたが、こちらも予習用にもってこいです。

序曲からテンポも音量もかなり動かすアグレッシブな指揮で、聴いていてとても楽しい。つまりある種の驚愕を得られる興味深さです。ウィーン的グルーヴ感がよく出た演奏だと思います。たまにオケが追随できないこともありますが、それは愛嬌でしょう。クライバー盤ではカウンタ・テナーが歌っているオルロフスキー役ですが、この音源では女性が歌っておられます。こっちの方がしっくりくるなあ、という感じです。

オペレッタの楽しい雰囲気は伝わってきて、途中ではアルフレード(と思われる)が、バーンスタインの「トゥナイト」を歌って会場が沸く場面もあって楽しいです。ボエーム、椿姫のアリアやら「オ・ソレ・ミオ」を引用してみたりしておもしろいです。そのほかでも会場が沸いているのですが。フランス語だったりしてわからない。ああ、語学をがんばらねば。 しかし「こうもり」は実際に見に行った方が良いパフォーマンスだと思います。これからDVDを見ようかな。

ちなみに音源は2008年12月19日に録音されたものですが、Operabaseによると、同じキャストで大晦日、元旦にも公演があった模様。ヨーロッパの年末年始は「こうもり」ですね。

  • 指揮者==エマニュエル・クリヴィヌ
  • 管弦楽==リヨン(国立)歌劇場管弦楽団
  • アイゼンシュタイン==テノール==ディートリヒ・ヘンシェル
  • ロザリンデ==ソプラノ==ニコラ・ベラー=カルボーネ
  • アデーレ==ソプラノ==オルガ・ペレチャツコ
  • オルロフスキー公爵==メゾ・ソプラノ==ステファニー・ハウツィール
  • アルフレード==テノール==ベルンハルト・ベルクトルト

登場人物が複雑なので、相関図を作ってみました。ちょっとネタバレもあるかも……。あらすじはウィキペディアを参考にしました。登場人物が多いので、実演に接するか、対訳を見ないときちんと聞けない感覚。がんばりましょう。