Classical

Schumann: Fantasie: Symphonische Et醇・en Schumann: Fantasie: Symphonische Et醇・en
(1996/12/05)
Deutsche Grammophon

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シューマン「幻想曲」をケンプの演奏で。1836年、シューマン26歳の時の作品です。若いのにこれほど複雑な和声を駆使するとは、と感嘆することしきりです。23歳で音楽の道を志したのですから、それから3年でこの高みへと昇ったのかと思うと、空恐ろしさを感じます。やはり歴史に名を残した音楽家といえば、それほどの天才でなければならないということなのでしょう。それでもまだ曲調には若い希望が見いだせる気がします。所々に木漏れ日のように垣間見える明るい和声がそれを物語っていると思うのです。
今年はシューマン没後150年です(1810年〜1856年)。46歳という年齢で逝ってしまい、なお晩年は病に苦しんだシューマンもまた、生き急いだ偉人の一人なのでしょう。若い頃は法学部に籍を置いていたのですが、音楽の道へと転身したというのですから、相当無理をしたのだと思います。無理をせずばそこまでゆけず、無理せずにそこまではゆけず。人間の一生とはなんとも歯がゆいものだと思います。

Classical

シューマン:チェロ協奏曲/ピア シューマン:チェロ協奏曲/ピア
カザルス(パブロ) (1995/02/22)
ソニーミュージックエンタテインメント

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憂鬱な蒼林を思いおこさせる悲痛なチェロの音色が胸の当たりに鋭い痛みを与えます。作品番号を見ると、ああやっぱり、晩年の作品でした。シューマンはこの曲を作曲した4年後に投身自殺を企図しています。晩年むけて精神状況が非常に悪くなっていき、精神病院に入院することになります。そういう背景もあってか、この曲は本当に聴くのがつらいですね。交響曲第1番「春」のあの若々しい朗々たる空気はどこへ行ってしまったというのでしょうか?
演奏は、カザルスとオーマンディ。カザルスのエネルギッシュな演奏のベクトルは悲劇的方向へと強く向かっているように思えてなりません。それは僕の認知的作用の及ぼすところなのかもしれません。あらゆる表象は主観的作用によって形成されるのでしょうから。しかし、それでもやはり、この曲の持つ水面下でうごめく強い感情の力には圧倒されざるを得ません。チェロとオーケストラの間に交わされる濃密な会話の中には、楽観的なそれを聴くことができるとは思えないのです。時宜を得て聴くべき曲なのかもしれません。しかし、悲劇が人間にもたらす力を信じるのと同じように、この曲(のように悲劇的と思われる曲)と向き合うことは、食事をし、仕事をし、眠りにつくという生活の中にあっても決して忘れてはならない事だと思えるのです。

Classical

シューマン:謝肉祭/クライスレ シューマン:謝肉祭/クライスレ
内田光子 (1994/10/26)
ユニバーサルクラシック

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CDプレーヤーのPLAYボタンを押して,待つこと刹那、突然スピーカからほとばしり出る情感的音粒。そして突如現れる転調が心地よい刺激を与えます。一転花畑のような優しい風景が柔らかいアルペジオとともに広がります。シューマンらしい剛質な和声に安心と懐かしさを感じます。泣きたくなるぐらい激しい郷愁を感じます。幼い頃繰り返し聞いた「交響的練習曲」の記憶がよみがえってきたのでしょう。内田光子のタッチは柔らかく、そして情熱的です。嫌みのない適度なアコギグが心をゆさぶります。

Classical

Beethoven: Die 5 Klavierkonzerte Beethoven: Die 5 Klavierkonzerte
Ludwig van Beethoven、 他 (1995/02/14)
Deutsche Grammophon

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ベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番第2番を、ポリーニ&アバド&ベルリンフィルにて。
美しい旋律は伸びやかによく歌った演奏。ポリーニが弾きながら鼻歌を歌っているのが少し聞こえる。キース・ジャレットみたいです。僕は、ラテン系の演奏家がドイツ音楽を演奏するのが実は好きなのです。この組み合わせで聴いたブラームスのピアノ協奏曲もよかったです。
両曲とも交響曲第1番以前の作品番号がついた初期ベートーヴェンなのですが、その中に不協和音を聞き取ることができたのには、すこし驚きました。

Classical

クラシック音楽定番サイト「CLASSICA」さんの中に「300 Basic Works of Classical Music」というコーナーがあります。
前から気になっていたので、自分がどれぐらい聴いているのか数えてみました。聴いているからと言ってすべて暗記しているわけでもないし、すべて理解しているわけでもないですが、とりあえず聴いたことがある記憶があるものを数え上げてみると…。

From For Blog

あ〜、だめだ。ベーシックレベルを全然聴けていないことがわかります。モーツァルト、ベートーヴェンは致命的だな、と…。それからコープランドとか、グレツキとかアイヴスとか取りこぼしている…。これから毎日1曲ずつ聴いていこう。半年で制覇!楽しみです。
まあ、聴くとはどういうことなんだ、聴いて理解するとはどういうことなんだ、聴いて語るとはどういうことなんだ、という悩みは常につきまとうのですが…。このあたりは、引き続き考えていこう。
でも、プッチーニ、R・シュトラウス、ブルックナー、チャイコフスキーは制覇。シュトラウス制覇は大きいし、うれしいな〜。

From DRESDEN REISE…

これまでの音楽的遍歴はまた次の回に書きますが、とりあえず今日はベートーヴェンのピアノ協奏曲を聴きます。

Miscellaneous

http://www.nhk.or.jp/goshogi/shogi/
NHK教育テレビ「新日曜美術館」をが終わると「将棋講座」が始まります。ふつうでしたら、すぐにテレビを消してしまうところなのですが、今日に限ってはそのままつけていたのですが、なんと「将棋講座」の司会はあの錦織健氏ではありませんか!どうやら将棋が趣味なのだそうです。さすがです。それにしても司会もなかなか上手いです。

Tsuji Kunio

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辻邦生著作目録

2005年1月23日現在

  • 辻邦生全集についてはこちらをご覧ください。
  • 「愛・生きる喜び(海竜社)」の巻末の作品目録から抜粋し、私が所有する著作を適宜加えたものです。
  • 文庫は一部を除いて含まれていません。
  • 若干漏れているものはあるかと思いますが、ほぼ全てだと思います。今後も引き続き精査・リファインを進めていきます。
  • 書名に順次アマゾンへのリンクを貼っていきます。
  • エクセルで作成したものを、tableに変換しています。変換にはfrontpageを使用したため、htmlベースで少々汚くなっています。今後折りをみて改善します。無駄な要素を省くなど、改善しました。(2004/5/20)
sq 著作 出版社 ジャンル 関係記事 備考
1 廻廊にて 1963 新潮社 小説
2 夏の砦 1966 河出書房新社 小説 20040410
cover
現在は文春文庫で読むことができる
3 小説への序章 1968 評論 河出書房新社
4 安土往還記 1968 筑摩書房 小説 cover

現在は新潮文庫で読むことができる。
5 異国から 1968 晶文社 小説
6 城・夜 1969 河出書房新社 小説
7 若き日と文学と 北杜夫・辻邦生対談 1970 中央公論社 対談集
8 北の岬 1970 筑摩書房 小説
9 天草の雅歌 1971 新潮社 小説
10 嵯峨野明月記 1971 新潮社 小説
11 ユリアと魔法の都 1971 筑摩書房 小説
12 背教者ユリアヌス 1972 中央公論社 小説
13 辻邦生作品(全6巻) 1972 河出書房新社 全集
14 パリの手記(全5巻) 1973 河出書房新社 日記
15 ポセイドン仮面祭(戯曲) 1973 新潮社 戯曲 20040525
16 海辺の墓地から 1974 新潮社 随筆集
17 北の森から 1974 新潮社 随筆集
18 モンマルトル日記 1974 集英社 日記
19 灰色の石に坐りて 辻邦生対談集 1974 中央公論社 対談集
20 詩への旅 詩からの旅  1974 筑摩書房 随筆集
21 霧の聖マリ 1975 中央公論社 小説
22 パリの手記(全1巻) 1975 河出書房新社 日記
23 眞畫の海への旅 1975 集英社 小説
24 秋の朝 光のなかで 1976 筑摩書房 小説
25 霧の廃墟から 1976 新潮社 随筆
26 夏の海の色 1977 中央公論社 小説
27 春の戴冠(上・下) 1977 新潮社 小説
28 時の終りへの旅 1977 筑摩書房 随筆集
29 時の扉 1977 毎日新聞社 小説
30 フランスわが旅(編集) 1977 中央公論社 (編集)
31 辻邦生全短篇 1978 中央公論社 小説
32 雷鳴の聞える午後 1979 中央公論社 小説
33 季節の宴から 1979 新潮社
34 地図を夢見る(編集) 1979 新潮社 (編集)
35 雪崩のくる日 1980 中央公論社 小説
36 橄欖の小枝 1980 中央公論社 美術論集
37 森有正−感覚のめざすもの 1980 筑摩書房
38 風塵の街から 1981 新潮社
39 十二の肖像画による十二の物語 1981 文藝春秋 小説
40 樹の声 海の声(上・中・下) 1982 朝日新聞社 小説
41 夏の光 満ちて 1982 中央公論社 日記
42 雨季の終り 1982 中央公論社 小説
43 トーマス・マン 1983 岩波書店 評論
44 冬の霧 立ちて 1983 中央公論社 日記
45 もうひとつの夜へ 1983 集英社
46 時の果実 1984 朝日新聞社 随筆集
47 国境の白い山 1984 中央公論社 小説
48 十二の風景画への十二の旅 1984 文藝春秋 小説
49 天使たちが街をゆく(戯曲) 1985 中央公論社 小説 20040205
50 春の風 駆けて 1986 中央公論社
51 世紀末の美と夢(全6巻・編集・小説) 1986 集英社 (編集)
52 雲の宴(上・下) 1987 朝日新聞社 小説
53 椎の木のほとり 1988 中央公論社 小説
54 夜ひらく 1988 集英社 小説 cover
55 詩と永遠 1988 岩波書店 講演集
56 私の映画手帖 1988 文藝春秋 映画評論
57 神々の愛でし海 1988 中央公論社 小説
58 美しい夏の行方 1989 中央公論社
59 フーシェ革命暦(?・?) 1989 文藝春秋 小説
60 銀杏散りやまず 1989 新潮社 小説
61 THE SIGNORE 1989 講談社インターナショナル (英訳) cover 安土往還記の英訳
62 睡蓮の午後 1990 福武書店 小説
63 地中海幻想の旅から 1990 第三文明社 随筆集
64 スペインのかげり 1990 阿部出版
65 永遠の書架にたちて 1990 新潮社 随筆集
66 シャルトル幻想 1990 阿部出版
67 樂興の時 十二章  1990 音楽之友社 小説
68 遠い園生 1990 阿部出版
69 コクトー/アラゴン 美をめぐる対話(翻訳) 1991 筑摩書房 翻訳 cover
70 時刻の中の肖像 1991 新潮社 随筆集
71 my Mozart 1991 小学館 cover
72 遥かなる旅への追想 1992 新潮社 随筆集
73 江戸切絵図貼交屏風 1992 文藝春秋 小説
74 黄昏の古都物語 1992 有学書林 小説
75 天使の鼓笛隊 1992 筑摩書房 小説
76 辻邦生歴史小説集成(全12巻) 1992 岩波書店 全集
77 ある生涯の七つの場所(文庫・全7巻) 1992 中央公論社 小説
78 私の二都物語 1993 中央公論社 随筆 cover
79 美しい人生の階段 1993 文藝春秋 映画評論
80 美神との饗宴の森で 1993 新潮社 随筆集
81 黄金の時刻の滴り 1993 講談社 小説
82 言葉が輝くとき 1994 文藝春秋 講演集
83 生きて愛するために 1994 メタローグ 随筆集 cover
84 鼎談 戦後50年を問う(辻邦生・堤清二・安江良介) 1994 信濃毎日新聞社 対談
85 人間が幸福であること 1995 海竜社 アンソロジー
86 西行花伝 1995 新潮社 小説 cover
87 春の戴冠 1996 新潮社 小説 cover
88 愛、生きる喜び 1996 海竜社 アンソロジー cover
89 光の大地 1996 毎日新聞社 小説 cover
90 花のレクイエム 1996 新潮社 随筆 cover
91 幸福までの長い距離 1997 文藝春秋 映画評論 cover
92 外国文学の愉しみ 1998 第三文明社 随筆集
93 風雅集 1998 世界文化社 随筆集 cover
94 手紙、栞を添えて 1998 朝日新聞社 往復書簡 cover
95 のちの思いに 1999 日本経済新聞社 小説 cover
96 辻邦生が見た20世紀末 2000 信濃毎日新聞社 随筆集 cover
97 薔薇の沈黙 2000 筑摩書房 評論 cover
98 言葉の箱 小説を書くということ 2000 メタローグ 講演録 cover
99 微光の道 2001 新潮社 随筆集 cover
100 海峡の霧 2001 新潮社 随筆集 cover
101 情緒論の試み 2002 岩波書店 評論 cover
番外 辻邦生のために(辻佐保子著) 2002 新潮社 随筆 cover

Tsuji Kunio

辻邦生全集の目録(私家版)です。

sq 巻数 内容 リンク
1 第一巻(小説1) 廻廊にて vol.1
2 夏の砦
3 安土往還記
4 第二巻(小説2) 異国から vol.2
5 城・夜
6 北の岬
7 第三巻(小説3) 天草の雅歌 vol.3
8 嵯峨野明月記
9 第四巻(小説4) 背教者ユリアヌス vol.4
10 第五巻(小説5) ある生涯の七つの場所1〜3 vol.5
11 第六巻(小説6) ある生涯の七つの場所4〜5 vol.6
12 第七巻(小説7) ある生涯の七つの場所6〜7 vol.7
13 第八巻(小説8) 眞畫の海への旅 vol.8
14 秋の朝 光のなかで
15 十二の肖像画による十二の物語
16 十二の風景画への十二の旅
17 第九巻(小説9) 春の戴冠・上 vol.98
18 第十巻(小説10) 春の戴冠・下 vol.10
19 第十一巻(小説11) フーシェ革命暦? vol.11
20 第十二巻(小説12) フーシェ革命暦?・? vol.12
21 第十三巻(小説13) 銀杏散りやまず vol.13
22 睡蓮の午後
23 第十四巻(小説14) 西行花伝 vol.14
24 第十五巻(評論) 小説への序章 vol.15
25 森有正 感覚のめざすもの
26 トーマス・マン
27 薔薇の沈黙 リルケ論の試み
28 第十六巻(エッセイ1) のちの思いに 他、自伝的エッセイ vol.16
29 第十七巻(エッセイ2) 美しい夏の行方 他、旅のエッセイ vol.17
30 第十八巻(エッセイ3) 手紙、栞を添えて 他、読書をめぐるエッセイ vol.18
31 第十九巻(エッセイ4) 美術と映画をめぐるエッセイ vol.19
32 第二十巻 アルバム・書誌・年譜・雑纂 vol.20

やはり、残念ながら全著作の収録とは行かなかったようだ。目立ったところでは、朝日新聞から出版されていた「樹の声 海の声」や「雲の宴」、毎日新聞から出版されていた「時の扉」、「光の大地」などが収録されない。「江戸切絵図貼交屏風」、「楽興の時 十二章」、「夜ひらく」、「天使の鼓笛隊」、「ユリアと魔法の都」、「黄金の時刻の滴り」なども収録されず。私が注目していた「我等の渇いた河」も収録されない模様。特に「時の扉」や「光の大地」は現代を舞台にした作品ながら実にユニークで興味深い作品であると思っていただけに、残念である。

カタログによれば「著作のうち小説、評論、エッセイを精選」と書かれているわけで、全作品の網羅はそもそも目的ではないということ。非情に残念であるが、膨大な著作を前にすればやむをえないだろう。

個人的には、所有していない「森有正 感覚のめざすもの」が収録されるということで、こちらが楽しみである。また二十巻の内容も期待できる。

Classical

フォーレ:管弦楽曲集第1集(ペレアスとメリザンド/他全12曲) フォーレ:管弦楽曲集第1集(ペレアスとメリザンド/他全12曲)
シュターデ(フレデリカ・フォン)、アリックス・ボーカル・アンサンブル 他 (1999/12/08)
東芝EMI

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フォーレの管弦楽曲集をまとまって聞くことができます。
フォーレの場合、室内楽曲も有名だと思うのですが、僕はまだその良さを完全に理解するまでに聞きこんでいません。また「レクイエム」やミサ曲群もフォーレの代表作なのですが、今回は愛聴している管弦楽曲を取り上げたいと思うのです。
管弦楽曲の代表作と言えば「ペレアスとメリザンド」が有名なのですが、このCDを聴いて知ることになった「マスクとベルガマスク」を取り上げたいのです。特に第8曲「パヴァーヌ」の静謐な美しさたるや、聴く者を陶酔ないしは酩酊へと誘うことは間違いないでしょう。波ひとつ立たない水盤に映し出される白亜のバロック建築と蒼い空を独りで静かに眺め入っているような感じです。

Miscellaneous

つとに高機能なGoogleパーソラナイズドホームですが、実に心休まるコンテンツを見つけました。
http://www.artbible.info/art/
Art of the Dayです。今日はプッサンです。明日はなんだろう、という楽しみがありますね。