サヴァリッシュ/シューマン交響曲第2番ハ長調作品61

Symphonies 1-4 Symphonies 1-4
Schumann、Sawallisch 他 (2002/04/09)
EMI Classics

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ホルンの音に導かれて、瑪瑙細工のように厚みはあるけれどその奥から金色の光が差し込んでくるような、聴き手に寄り添うってくるやわらかい弦楽部の序奏部。金管部と弦楽部との対話が続き、弦楽部の高音域から低音域までの幅広い音帯の中で、自在に繰り広げられる和声の響きが、まるで整然と駆ける軽騎兵団ような軽やかさで主題を展開させて行きます。展開部のフーガの伸張も見事。ゴシック教会の天井の梁が均質かつ複雑に絡み合っている様子を思い出させます。ヴァイオリンとコントラバスのユニゾンの力強さについてもぜひ書き加えておきたいと思います。本当に見事な弦楽部の調和です。
サヴァリッシュの指揮は本当に安定しています。ドイツ的といってもそこにはさまざまな意味が含まれることになるのですが、そのなかでも「良心」と呼ばれるものがここに宿っていると言っても過言ではないと思います。そして、録音は1972年台。サヴァリッシュは1923年生まれですから、もう49歳なのに、この若々しさは何なのでしょう?第二楽章の駆動感は特に素晴らしいものがあります。第三楽章の後半部のデュナミークへの牽引力も卓然たるものがあります。第四楽章の祝祭感はハ長調という調性がもたらすものなのでしょうか?しばしば短調の和声をはさみながらも、その針路は常に高揚へと向かっています。金管の華やかなファンファーレとティンパニーの力強い四分音符がこの晴れ晴れしい交響曲の幕を閉じます。ここには内心にいくばくかの不安を抱えながらも希望と明るさを持ったシューマンがいます。私たちはその後のシューマンを知っているだけに、この晴れ晴れしい幕切れにも感傷的にならざるを得ません。
それにしてもドレスデンシュターツカペレの透き通るような弦楽部の音といったら!ああ、これがドレスデンの音なのだ、と思います。さすがはマイセン白磁器を生んだ土地柄です。録音はルカ教会です。クライバーがドレスデンシュターツカペレを振った「トリスタンとイゾルデ」の録音もやはりルカ教会。カール・ズスケのバッハ無伴奏ヴァイオリンソナタ・パルティータの録音もやはりルカ教会でした(この録音では、良く聴くと外の通りを走る車の音が聞こえるのです!)。昔もブログに書いたことがあると思うのですが、この教会のリヴァーヴ感はとても大好きです。比較的強めのリヴァーヴ感で、コーラスがかかったように音に厚みが増していくのを感じます。ルカ教会をGoogle Mapで探してみたのですが残念ながら見つけることができませんでした。かつてドレスデンを訪れたときもルカ教会を探したのですが見つかりませんでした。現存しないのでしょうか…?

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