Miscellaneous

広島空港近くの「三景園」。海と山と里の三つの風景がわかるようになっているらしい。池に張り出した渡り廊下はさしずめ厳島神社的でもあります。ここの鯉は元気がよかった。
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なぜか、写真撮影大会で、高級一眼デジカメを持った方々がたくさんでした。
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先日、とある人を話していたときに口をついて出てきたのは「世界は論理ではない」というあまりに自明なこと。頭では分かっていましたが、体得していなかったと見えます。この一年間ぐらい、この考えがひたひたと水位を上がりつづけていて、ようやく容器をあふれ出てきたような感覚です。
世界は権力者の思うがままに動いていくのだ、ということは、辻邦生の「嵯峨野明月記」で読んでいましたし、正しいか正しくないかはともかく、偉い人の「思いつき」で物事が決まり動いていく会社の有り様を見ればなおさら。そこには、なんらの客観的妥当性や論理的必然性はない。そんなこと、分かっていたのですが、ようやく胸に染み渡ったところ。わかってるつもりなのに、体がついて行かなかったが、ようやく体がついてきたんでしょうね。
こういうのが「知識」ではなく、「理解」というのだろうなあ。まだまだ似非Neo Kantianの血が鎮まっていなかったらしい。
今日はトリスタンとイゾルデばかり。ドミンゴ&シュテンメやら、テオリン&スミスやら。
明日も頑張って戦います。

NNTT:新国立劇場,Opera

11月21日、つまり、ヴォルテールの誕生日ですが、新国立劇場にて「アンドレア・シェニエ」を見て参りました。いやいや、本格イタリアオペラという感じで、三時間弱堪能しました。
まずは、ノルマ・ファンティーニの素晴らしさ。ずいぶん前から新国立劇場にいらしてますが、私は初めて聴きました。本当なら昨年の「オテロ」に出演の予定だったと記憶していますが、残念ながら昨年は降板なされましたので。まずはもうお姿が美しいと言うのが第一印象なのですが、歌も抜群に良かったです。声量、性質も抜群でした。こういう方が世界レベルなんだろうなあ。
それから、シェニエを歌ったアガフォノフもなかなかの方。低い音域でのピッチの揺れが少し気になりましたが、ここぞというところのロングトーンののびは素晴らしいです。声質は硬質な感じですが、これはロシア的と言えるのでしょうかね。昔、パリで「トゥーランドット」を見たときに、カラフを歌ったロシアの方と性質がよく似ています。ドミンゴのような甘みはないんですが、これはこれで気に入りました。
あとは、ジェラールを歌ったガザーレも素晴らしい。冒頭、従僕として登場するジェラールの第一声を聴いた途端にやっぱり引き込まれてしまいました。
演出もすごく面白かったです。もちろん、フィルップ・アルローの手になるもの。この方の青い照明は本当に素晴らしい。払暁の東の空を思わせる群青色が実に印象的。群青大好き。
色々面白い趣向が凝らされていて、各幕の最後は、フラッシュが瞬き、舞台上の登場人物達がスローモーションで動いているように見えるんですが、すべて人々が殺されるシーンになっていました。貴族達が殺され、ジロンド派が殺され、死刑囚達が殺され……。
あとは、第一幕と第二幕の間に出てきたギロチンのCGが面白かったです。小太鼓が刻む陰鬱なビート音が徐々に大きくなるにつれて、CGで描かれたギロチンが何度も何度も刃を落とし、CGのギロチンが細胞分裂のように数を増やしていく。フランス革命の陰惨な恐怖を視覚と聴覚に訴えているようなパフォーマンス。なんだか、こうも執拗に小太鼓のビートが繰り返されるのはミニマルミュージックを聴いているような感覚でした。
最後のシーンで、舞台上の登場人物達は全員殺されて、舞台上に身を横たえるのですが、子供達だけが生き残っていて、舞台奥に駆け込んで、銃を持って三色旗を振り回していました。このシーンは希望を現している、というむきもありますが、私には絶望に感じられました。結局、子供達も大人になれば同じことをするのだ、とい示唆なんでしょう。
フランス革命の残虐性は、次の世代に受け継がれ、人類がある限り永遠に繰り返されるのである、というテーゼ。うーむ、人間というものは悪行を繰り返し、決して進歩しない。弁証法は幻想である。悲しみ。

NNTT:新国立劇場,Opera

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既報ですが、嬉しかったので書きます。ペーター・シュナイダーが、新国立劇場にカムバックです。2012年6月に「ローエングリン」を振ります。卒倒しそうに嬉しいですね。這ってでも行きます。私は、新国立劇場のアンケートに「ペーター・シュナイダー、ペーター・シュナイダー、ペーター・シュナイダー」と何度も何度も書き続けていたのですが、同じ意見の方がいらっしゃったということでしょう。まあ、私のアンケートは関係ないにしても、この僥倖は素直に喜びたいです。
来年1月は、いよいよ大野和士指揮で「トリスタンとイゾルデ」。早速、シュナイダーが2009年にバイロイトで振った「トリスタンとイゾルデ」を聞いています。約半年ぶりのワーグナーオペラ。楽しみで仕方がないです。

Movie

久々の映画ネタ。
NHKBSで放送されていたこの映画、見るつもりじゃなかったのに、ついつい最後まで見てしまいました。
“http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A%E3%81%82%E3%81%86%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%9F%E3%81%A1":http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%81%E3%81%90%E3%82%8A%E3%81%82%E3%81%86%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%9F%E3%81%A1
この映画、劇場でみたのですが、クラリッサがキッチンでパーティーの準備をしているときに流れていた曲にズドンとやられたんです。これがリヒャルト・シュトラウスの「四つの最後の歌」なんですよ。当時はお恥ずかしながら、「四つの最後の歌」を知らなかったんですが、映画で出てきたとたんに、電撃に打たれたようになってしまい、早速CDを買ったような記憶があります。今日は録画したんですが、終わった後に、もう一度「四つの最後の歌」が出てくるシーンを確認しましたが、いいですねえ、やっぱり。
この映画、今になってみると、凄く理解が進みます。7年間で私も変容したということでしょうか。あとは、映像美を見破れるようになってきた気もします。カメラの絞り具合とか、構図とか、ピントの合わせ方とか、あまりに素晴らしくて瞠目しました。
カミさんは、最近ヴァージニア・ウルフにはまっていて、かなり薦められています。私もたまには英文学に取り組むことにしましょう。
やっぱり、映画見ないとなあ。精進します。

Miscellaneous

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久々ですが、元気にやっておりますよ。
遅い夏休みをやっととりまして、広島に行ってきました。たくさんのかたにお世話になり、大変充実した旅行になりました。少しずつ写真を出していきますので、お楽しみに。
旅行前も、仕事や準備で目の回るような忙しさでしたし、旅行中は、音楽をゆっくり聴く暇もなく、なんだかめまぐるしい半月でした。おかげで、このブログも滞りましたが、また始めていきます。
旅行中に聞いていたのは、いつも登場する「カプリッチョ」。旅行中に、どうしても、磁器のようなきめ細かくて優しい光を放つヤノヴィッツの声と、ディースカウのスタイリッシュながらもたくましい声を聴きたくて、夜はかけっぱなしでした。
明日から仕事ですが、また頑張りましょう。

Symphony,Wolfgang Amadeus Mozart

東京も寒い。でも台風が来ている。なにかおかしい。
体重が急激に減ったんですが、なんのことはない。おそらくは筋肉がおちたのだと思います。この一ヶ月ほど、土日も消耗していたので、ジムに行けなかったのが敗因。あんなに鍛えたのに残念。レグプレス120キロ、再びできるようになるのはいつかなあ。
相変わらずカラヤンのモーツァルトが面白くて、今日もずっと聴いていました。飽きもせず繰り返し繰り返し。
私は、EMIからでているテイトのモーツァルト交響曲ボックスを持っていて、こちらのハフナー、リンツも大好きです、ハフナーはカラヤンよりも端正でおとなしい。テンポも少し抑えめですが、音量のダイナミズムはテイトのほうが際だっています。さすがに編成が少ないだけあって、カラヤンの音源より音圧は少ないけれど、その分聞きやすいです。
この音源も思い出深いです。辛いときに引きずり出してくれたいろいろな「もの」の一つなのです。ありがとう。
カラヤンの「ドン・ジョヴァンニ」のライナーを見ると、チェンバロは若き日のテイトだったりして、テイトがカラヤンにも使われていたのだ、と認識を新たにしたのを覚えています。テイトは、ブーレーズともリングのプロジェクトで一緒に働いたことがあるはず。
カミさんは夕方にバレエを見に出かけましたが、駅と会場が離れているので、雨合羽を着込んでいきました。私はこれから英語を話しに行って、やっと週末のオフに入ります。今晩もたっぷり眠れますように。

Symphony,Wolfgang Amadeus Mozart

今日もカラヤンのモーツァルト。35番と36番を繰り返し。ヴァイオリンのテヌートが際立っていて、優雅さが引き立っています。録音良好。リヴァーヴ感もすばらしい。ベルリン・イエス・キリスト教会にて1970年の録音。
考えてみれば、カラヤン&ベルリンフィル&ベルリン・イエス・キリスト教会の組み合わせは、私の音楽体験の原点です。小さいころ、グラモフォンのカセットテープを飽きるほど聴いておりましたから。だから、この音質に安心してしまうのでしょう。でも、テヌート感は今週初めて感じた気がしていました。
でも? と思い、私のブログを見てみると、同じことを三年半前に感じているらしい。変わらないわたくし。
“https://museum.projectmnh.com/2007/05/22205042.php":https://museum.projectmnh.com/2007/05/22205042.php
でも、三年も経って、同じことを感じていると言うことは、勘違いでもなさそう。
ラヴ、カラヤン。
36番は、ずいぶんと速いぞ。アスリート的。でも、美しい。体操選手の床競技みたいな。

Symphony,Wolfgang Amadeus Mozart

久々にモーツァルトの交響曲を。
38番「プラハ」と39番。
なんだか心が洗われた感じ。ここ数ヶ月味わったことのない静かで確かな心の動きを感じました。私の音楽が聴いている音楽の量は極めて少ないので、焦燥感とともになるべくオペラを聴こう、と管弦楽曲をなるべく聴かないようにしていましたが、今日はたまたまです。
言わずもがなですが、モーツァルトは偉大です。演奏はカラヤン。なんだか弦のフレージングがテヌート気味なのに気づいて、すごく新鮮です。音の切れ目を感じさせず、十分に音価を引き伸ばしている。録音場所のリヴァーヴ感とあいまって、天から落ちてきたかのよう。もちろん、ベルリン・イエス・キリスト教会で、1970年9月の録音。
ヨーロッパの建築でよくあるドーム型天井に描かれたフレスコ画の微細ながらも柔らかいタッチを思い出します。抜けるような淡い水色の空と綿のような雲、それから踊る天使達の姿。
欧州に飛んでいきたいですが、残念ながらかなわぬ夢。欧州文化の偉大さなんだが、後ろに控えている尊大さや残酷さをしばし忘れさせてくれる。美しいものは、あらゆるものを踏みにじって表出しているという過酷な現実を、ほんの少しだけ忘れることができました。

Opera,Richard Strauss

私はこの数年間リヒャルト・シュトラウスに惚れ込んでいますが、まだまだ皆様のようにすべてを把握出来ているわけではありません。
まずはオペラ作品だけでもすべて聴いておきたいのですが、まだまだ聴けておりませぬ。
というわけで、先日から「エジプトのヘレナ」を聴いていますが、それはそれは、もうなんともかんとも、すさまじい音楽で、サロメとエレクトラをさらに突き進めたような強烈・強靱な音楽にたじたじです。すごいっすねえ。
今日は、あいにくい帰宅の電車が人身事故騒動に巻き込まれ、いつもより余計に電車に乗っていたのですが、幸いにも座れていましたので、一人の時間でゆっくりと「エジプトのヘレナ」漬けでした。でもカイルベルト盤は録音品質に問題はありますが。
数年前に、二期会が「エジプトのヘレナ」を上演しましたね。見逃したのが悔やまれます。2004年に若杉さん指揮でやったんですねえ。行きたかったです。
シュトラウス合宿と銘打ってしばらくがんばります。ああ、グントラムをiPodにいれんとなあ。