主役は目立ってはならない?──新国立劇場《夜叉ケ池》

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昨日紹介した朝日新聞の長木さんの評ですが、やはり波紋を広げている模様。音楽批評は難しいです。

今回のオペラのリブレットは、作曲の香月さんと演出の岩田さんが作り上げたものです。私がある種の衝撃を受けた「もう沢山でございます」といった部分は原作にはないはずで、そうしたオペラ化にあたっての、原テキストの取り上げ方などは、もっと評価してもいいのかなあ、などと思います。

それから、音楽的要素だけで、同時代をえぐれるのでしょうか。音楽社会学の議論ですかね、これは。私の中期的なテーマです。

あとは、オペラにおける音楽の占める位置についても考えさせられます。オペラは紛れもなく音楽の一ジャンルとされていて、音楽が主役なわけです。ですが、私自身がオペラを観ている時にどこに注意を向けているか反省してみると、どうも劇のほうを向いているようです。

それは、音楽を軽視しているのではなく、音楽に支えられているということではないか、とおもいます。音楽は重要だが、音楽が目立ってはいけない、という禅問答のような状況。

このことは、ペーター・シュナイダーが新国立劇場で振った《ばらの騎士》についてあとから考えた時に気づいたことです。

 

香月さん、29日の公演にもいらしていました。休憩中は、サインに気さくに応じておられました。私もいただけばよかったと少し後悔しています。

それから、カーテンコールにも登場され、警官役の加茂下稔さんに敬礼したり、蟹五郎役の大久保さんの前でカニのポーズをされたり、なんだかひょうきんなお人柄を感じました。

 

今日は夜勤ですので、夜更かし&寝坊です。